季節の変化

活動の状況

リースのイルミネーション

2008-12-19 05:11:56 | Weblog
庭のイルミネーションは、
青と白のLEDで、リースをつくった。

11月20日から点灯。

去年は、白いハート

去年は、高校生が自転車の後ろに彼女を乗せて、通りかかった。
通行人として、聞いていると、
「きれい! こんなところがあるんだ」
と、彼女が言った。
彼は、得意そうだった。

今年は、お母さんが、車に園児? を乗せて来た。
「よく見た? もういい? じゃ、帰るよ」
と、再び車に乗せていた。
なごみになったり、地域に役立てばいい。

2008年の終わりもせまってきました。
この1年間、“季節の変化”に、
ご訪問いただき、ありがとうございました。

そして、幻冬舎ルネッサンスから出版した、
『世界がみる日本の魅力と通知表』の、
お買い上げ、ありがとうございました。

この本がきっかけで、
講演のお声がかかりました。
『世界がみる日本の魅力』という、
日本の永遠のテーマをタイトルに、
― 日本人はもっと自信と誇りを持っていい ―
を、サブ・タイトルにして、講演しました。

東京の学生寮 (6月)、札幌の市民講座(9月)、
郷土のロータリークラブ(11月)、東京の同窓会(12月)で、
講演できたことは、光栄でした。
講演を企画していただいた方々、
聴講していただいた方々、
ありがとうございました。
これまで得られた知識、経験が、お役に立ったり、
勇気づけることができたり、社会に還元できれば、うれしい。

それでは、みなさん、
いい年の瀬と、いい2009年をお迎えください。
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シンガポールのタイ料理

2008-12-16 08:01:18 | Weblog
シンガポールの高層ビルディング。

シンガポールのシンボル、マーライオンは、
昔の場所が、右手前の橋の影になったため、
中央手前の先端部に、大きくなって、移動した。

中華料理”には、香港シンガポール中国台湾があって、
どこもうまいから、ベストはどこか? を決めるのはむずかしい。

香港の桂花魚(淡水魚)の蒸し煮は、いい味がでていた、
シンガポールの、冬瓜(とうがん)をくりぬいたフカヒレのスープは、上品だった、
北京の乾燥アワビをもどしたステーキは絶品である、
台湾の小龍包(しょうろんぽう)は、皮が破れて熱い肉汁が口に広がった。

香港で、ブレントに聞いてみた、
「中華料理のベストは、どこですか?」
香港がベストだ!」
と、当然のごとく香港人は即答した。
「香港がおいしいのは、シェフの腕がいいからだ。
腕のいいシェフは中国の外に飛び出す、その方がもうかるからね。
世界一の中華料理”を味わいに、世界中の観光客であふれている」

シンガポールのホテルのエレベータに、
「本場、香港から呼び寄せたシェフの、本格的な中華料理をどうぞ」
と、レストランのポスターが貼ってあった。
これで、中華料理のベストは、香港であることを、
シンガポールが認めたことになる。

シンガポールの夜、中国系のシンガポール人トムは、
チャイナ・タウンに、おいしいタイ料理があるが、どうでしょう?」
と、タイ・レストランに連れて行ってくれた。
――チャイナ・タウンというから、
中華料理を予想したのだが、タイ料理だった。
それに、トムはチャイナ・タウンへ行くことには、ためらいはない。

そのタイ料理は、次だった。
―タイ式のシャーク・フィン(フカヒレ)スープ、
土鍋には、シャーク・フィンのかたまりがあって、
味はマイルド、濃くはない。
ガルーパという、魚のカラ揚げ、
エラが張った白身の魚ガルーパは、くせのないサッパリした味。

Fish Mawフィッシュ・モーというシャークの胃、
このフィッシュ・モーは、スポンジのような形。
ジンジャーと、野菜の味付けソースをかけるのだが……うまい。
「フィッシュ・モーは、シャーク・フィンと同じで、非常に高価だ」
とトムは言う。それに、
―豆苗(とうみょう)の炒めもの。

タイ料理は辛い、と構えていたが、まったく違っていた。
――デリケートな味だ。このタイ料理ならば、
世界一の香港の中華料理と、同じか、しのぐ。
このタイ料理は、デリケートな味を出せるシェフの力だ。

