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『誰にも見つからずに泣いている君は優しい』(読書メモ)

原田ちあき『誰にも見つからずに泣いている君は優しい』大和書房

不思議なイラストとタイトルに惹かれて買ってみた。

本書は「エッセイ+セリフつきイラスト」で構成されており、ブラックな格言集のようでもある。

ああ神様!意地悪なあの子にバチが当たりますようにと毎晩願ってしまう私にバチが当たりませんように」(p.51)

もしもわたしが幸せになったら君にこっそり中指を立てて「ざまあみろ」って言いたいな」(p. 63)

私が笑顔でいる事が、君への一番の復讐です」(p. 157)

私は意地悪だから君が意地悪だって事絶対教えてあげないよ」(p. 187)

ちなみに著者の原田さんは家庭問題で悩み、友人関係でも悩み、そうした思いを「セリフつきイラスト」の形で表現している。ネガティブなセリフばかりのように思うが、よく読んでみると、悩む人の気持ちに立って書(描)かれていることがわかる。次の一句はグッときた。

生きているだけでちゃんと偉いよ」(p. 155)

なお、原田さんはなぜ絵を描くようになったのか?

「中学に上がって進路を決める時に、美術を担当してくれていた先生が突然亡くなってしまって、その先生が「原田は美術の専門学校に行けば?」と言ってくれていたのを思い出して何となく美術専門の高校に入った」(p.62)

この一言がなかったら原田さんはイラストを描いていないかもしれない。

導いてくれる人の大切さがわかった。



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