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オミクロンの下位系統であるBA2は、それ以前に登場した元祖オミクロン(BA1)より感染力が30~40%強い。これは、エアロゾル排出量がより多い変異体が生き残るという自然選択仮説とも一致する。

2022-08-29 | コロナから命を守るために
 

感染力を高めるコロナ変異株…いつになったら終わる?

登録:2022-08-26 03:37 修正:2022-08-26 07:5
 
オミクロン排出量、最大でデルタの1000倍 
日増しに複製が活発な変異が出現も 
インフルエンザウイルスの排出量より少ない 
感染力の強い変異株出現の可能性を示唆
 
 
新型コロナウイルスは変異を重ねるほど感染力が高まっている=ピクサベイ//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス(SARSコロナウイルス2)は変異を繰り返しつつ、感染力のより高い3つの変異株(アルファ、デルタ、オミクロン)が優勢になるという特徴を示している。

 元祖のウイルスよりアルファ株(B.1.1.7)の感染力の方が、アルファよりデルタ(B.1.617.2)が、デルタよりオミクロン(BA1=B.1.1.529)が強いと推定される。例えば、オミクロンはデルタに比べ感染力が3倍。またオミクロンの下位系統であるBA2は、それ以前に登場した元祖オミクロン(BA1)より感染力が30~40%強い。これは、エアロゾル排出量がより多い変異体が生き残るという自然選択仮説とも一致する。

 米国メリーランド大学の研究陣は、これら3つの変異株の感染力を他の変異株の感染者と比較したところ、一部の感染者からオミクロン株の量がアルファやデルタに比べ最大で1000倍検出されたと、事前出版論文集「メドアーカイブ(medRxiv)」に発表した。しかしインフルエンザ感染者のウイルス排出量と比べると、はるかに少なかった。

 研究陣は、これはウイルスの複製が今より活発な方向へとコロナの変異がさらに進む可能性があることを示唆すると述べた。事前出版論文とは、まだ査読を経ていない論文のこと。

 
 
ある実験参加者が拡声器に似た形をしたエアロゾル収集器具に顔を突っ込んでしゃべっている=ネイチャー提供//ハンギョレ新聞社

実際の状況で排出される可能性のある標本の収集

 研究陣は2020年6月から2022年4月にかけて、93人のコロナ感染者から、息を吐く際に排出されるエアロゾルを集めて分析した。エアロゾルが収集された時期は感染後1~13日の間で、感染者の症状は軽微(97%)か無症状(3%)だった。

 彼らが感染したウイルスはアルファ株、デルタ株、オミクロン株にまたがっていた。デルタとオミクロンの感染者は、全員がワクチン接種を完了していた。

 研究陣は彼らの口に拡声器の形をした器具を当て、30分間歌を歌ったり大声をあげたりしてもらった。一部の人々は咳やくしゃみもした。「ゲズントハイト2(Gesundheit-2)」という名のこの収集器具は、直径5マイクロメートル以下の微細なエアロゾルも検知する。

 研究陣がこれらの粒子を分析したところ、アルファ、デルタ、オミクロンに感染した人々の吐き出したエアロゾルには、変異前のウイルスやガンマ株をはじめとする別の変異株の感染者よりはるかに多くのウイルスの粒子が含まれていた。特にデルタとオミクロンの感染者では、微細なエアロゾルに含まれるウイルスの量が大きなエアロゾルの5倍にのぼった。スウェーデンのルンド大学のエアロゾル専門家マリン・アルスベド教授は、国際学術誌「ネイチャー」に「これは呼吸、会話、叫び、咳、くしゃみなど、実際にエアロゾルを吐き出すあらゆる状況から得られる標本を収集して出た結果だということが懸念される」と述べた。

 研究陣は続いて、実験室で細胞に感染者のエアロゾルを吹き付ける実験を行った。その結果、デルタとオミクロンの感染者のエアロゾル標本のうちの4つが細胞に感染したことを確認した。

 
 
鳥インフルエンザ情報共有の国際推進機構(GISAID)に登録された新型コロナの変異株の現状//ハンギョレ新聞社

人によって排出量が大きく異なるのはなぜ?

 研究陣は、実験参加者の飛沫に含まれるウイルスの量は、検出できないほどの少量から「スーパースプレッダー」に迫る水準に至るまで、個人の差が非常に大きかったと明らかにした。例えば、オミクロンに感染したある人は、アルファやデルタの感染者の最大値より1000倍多いウイルスの粒子を放出した。

 研究陣は、このような差がなぜ生じるのかはまだ分からないが、年齢をはじめとする生物学的要因と関連がある可能性があると語った。また、他の人とは異なる行動パターンも影響を及ぼしうると付け加えた。例えば、スーパースプレッダーレベルのウイルスを排出した人は、他の人よりも頻繁に咳をした。しかし、3つの変異株の平均ウイルス排出量に統計上の有意な差はなかった。

 研究陣は、コロナ感染者の吐き出すウイルスの量がインフルエンザ感染者の吐き出す量に比べて少ないことに注目した。以前の検出データと比較したところ、インフルエンザ感染者のウイルス量の最大値はオミクロン感染者のそれの2.4倍だった。コロナ感染者の平均ウイルス排出量はインフルエンザ感染者と比較するとおよそ100分の1だった。研究陣は、これは将来、より多くのウイルスを排出するコロナの変異株が現れうることを示唆すると述べた。マリン・アルスベド教授は「この点は懸念すべき」だと語った。

 研究陣は「したがって今回の研究結果は、換気およびろ過システムを修理して室内の空気の質の改善に投資するよう、政府に迫るべきであることを意味する」と強調した。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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