「外に出て、ドリアンを食べましょう」
と、タイ・レストランではデザートは止めて、
夜風が心地いいチャイナ・タウンに出た。

ドリアンの露天商が並び、山積みのドリアンと、
1個ずつ、ヒモでつるしたドリアンを売っている。
ヒモつりのドリアンのほうが、形が安定している。

「ドリアンは、シンガポールではできないから、
マレーシアやタイから輸入している」
と、トムは言う。

「妻は、ゆすったり、押したり、匂いをかいだりして、
ドリアンの見分け方を知っているが、私には、わからない。
だから、失敗のないように、マレーシア産のブランド品にした。
値段は高いが、当たり外れがない」

山積みのドリアンは、1個売りで、700円だが、
ヒモつりのドリアンは、量り売りである。
トムは、ヒモつりのマレーシア産のブランド品から、
適当な大きさを選んだ。
秤(はかり)で重さを量って、2,500円。
――なかなかの値段だ!

南国の満天の星のもとで、
テーブルのドリアンを見つめる。
トムは包丁で切った……だが、ドブの匂いがしない。
――このドリアンは、果物の匂いだ!

スーパーマーケットで買ったドリアンは、
ドブの匂いを我慢して、果物の王様を味わうか?
それとも、あきらめるか? 重大な決断をするものだが。

種を包む黄色いフニャフニャを、手でつかんで食べる。
――脂肪があるように豊潤で、うまい。
たちまち平らげる。
ドリアンでも、腹が一杯になった。
南国の夜風がさわやかだ。

うまいタイ料理、ドリアン、それに夜風。
シンガポールはいい気分にさせる。


南国シンガポールの夜。
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シンガポールのリトル・インディアに中国人はいない

2008-12-14 05:47:49 | Weblog
シンガポールの海辺のレストラン。
中華料理のシーフードが味わえる。


シンガポールは、中国系住民が75%、インド系が9%、
マレー系が14%の“多民族国家”である。

シンガポールには、
中国街として、“チャイナ・タウン”があり、
インド街として、“リトル・インディア”がある。

国際都市シンガポールへ行けば、
きょうは中華料理、あすはインド料理と、
チャイナ・タウンやリトル・インディアに、
足を運んで、うまい料理を食べたいが、
シンガポールの中国人とインド人は、どうだろうか?

ロンドンのチャイナ・タウンに、インド人はいなかったし、
インド街で食事をしている中国人はいなかった。

シンガポールの現地企業に勤めている日本人女性に聞いてみた。
―チャイナ・タウンに、インド人が行くのだろうか?
―リトル・インディアに、中国人が行くのだろうか?

「チャイナ・タウンに、インド人は行きませんし、
リトル・インディアに、中国人は行きません。
私は、どちらへも出かけて、中華料理や、
インド料理を食べますが」

「中国人の友人とは、チャイナ・タウンへ行って、
中華料理を食べます。
インド人の友人とも、リトル・インディアに行って、
インド料理を食べます。
でも、中国人とインド人が連れ立って、
チャイナ・タウンやリトル・インディアに行って、
中華料理やインド料理を食べることは、ありません」

――中国人とインド人は、仲が悪いのかな?
それで、シンガポール人のエリスに聞いてみた。

「中国人、インド人、マレー人で、民族の抗争はありません。
多民族国家ですから、“民族の融和”を図っています。
民族の抗争偏見は、“教育”によってなくなります。
ですから、学校教育で融和政策を採っています」
と、エリスは言う。

「それに、規律によっても、
民族の融和を図っています。
中国人はアルコールを飲みますが、
インド人、マレー人は飲みませんから、
アルコールの販売時間を制限しました。
それに、南国ですから、ややもすると、
怠けたくなるのを、防ぐためもあります」

チューイング・ガムつばをはき捨てると、
厳しい罰則があるのは、規律を守らせて、
国家の維持を図るためです。
麻薬については、特に厳しい取締りと、
罰則があるのは、おわかりと思います」
と、エリスは言う。

「民族の融和政策をとっていることが、
シンガポールが繁栄している大きな理由になっています」
と、エリスは言う。
シンガポールの繁栄に、民族の融和政策があるというのは、
予想していなかった。

シンガポールの繁栄は、つぎを言うと予想していた。
―小さな国家なので、労働力で大量生産するのは、限界です、
―頭脳を中心とした産業、開発主導の産業を育成し、
労働集約産業から切り替えたのです、
―生産は、お隣のマレーシアやインドネシア、タイの、
安くて豊富な労働力を使います、
―それと、前にマラッカ海峡を臨む貿易港を持って、
貿易産業も発展させています、

