松尾睦のブログです。個人や組織の学習、書籍、映画ならびに聖書の言葉などについて書いています。
ラーニング・ラボ
大工さんとの協働
不況にもかかわらず14期連続で増収を記録している「アキュラホーム」は、坪単価30万円台で木造新築住宅を提供している。通常の半額である。この4月には、2階建て1LDKが550万円という「新すまい55」を発売した。
その秘訣は、工事の効率化。
ドアをユニット化したり、外壁の高さを統一したり、柱の間隔を揃えることで、現場における大工さんの余計な作業を削っている。こうした積み重ねによって、最新の製品の場合、工期が90日から45日へと短縮したという。いわゆる標準化である。
面白いのは、こうした効率化のアイデアが大工さんから上がってくること。現場の大工さんからの不満に耳を傾け、アキュラホームはそれを改善する仕組みを作る。宮沢社長は、次のように語っている。
「大工の『手間賃(日当)』を削るのではなく、大工の『手間』を削る。」
通常、大工の手間賃の平均は14,000円だが、アキュラホームの場合は2万円前後と高い。これは、施工面積や作業時間によって手間賃を払うのではなく、総額で払うためであるようだ。
つまり、総額150万円の手間賃であれば、工期が短くなればなるほど1日当たりの手間賃は高くなる。作業を効率化するほど手間賃は高くなるので、大工さんの改善意欲も増すわけだ。
こうした発想ができるのは、宮沢社長が大工出身であることとも関係しているような気がする。
「建築コストを現場の大工に押しつけるようでは、低価格住宅事業は長続きしない」というのが宮沢社長の持論。
この考え方は、住宅メーカーに限らず、他の業界にも当てはまる。下請けいじめによってコストを下げるのではなく、下請けとともに協働して、仕組みを改善することが「コストリーダーシップ」戦略を実現するカギとなる。
アキュラホームでは、このほかに、現場への建材の配送をスムーズにするために情報物流センターを設け、ジャストインタイム化を導入したり、工務店向けに「シャープネット」と呼ばれる会員組織をつくり共同購入を進めコストを削減している。
ただ、最近、営業拠点への投資や工務店の倒産によって利益が低下しているらしい。効率性の追求だけでなく、将来に向けての投資やリスクマネジメントの体制を構築することが同社の課題であるようだ。
出所:『アキュラホーム:大工の改善力「550万円住宅」』日経ビジネス2009.4.20 p.50-52.
その秘訣は、工事の効率化。
ドアをユニット化したり、外壁の高さを統一したり、柱の間隔を揃えることで、現場における大工さんの余計な作業を削っている。こうした積み重ねによって、最新の製品の場合、工期が90日から45日へと短縮したという。いわゆる標準化である。
面白いのは、こうした効率化のアイデアが大工さんから上がってくること。現場の大工さんからの不満に耳を傾け、アキュラホームはそれを改善する仕組みを作る。宮沢社長は、次のように語っている。
「大工の『手間賃(日当)』を削るのではなく、大工の『手間』を削る。」
通常、大工の手間賃の平均は14,000円だが、アキュラホームの場合は2万円前後と高い。これは、施工面積や作業時間によって手間賃を払うのではなく、総額で払うためであるようだ。
つまり、総額150万円の手間賃であれば、工期が短くなればなるほど1日当たりの手間賃は高くなる。作業を効率化するほど手間賃は高くなるので、大工さんの改善意欲も増すわけだ。
こうした発想ができるのは、宮沢社長が大工出身であることとも関係しているような気がする。
「建築コストを現場の大工に押しつけるようでは、低価格住宅事業は長続きしない」というのが宮沢社長の持論。
この考え方は、住宅メーカーに限らず、他の業界にも当てはまる。下請けいじめによってコストを下げるのではなく、下請けとともに協働して、仕組みを改善することが「コストリーダーシップ」戦略を実現するカギとなる。
アキュラホームでは、このほかに、現場への建材の配送をスムーズにするために情報物流センターを設け、ジャストインタイム化を導入したり、工務店向けに「シャープネット」と呼ばれる会員組織をつくり共同購入を進めコストを削減している。
ただ、最近、営業拠点への投資や工務店の倒産によって利益が低下しているらしい。効率性の追求だけでなく、将来に向けての投資やリスクマネジメントの体制を構築することが同社の課題であるようだ。
出所:『アキュラホーム:大工の改善力「550万円住宅」』日経ビジネス2009.4.20 p.50-52.
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