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ジョブ型正社員

慶應義塾大学の鶴光太郎先生は、「無限定正社員システム」をやめて「ジョブ型正社員」を雇用のデフォルトにすることを提唱している。

無限定正社員とは、職務、勤務地、労働時間に一切の限定がいない正社員であり、従来の日本企業を支えてきた雇用形態である。

しかし、残業が無限定で転勤も断れないため、ワークライフバランスは崩れ、女性の活躍が遅れ、専門性が確立されたないため転職しにくくなるという悪循環の源になっているという。

これに対し、ジョブ型正社員は、職務、勤務地、労働時間のいずれか(あるいは複数)が限定された正社員であり、こ雇用形態を標準とすることで、子育てや介護と仕事の両立を可能にし、専門性が高まるため転職マーケットが活性化される。

この提案の中で注目したいのが、ジョブ型正社員を推進することによる「スキル・ジョブの標準化」である。

日本企業の総合職は、グルグルとローテーションで部署を回されるため、専門性があるようでないケースが多い。専門性を磨くためには、地理的な異動は必要ないし、自分のキャリアに責任をもち、家族を大事にしながら専門性を高めていくということは正しい方向である、と感じた。

雇用制度の是正は、個人の成長だけでなく、組織の成長にとっても、真剣に取り組むべき課題である。

出所:鶴光太郎「日本型雇用システムの未来と処方箋」HITO (2019.2) Vol.13, p.5-8.

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