多くの貨物船が行き交う。シンガポール沖。

―これらのために、国民の教育には力を入れてきました、
(国際教育到達度評価学会(IEA)の数学、理科の2007年調査で、
シンガポールの小4算数2位(日本4位)、小4理科1位(日本4位)、
中2数学3位(日本5位)、中2理科1位(日本3位))
―シンガポールの繁栄は、これらの成果によるものです。

これに、民族の融和政策は、大きな要因になっていたのだ。
――多民族国家が、民族同士の抗争に明け暮れていたのでは、
たしかに、国の発展はない。

さて、シンガポールの、
リトル・インディア中国人はいないのも、
チャイナ・タウンインド人がいないのも、
民族の抗争や偏見のせいではない。
たんに、嗜好(しこう)によるものだ。
民族の味、母ちゃんの味は、
簡単には手放せない、冒険しなくてもいいから。


ショッピング・モール。シンガポール。
安らかにうたた寝ができる街。
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ロンドンのチャイナ・タウンにインド人はいない

2008-12-10 06:27:32 | Weblog
ロンドンの繁華街ソーホーにチャイナ・タウンがある。
イギリスは、香港、インドを植民地にしていたから、
ロンドンには、多くの中国系とインド系住民がいる。
チャイナ・タウン、インド街があって、それぞれのレストランで、
中華料理インド料理が味わえる。

中華料理のいいところは、うまいことのほかに、
おおぜいで行って、いろんな料理を、シェアできることである。
グループで行く、家族のお祝いをする、
パーティを開く、外国からの来訪者と行く……。

繁華街ソーホーにあるチャイナ・タウンに、
香港からの来訪者をお連れしたら、
「ここは、広東料理だ」
と、メニューをみて言った。

Gerrard Streetには、中国式の門があり、
広東料理のレストランが、左右に並ぶ。

チャイナ・タウンのレストランは、イギリス人のほかに、
世界からの観光客で、にぎわっている。
――でも、不思議なことに、
チャイナ・タウンにインド人は見当たらない。

ロンドンにはインド・レストランが、インド街にもある。
それ以外にもあちこちにあるから、インド料理が食べられる。
タンドリー・チキンや、カレーにチャパティ、ナンを食べに行く。
――しかし、インド・レストランに中国人は見当たらない。

――中国人とインド人は仲が悪い、とは聞いていないし、
民族の抗争も偏見もないと思うが。

私はチャイナ・タウンでも、インド街でも、
ちゅうちょすることなく足を運ぶ。
そして、うまい中華料理やインド料理を食べる。

しかし、中国人は、“うまい中華料理”を捨ててまで、
インド街に足を踏み入れることはしない。
インド人は、牛肉を食べないし、
本場のカレー味”を捨ててまで、
チャイナ・タウンへは行かない。

日本人は、おいしいものは、おいしい、
と、拒絶することはしない。
どんな味がするのだろう? 
と、異質なものや風習に興味を持ち、
それを、日本風に融合、調和する才がある。
これが、改良や発展、新たな文化の創出
につながっている。
ビーフ・カレーもある。

拒絶することは、相手の文化を受け入れないことになる。
拒絶は、相手の風俗や習慣、人格を尊重しないことに、
つながるじゃないか。

それで、日本は、食の国際都市になって、
世界の料理が味わえる。

トルコのケバブが新宿で味わえる。

シンガポールは“多民族国家”。
多くの中国系とインド系住民がいる。
そして、中国街“チャイナ・タウン”と、
インド街“リトル・インディア”がある。

ロンドンのように、中国人とインド人はお互いに、
チャイナ・タウン、リトル・インディアには、
足を踏み入れないのだろうか?
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スペインのシエスタ・チャイルドと天才

2008-12-07 07:16:11 | Weblog
シエスタSiesta(昼寝)は、
暑さをしのぐスペイン人の知恵だ。
そのシエスタはスペインの“3S”に入っている。
「スペイン料理は、降りそそぐ“Sun太陽”のおかげだ。
それに、スペインには“3S”がある……Sunのほかに、
Siestaシエスタ”と“Sex”である」
と、コロは大らかに言う。

コロには子どもが2人いる。何歳になるだろうか?
「上は息子で16歳、下は娘で8歳です」

――すると、上と下では8歳も離れている。
それに、最後の子どもだから、
Morning Childモーニング・チャイルド”に違いない?
スペイン版だ!

