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学習を支援する環境とは?

デービッド・ガービンは、ハーバード・ビジネススクールの教授。あまりアカデミックとはいえないが、TQMをベースとした実践的な組織学習論は明快だ。

彼の著書である『アクション・ラーニング』(ダイヤモンド社)は、ちょっと詰め込みすぎという感じはするが、書いてある内容は面白い。一番印象に残ったのは、「どのような環境が学習を促進するか」についての箇所だ。ガービンによれば、「学習を支援する環境」の特徴は次のとおり。

・考え方の違いを受け入れ、議論する
・タイムリーで率直なフィードバックを提供する
・新しいアイデアを常に追求する
・間違いや失敗に寛容

これらの逆を考えると、「学習できない環境」が見えてくる。

・自分たちの価値観と違う考え方を拒否する
・いいたいことを言わない
・従来のやり方に固執する
・失敗すると厳しく罰する

こちらの方を見て「うんうん、うちの会社と同じだ」と思ってしまう人も多いかもしれない。では、どうしたらいいのか?リーダーのあり方が重要になる。リーダーが取るべき行動は次の3つ。

・学習のきっかけとなる場を設定する
・安心感を与えつつ、オープンな議論をうながす
・討論の枠組みを作る

つまり、「日常的な打ち合わせなどを利用して、学習のためのフォーラムを開催し」、その際「リスクを負うことを支援し、徹底的に議論できる雰囲気を作り」、「攻撃的・介入的な議論ではなく、支援的・内省的な議論になる枠組みを作る」ことがリーダーの役目である。


やや全体の構造がわかりにくいところはあるものの、いろいろな事例やヒントが盛り込まれている良い本だ。
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