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対話重視の変革

伊藤忠では、DNAプロジェクトと呼ばれる業務改革プロジェクトが進められているという。各部門で行われている独自の手続きを標準化して効率化することが目的だ。同社の特徴は、外部コンサルタントを入れずに自分たちの手で改革を実施している点。

この3年間、室長の杉江氏は、全社員の4分の3にあたる3000人の社員と会って改革の必要性を訴えてきた。すごいことである。

業務を標準化すると、それまでの手順とは違うため一時的な効率低下が起こる。これに対する反発を抑え、理解を求めることが大切だ。また、本当に現場が使いやすい形で改革がおこなわれているかを確かめなければならない。

組織変革を進めるためには二つの段階をクリアする必要がある。「メンバーに理解を求めて動き出す段階」と「変革の効果を早めに実感してもらう段階」である。

伊藤忠の改革は、最初の段階にあるようだが、成功するかどうかは、改革を引っ張る「チェンジエージェント」のリーダーシップにかかっている。しかし、早く進めたいという思いが先にたち、対話をおろそかにして、変革が進まないケースが多いように思う。

対面コミュニケーションを重視する杉江室長の姿勢は、組織を変える上でとても大切だと思った。

出所:日経産業新聞2009.3.27
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