松尾睦のブログです。個人や組織の学習、書籍、映画ならびに聖書の言葉などについて書いています。
ラーニング・ラボ
『専門家の知恵』(読書メモ)
『専門家の知恵:反省的実践家は行為しながら考える』
(ドナルド・ショーン、佐藤学・秋田喜代美訳、ゆみる出版)
この本は、専門家研究において必須の一冊といえる。
世の中の問題は複雑化しているので、過去に蓄積された知識体系だけでは問題を解決することは難しい。だから、専門家は、つねにクライアント(問題の解決を求める顧客)とともに学び続けなければならない。
これがこの本のメッセージである。
当たり前と言えば当たり前だが、こうした態度をとる専門家は少ない。
なぜか?
それは、自分の持つ専門性を過信していたり、自分は専門家であるというプライドが高すぎたり、自分が解決できない問題にトライすることを恐れたりするからである。
ショーンは、アージリスとともに「シングルループラーニング」「ダブルループラーニング」という概念を提示したことでも有名だ。
前者は、ある枠組みの中でのみ学習することを、後者は枠組み自体を修正する学習を意味している。専門家は、問題を認識し解決するための枠組み(フレーム)を持っているが、真の専門家とは、その枠組みを変えることができる人である。
専門家は、どうしても自分の世界に閉じこもりがちだ。なぜなら、その方が居心地がいいからである。しかし、ショーンは、「それじゃダメだ」と言う。
専門家のスキルを有効に使用できる「高地」ではなく、自分のスキルが通用しないめちゃくちゃに混乱した「ぬかるんだ低地」で活動すべきだ、と彼は主張する。
そのときに大切なのは、行為をしながら、驚き、困惑し、混乱しながら、クライアントとともに反省することである。ショーンは、このことを「行為の中の省察(reflection-in-action)」と名づけ、それができる専門家を「反省的実践家(reflective practitioner)」と呼んでいる。
真の専門家は、学び続けることができる人である。
(ドナルド・ショーン、佐藤学・秋田喜代美訳、ゆみる出版)
この本は、専門家研究において必須の一冊といえる。
世の中の問題は複雑化しているので、過去に蓄積された知識体系だけでは問題を解決することは難しい。だから、専門家は、つねにクライアント(問題の解決を求める顧客)とともに学び続けなければならない。
これがこの本のメッセージである。
当たり前と言えば当たり前だが、こうした態度をとる専門家は少ない。
なぜか?
それは、自分の持つ専門性を過信していたり、自分は専門家であるというプライドが高すぎたり、自分が解決できない問題にトライすることを恐れたりするからである。
ショーンは、アージリスとともに「シングルループラーニング」「ダブルループラーニング」という概念を提示したことでも有名だ。
前者は、ある枠組みの中でのみ学習することを、後者は枠組み自体を修正する学習を意味している。専門家は、問題を認識し解決するための枠組み(フレーム)を持っているが、真の専門家とは、その枠組みを変えることができる人である。
専門家は、どうしても自分の世界に閉じこもりがちだ。なぜなら、その方が居心地がいいからである。しかし、ショーンは、「それじゃダメだ」と言う。
専門家のスキルを有効に使用できる「高地」ではなく、自分のスキルが通用しないめちゃくちゃに混乱した「ぬかるんだ低地」で活動すべきだ、と彼は主張する。
そのときに大切なのは、行為をしながら、驚き、困惑し、混乱しながら、クライアントとともに反省することである。ショーンは、このことを「行為の中の省察(reflection-in-action)」と名づけ、それができる専門家を「反省的実践家(reflective practitioner)」と呼んでいる。
真の専門家は、学び続けることができる人である。
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