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違いのわかる顧客

友人の中で、最近、写真を始めた人が二人いる。一眼レフのカメラをひっさげて写真を撮っている姿は楽しそうだ。

以前は「重い・高い・難しい」と敬遠されがちだった一眼レフカメラだが、値段も10万円を切り、小型化されたことから一気に普及したらしい。価格競争が激しいコンパクトカメラに比べても、利幅の大きいレンズで稼げるとのこと。

しかし、メーカーが心配しているのは、中級機・上級機市場のユーザーが育っていない点。初心者は、メーカー毎の画質の違いがわからないため、価格競争になる危険性があるという。そこで、メーカー各社は、カメラ教室や撮影会を開き、ユーザーを育てようと懸命だ。

ビジネスに限らず、芸術でもスポーツでも「違いのわかる顧客」がいるかどうかで、その分野が繁栄するか廃れるかが分かれる。長期的に生き残っていくためにも、顧客に奉仕するだけでなく、顧客を育てるという視点が大切になる、と思った。

出所:「不況でも受けてる一眼レフ 課題は売った後」WEDGE, October, 2009, p.77.
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