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キーエンス:学習する営業組織

営業利益率40%を超える脅威の高収益企業キーエンスの強みは、その営業体制にある。センサーや測定器のメーカーである同社は、顧客の製造現場に営業担当者が入り込み、センサーや測定器の設置することで、顧客企業の生産性向上の提案を行う。

「現場に入り込み提案する」。どの会社もやりたいことだ。キーエンスは何が違うのか?それは、営業活動の「濃さ」である。「濃い営業活動」を支えているのは、次の活動だ。

1)目的を明確にした訪問
 当たり前といえば当たり前だが、なかなかできない。キーエンスでは「目的のない訪問」はしない。だから、オフィスにいることが多いという。何をしているかというと、訪問のための下準備である。訪問するまえにしっかりと計画を立てることが訪問の濃さを決めるのだろう。

2)事前ロープレ
 訪問前の準備と関係するが、同社では、訪問前にプレゼンテーションのロールプレイングをするという。略して「事前ロープレ」。先輩・上司・同僚からのアドバイスを受けながら、提案の精度を上げることができる。

3)事後ロープレ
 通常と異なるのが、訪問後にもロールプレイングをするところ。何のためか?それは、知識共有のためである。成功事例の場合には成功の鍵を学び、失敗事例からも同じ過ちを犯さないように学ぶことができる。

4)ガイホウ(外出報告書)
 営業担当者、顧客を訪問した日にガイホウと呼ばれる外出報告書を提出する。上司に報告すると同時に、聞き込んできた顧客の要望書は特定のシートに記入し、企画開発部門へと送られる。これが革新的な商品開発へとつながるのだ。

 こうした支援体制が存在することで、キーエンスの「濃い営業」が生まれ、自然と、営業担当者も濃密な経験を積むことができるようになる。同社は、「自分で考え」「他者にアドバイスをし」「他者の経験からも学ぶ」ことがうまくリンクした「学習する組織」であるといえよう。

出所:http://www.insightnow.jp/article/948
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