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おしつけOJT

前年比の売上が3~5割落ち込んでいる中小企業が多い中で、プレス加工の山岡製作所は、前年並みの売り上げを維持している。なぜか?

それは「押しつけOJT」と呼ばれる育成制度が機能しているからである。

「いかに若手社員が成長したか?」によってベテランを評価することで、無理やりにでも若手社員に教えようとする。これが「押しつけOJT」である。

押しつけOJTを機能させるためには、二つの条件が必要だという。

一つは、社内の技能をすべて洗い出し、個人の技能レベルを設定すること。同社の技能は100種類を超え、それぞれの技能を6段階で認定している。

もうひとつの条件は、社員全体が過去にどんな教育をいつごろ受けたかを申告し、データベースに登録すること。

例えば、金型の組み立て方を教わった若手技術者は、指導を受けた内容を書類に残し、指導に当たった技術者は、その書類に指導したポイントと、若手技術者の習得度を追記する。

山岡製作所では、こうした準備に1年かかったという。

若手の成長」=「ベテランの評価」という、きわめてシンプルなしくみをつくることで、教える文化を創り出している同社のやり方は興味深い。ベテランの全体評価のうち、「人材育成」がかなりのウエイトを占めているのだろう。

押しつけOJTを機能させるためには、「評価の基準づくり」と「育成の証拠データ」が必要になる。これらをいかに整備するかが大切になる、といえる。

出所:日経産業新聞2009.10.16
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