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CEOの覚悟

米国の病院チェーンを建て直した女性医師ジェニファー・デイリーは、改革を依頼してきたCEOに二つの条件を出したという。

・CEOの命令ではなく、患者のために働くこと
・医療の質を改善する上でCEOの協力が得られない場合、その日を限りに辞めること

断固たる姿勢で改革を薦めるジェニファーに対し、さまざまな抵抗があったが、CEOはいつも彼女を支持したという。そして、病院は生まれ変わった。

この事例を通して、外部から変革者を雇い入れて組織を変革する際のポイントが見えてくる。それは、サポートするCEOの覚悟である。「CEOが協力姿勢を見せないときは、その日で辞める」という条件は、CEOに覚悟を決めさせる効果があったようだ。

ジェニファーは、次のように語っている。

「いつ辞めてもかまわないと思っていたから、かえって全力を出せたように思います。とにかく、「患者ケアをけっしてないがしろにしてはならない」という、プロフェッショナルとしての信念だけに従って行動しました。」

組織変革のためにプロジェクトチームが発足される場合、経営陣が「丸投げする」「はしごをはずす」といった無責任な態度を示すことが多いと聞く。

チームをサポートするCEOが「私が協力姿勢を見せないときには、チームを解散してもよい」という条件を自ら提示するのもありかと思った。

出所:Daley, J.「プロフェッショナリズムを信じて病院改革に立ち上がった女性医師」Diamond Harvard Business Review, August, 2008, 15-16.
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