イギリスの王様ジェフには、3人の子どもがいて、
15歳、13歳、そして8歳だった。
5歳離れた最後の息子は、
Morning Childモーニング・チャイルドだと言っていた。

「コロの娘は、モーニング・チャイルドだね?」
「……モーニング・チャイルド? 何ですか」
「“朝の子ども”です」
と、イギリス人のジェフから受けた説明をした。
「ハハハ……モーニング・チャイルドか、
スペインには、相当する言葉がないな……」

――モーニング・チャイルドはイギリスだけか?
コロは、ちょっと考えていた……そして、叫んだ。
「スペインでは、“朝Morning”ではなくて、
昼間Day time”がピッタリだ!
Siesta Childだ!” そうだ、シエスタ・チャイルドだ!
あれは、木曜日だった!
木曜日のシエスタ・チャイルドだ!」
――木曜日と日まで、
特定することはないにしても、
コロは、話を合わせてくる。
それに、この飾らない明るさがいい。

――この3Sに、SpainのSを加えれば、4Sになる。
さらに、Soil土を加えれば、5Sになって、
スペインの灼熱土壌は、ヒラメキを生んで、
天才”、“鬼才”を生み出している。
ダリミロピカソガウディも……。

ジョアン・ミロの絵を私の部屋に飾ってある。
下諏訪町のハーモ美術館で買った。
15センチ、印刷で2千円ほど。

ミロはカタルーニャン(カタルーニャ人)、
そのミロには、天才のヒラメキがある。
拡がりがある、想像させる。それに、
色もいい、ほのぼのとさせる。

「そうなんです。スペインからは“天才”が生まれている」
コロは、「よくぞ言ってくれた」とばかりに話す。
「美術館をみれば、このことがわかる。
よその国の美術館は、“略奪品”の展示が多い。
研究・調査、保存と称して、持ち帰ったものだ。
イギリスの大英博物館にしても、
フランスのルーブル美術館にしても、
ドイツのペルガモン博物館にしても」

「それか、財力にものを言わせて、かき集めた
コレクション”を展示する美術館だ。
ロシアのエルミタージュ美術館やアメリカの美術館だ」

「略奪品やコレクションではなく、
自分の国の作品を展示しているのは、
スペインの美術館だ!
バルセロナの美術館や、
マドリッドのプラド美術館だよ」
コロはカタルーニャン(カタルーニャ人)で、
マドロニアン(マドリッド人)とはライバルであるが、
このときは、ライバルを忘れて、スペインのために、
バルセロナも、マドリッドも、誇りに思う。

「スペイン以外で、自国の作品を展示しているのは、
フランスの印象派を集めたオルセー美術館、
イタリアのウフィツィ美術館やヴァチカン美術館、
オランダのアムステルダム美術館、ゴッホ美術館だ」

「“カタルーニャ地方”からは、“天才”が出ている。
建築家のガウディ、芸術家のダリミロ
ピカソはバルセロナの美術学校で学んだ……。
天才の作品や美術館が、バルセロナと近郊にあるよ。
ガウディの建築は世界遺産になっている」
と、カタルーニャンは誇らしげだ。


ミロ美術館の屋上。バルセロナ。

「マドリッドからは、2人の宮廷画家ベラスケスゴヤ
ほかに、エル・グレコ(ギリシャ出身)が出ている。
彼らの作品は、マドリッドのプラド美術館にある。
ピカソのゲルニカもマドリッドにある」


ゴヤの像とプラド美術館。マドリッド。

それでコロと、芸術家とその作品を挙げて、
「ガウディのカサ・ミラやサクラダ・ファミリア、
ダリの柔らかい時計(気憶の固執)、
ベラスケスのラス・メニーナス(女官たち)、
ゴヤの裸のマハとカルロス4世の家族、
ピカソの科学と慈愛……」
と、一致するのを喜びあった?

