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『フリーター、家を買う。』(読書メモ)

有川浩『フリーター、家を買う。』幻冬舎文庫

大学卒業後、3か月で会社を辞めてフリーターになった誠司は勝手気ままな生活を送っていた。しかし、母親が重度のうつ病になっていることに気づいてからは、夜の土木作業バイトをしながら母を介護し、正社員を目ざして奮闘する、というストーリー。

ちなみに、誠司の父親は自己中心的で嫌なオヤジとして描かれているのだが、誠司とともに成長していく姿が良かった。

少しわざとらしいストーリーではあるものの、やはり成長物語は読んでいて楽しい。

驚いたのは「単行本版あとがき」に書かれていたこと。

「でも私自身が内定いっこも取れなくて社会人になってから数年間バイトや派遣で凌いだという切ない経歴の人でしたので、逆境スタートのほうがしっくりきたのも確かです」(p. 384)

今をときめく流行作家である有川浩さんがそんな苦労をしていたとは。てっきり大手広告代理店のコピーライターかなにかをしていて小説を書き始めたのかと思っていた。

ふつうの就職ができなくても、すごい才能を持つ人はいるんだな、と感じた。





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ステータスよりも自分らしく生きる

リクルートワークス研究所のWorks Report2018『動き始めたフランスの働き方改革:テレワーク&リモートワーク』をパラパラめくっていたところ、次の箇所が目についた。

「デジタル世代はステータスよりも”自分らしく生きること”が大切。より柔軟でフラットな労働環境を提供できない企業は、それがやがて死活問題になる」(p. 17)

コンサルティング会社LBMGのCEOマチュー氏の言葉である。

これはフランスだけでなく、日本の若者にも当てはまることかもしれない。

僕の研究でも「自分らしさ」(Authenticity)が一つのキーワードになっているのだが、この概念は世代を超えて重要になってきそうだ。

自分らしい仕事を応援できる職場づくりが求められている。
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死ぬときは、何ひとつ携えて行くことができず 名誉が彼の後を追って墓に下るわけでもない

死ぬときは、何ひとつ携えて行くことができず 名誉が彼の後を追って墓に下るわけでもない
(詩編49章18節)

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『ソーシャル・ネットワーク』(映画メモ)

『ソーシャル・ネットワーク』(2010年、デヴィッド・フィンチャー監督)

フェイスブック創始者のマーク・ザッカーバーグを描いた映画。

ハーバード大学に通うザッカーバーグは、学生専用のコミュニティサイトをヒントにフェイスブックを立ち上げる。

自己中心的な事業家という意味ではスティーブ・ジョブズに似ているが、何でも自分で仕切らないと我慢できないジョブズに比べて、ザッカーバーグにはメンターがいる。それはナップスターを手掛けたショーン・パーカーである。

(映画をみる限り)ザッカーバーグは一歩引いたところで、いろいろなプレーヤーを上手く操りながら事業を運営しているように見えた。

訴訟に巻き込まれたザッカーバーグに対して女性弁護士が放った言葉が印象的である。

あなたは最低の人間ではないけど、そう見える生き方をしている

マネジメント力という点ではザッカーバーグが上なのであろうが、人間的には、不器用なジョブズに魅力を感じた。





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