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『フリーター、家を買う。』(読書メモ)

有川浩『フリーター、家を買う。』幻冬舎文庫

大学卒業後、3か月で会社を辞めてフリーターになった誠司は勝手気ままな生活を送っていた。しかし、母親が重度のうつ病になっていることに気づいてからは、夜の土木作業バイトをしながら母を介護し、正社員を目ざして奮闘する、というストーリー。

ちなみに、誠司の父親は自己中心的で嫌なオヤジとして描かれているのだが、誠司とともに成長していく姿が良かった。

少しわざとらしいストーリーではあるものの、やはり成長物語は読んでいて楽しい。

驚いたのは「単行本版あとがき」に書かれていたこと。

「でも私自身が内定いっこも取れなくて社会人になってから数年間バイトや派遣で凌いだという切ない経歴の人でしたので、逆境スタートのほうがしっくりきたのも確かです」(p. 384)

今をときめく流行作家である有川浩さんがそんな苦労をしていたとは。てっきり大手広告代理店のコピーライターかなにかをしていて小説を書き始めたのかと思っていた。

ふつうの就職ができなくても、すごい才能を持つ人はいるんだな、と感じた。





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