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顧客満足度調査による改善

大学院の授業で、顧客満足度調査の演習を行った。昨日はその最終発表会。4~5名が1チームとなり、「書店、航空会社、温泉、コーヒーショップ、雑貨店(ハンズ、ロフト等)」を対象に満足度調査を実施し、分析・発表するという内容である。顧客の視点から業務を改善する際によく使われる手法だ。

具合的には、次のような手順を踏む。

①対象企業を選ぶ(2社)
②質問票を作る(全体満足と個別満足を聞く)
③調査を実施する
④全体満足と強く関係している大事な個別満足を統計によって明らかにする。
⑤大事なのに、満足度が低い要因を明らかにする
⑥大事なのに、ライバルよりも満足度が低い要因を明らかにする

調査結果をかいつまんでご紹介したい。調査では、ライバル関係にある2社(A社、B社)を選び、発表会は、そのどちらかに対するプレゼンテーションという形式をとった。

書店チーム
全体満足を高める決め手は、「店内空間が広く、落ち着きがある」「店頭でお薦めの本がわかりやすい」「文庫フェア等の企画が充実」といった点。A書店の最重要の問題は「本の検索結果の情報量が十分でない」「店内マップや案内がわかりにくい」であった。

雑貨店チーム(ハンズ等の業態)
全体満足の決め手は、「商品がわかりやすく並んでいる」「売場のレイアウトが工夫されている」「店員の商品知識が豊富である」といった要因。A社は「接客サービス(店員の対応、スピード、愛嬌)やイベント開催」において劣っていた。

温泉チーム
全体満足の決め手は「建物の雰囲気、込み具合、営業時間、露天風呂、マッサージなど」A店の最優先改善点は、「休憩室、飲食施設、客のマナー」であった。

コーヒーショップチーム
全体満足の決め手は「味がおいしい、従業員の印象に好感、従業員の対応が迅速、品揃えが豊富」といった要因だった。A社は、「ドリンクの味、店内の清潔さ、従業員の印象」について改善すべきことがわかった。

航空会社チーム
満足度の決め手は「安全運行への信頼、チェックインのスムーズさ、ウェブサイトの使いやすさ、新聞・機内誌、グランドホステス」だった。A社は「安全運行、ウェブサイトの使い勝手」について課題を抱えていた。

上記の課題について、各チームからは、具体的な改善提案が提示された。

授業における演習なので、サンプリングにかけるお金はない。学生さんたちは、自分たちの知り合いに調査を依頼・回収し、データを打ち込み、統計ソフトで分析する。データの信頼性といった点では問題があるが、データの限界を考慮に入れつつ解釈することと、結果を絶対視しないことが大切になると思う。顧客満足度調査は、サービス企業が改善活動をする際の強力なツールになるだろう。
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