バルセロナの奇抜とマドリッドの宮廷画家
カタルーニャンのヒラメキとマドロニアンの観察力
これは、コロの誇りである。

2時から始まったスペインの昼食は、
5時ちかくになった。
レストランに一杯いたお客さんは、
いつしか、最後のペアも去って、
コロと2人だけになった。

まだデザートを残している。
野いちごのブランデー漬け、それにエスプレッソ。
夜ならば、食後酒としてオルーホOrujo、
アルコール40%の強い酒、2オンスを、
カパッと一気に飲むのだが、まだ、昼間。
シエスタが終わり、これから午後の仕事がある。

ディナーは、夜の9時にレストランが開く。
このディナーは深夜まで続いて、寝るのは翌日。
スペイン人は、翌朝? ちゃんと出社している。

――話は尽きないが、シエスタを十分楽しんだ。
それに満腹だ。コロ、ありがとう。
「ありがとうを言うのは私だよ、
こうしていっしょに食事を楽しめたのだから」

スペイン人は、降りそそぐ太陽Sunの恩恵を、
たっぷりと浴び、生きていることを、謳歌している。
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スペイン料理とフランス料理

2008-12-03 06:38:25 | Weblog
コロからハモンの講義を受けて、昼食は進んでいく。

メインの前に、ヌードルがある。
ガーリック味で、エビが入っている。
――これも、うまい!
スパゲッティは、イタリアのものと思っていたが、
スペインもうまい。
コロは、海鮮づくしにしてくれた。
――ありがとう。それに、もう満腹だ。

2002年日韓共催のワールド・カップ開催中に、
コロと会議をしたことがあった。
スペイン対パラグアイ戦、コロはそわそわしていなかった。
会議後にテレビを見ると、3対1でパラグアイに勝った。
すでにスロヴェニアに3対1で勝っているから、
あっさりと、決勝トーナメント進出を決めた。

決勝トーナメントでは、韓国に1対1で決着がつかず、
PK戦で敗れてベスト8どまり、
スペインは今回も優勝できなかった。
FCバルセロナレアル・マドリッドの方が、
ワールド・カップで優勝するナショナル・チームよりも強い」
と、コロはくやしまぎれに言った。

ここバルセロナは、カタルーニャ地方の州都。
カタルーニャン(カタルーニャ人)のコロは、
首都マドリッドのマドロニアン(マドリッド人)に、
ことのほか対抗意識が強い。

「独自のカタルーニャ語を話すし、今でも独立気運がある。
フランコ大統領の独裁政治ときに、
カタルーニャ地方は、自治権は奪われ、
カタルーニャ語は禁止され、スペイン語を強制された」

「サッカーの一部リーグのクラブ・チームが、
スペイン全土に20あり、FCバルセロナと
レアル・マドリッドはライバル同士だ。
エル・クラシコ(伝統の一戦)”は、
サッカーに名を借りた戦争の再現となって、
バルセロナの街は騒然となる」
と、ワールド・カップ以上に熱が入る。

さて満腹だが、まだメインがある。
メインは、あっさりといきたい……魚を希望した。
コロはオーナーと相談している。
「きょうは、魚が揚がらなかった。
きのうは日曜日で、漁師が海に出なかったから。
きょうは、残った魚しかない」

それでは、軽めに鴨(ダック)か、
野うさぎ(ヘヤー)を希望すると、
1キログラムのダックがあるという。
1キログラムも要らないが、
ダックのローストをオーダーする。

ワインは、リオハRioja
ダックはモモ肉、1本だった。
ダックのこんがりと焼かれた皮は、
ペキンダックのようだ。
皮にナイフを入れると、下には、
ほどけるような肉があった。
――うまい! カリカリの皮も、ほどける肉も。

コロは、スペイン料理に誇りをもっている。
「スペイン料理は、食材が豊富で、
その食材の本来の味を生かしている。
ボリュームがあるし、それに、むやみに飾らない


シーフード・レストランで海鮮焼き。バルセロナ。
ムール貝、アサリ、ホタテ、マテ貝、
カニ、スキャンピがある。

そして、コロはフランス料理に、
ことのほか、対抗意識があって、
「フランス料理のように、元の食材の形を変え、
ソースで味を変え、ちょっぴりの量を、
飾りつけている。それを、
気取って食べるのは、イヤだね」
と、食の自然を強調する。

――たしかに、スペイン料理は自然を味わう。
それに、ボリュームがある。
海で獲れた貝や魚、陸で獲れたダックを、
本来の味を引き出し、なるべく元の形を変えずに、
調理している。

「スペイン料理は、降りそそぐ“Sun太陽”のおかげだ。
それに、スペインには“3S”がある……Sunのほかに、
Siestaシエスタ”と“Sex”である」
と、コロは言う。

日本人に、こんな3Sを言う人は、
スペイン人以外には、いなかった。
スペイン人の、この明るさがいい。
昼食は、デザートを残している。


ガウディ設計によるサクラダ・ファミリア。バルセロナ。
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