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何を残し、何を捨てるか

学習論において「アンラーニング」という考え方がある。要は、必要のないもの、古くなって使えなくなったものを「捨てること」である。これに関し、先日紹介した『仕事力(白版)』の中で、松井証券の松井道夫社長は、次のように述べている。

「禅に「坐忘」という言葉がありますが、人間は古いものをどんどん捨てて、忘れなければ新しいものは入ってこないと教えています。「捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は、真実だと思います。(中略)激しく変化する時代の中では、捨てる物の優先順位をつけられるかどうかが最も重要だと思います。」(p.177-178)

コストのかかる人的営業を止め、ネット証券のビジネスモデルを生み出した松井氏ならではの考えだ。

人も組織も、ある段階まで来ると成長が止まってしまうことが多い。なぜなら、過去の経験やノウハウに固執してしまうからである。何を残し、何を捨てるか。この決断が、さらなる成長を遂げられるかどうかを決めるといえる。

出所:朝日新聞社編『仕事力(白版)』朝日文庫
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