“戦争は、どこから、やってくるのか”
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今年も8月15日がやってきた。マスコミは一斉に戦争特集をやっている。しかし、どの番組を見ても、戦争は誰が何の目的で起こそうと考え、戦争する法律をつくり誰が命令して、誰が宣戦布告をし、誰が得をして誰が損をし、誰が死ぬのか、誰が戦争を終わりにするのか、はっきりと言ってくれる番組はない。その答えを考え、知るために鳥井さんと話をした。
前日に続き
第8話、兵器企業。
63)、しんぶん赤旗2004年5月11日号によると、
1999年度の、兵器企業上位10社の“兵器の売り上げ”と、
全商品の売り上げ額に占める“兵器の売り上げ”額の割合は次の通り。
三菱重工業は兵器を2797億円売って、兵器は全商品の売り上げの11・4%。
川崎重工業は兵器を1322億円売って、兵器は全商品の売り上げの14・0%。
三菱電機は兵器を1121億円売って、兵器は全商品の売り上げの4・1%。
東芝は兵器を538億円売って、兵器は全商品の売り上げの1・5%。
石川島播磨重工業は兵器を535億円売って、兵器は全商品の売り上げの6・7%。
日本電気は兵器を426億円売って、兵器は全商品の売り上げの1・1%。
小松製作所は兵器を317億円売って、兵器は全商品の売り上げの8・4%。
日立造船は兵器を344億円売って、兵器は全商品の売り上げの9・6%。
日産自動車は兵器を273億円売って、兵器は全商品の売り上げの0・9%。
日本電子計算機は兵器を255億円売って、兵器は全商品の売り上げの8・5%。
64)、しんぶん赤旗2004年5月11日号によると、
1998年度の世界の兵器企業上位5社の、兵器の売り上げ額と、
全商品の売り上げ額に占める兵器の売り上げ額の割合は、
ロッキード・マーチン(アメリカ)は兵器を166億ドル売って、
兵器は全商品の売り上げの63%。
ボーイング(アメリカ)は兵器を156億ドル売って、
兵器は全商品の売り上げの27・8%。
レイセオン(アメリカ)は兵器を148億ドル売って、
兵器は全商品の売り上げの75・9%。
ゼネラル・エレクトリック(アメリカ)は兵器を59億ドル売って、
兵器は全商品の売り上げの46・2%。
ブリティッシュ・エアロスペース(イギリス)は兵器を105億ドル売って、
兵器は全商品の売り上げの90・2%。
売り上げの大半を占める兵器企業は、戦争がなければ“必ず”倒産する。
65)、しんぶん赤旗2006年7月29日号によると、2005年度の、
日本の兵器企業10社の兵器の契約額は次の通り。
三菱重工業は、兵器2417億円。その内訳は
戦闘機、戦車、哨戒ヘリ、多用途ヘリ、魚雷、地対空誘導弾、空対艦誘導弾。
川崎重工業は、兵器1297億円。その内訳は、
哨戒機、輸送機、対戦車誘導弾、輸送ヘリ、多目的誘導弾システム。
三菱電機は、兵器1142億円。その内訳は、
中距離地対空誘導弾、誘導弾、電子戦システム。
日本電気は、兵器1078億円。その内訳は、
自動警戒管理システム、車両無線機、個人用暗視装置。
東芝は、兵器495億円。その内訳は、
短距離地対空誘導弾、基幹連隊指揮統制システム。
ユニバーサル造船は、兵器397億円。その内訳は、
砕氷艦、掃海艇、多用途支援艦。
川崎造船は、兵器353億円。その内訳は、
潜水艦、次世代潜水艦システムの研究試作。
石川島播磨重工業は、兵器348億円。その内訳は、
次期固定翼機・次期輸送機、ターボファンエンジン。
小松製作所は、兵器338億円。その内訳は、
りゅう弾、対戦車りゅう弾、軽装甲機動車。
富士通は、兵器313億円。その内訳は、
防衛情報通信基盤通信電子機器。
この兵器企業10社の兵器の売り上げは、2005年、8178億円。
憲法9条があっても、兵器企業は、こんなに繁盛している。
戦車1輌10億円って、値段は、どんなに決めるのかな、
兵器企業には、競争相手もいないから
「戦車=10億円で、どうかな、もう少し上げてほしいなあ、
また、政治献金するから」と切り出すと、
「政府と相談してみます」、、、、そんな調子だろう、と思われる。
66)、兵器企業の代表として三菱重工業を取り上げてみると、
従業員=2022年3月現在=連結7万7991人、単独2万2755人。
売り上げは、2022年度3月、4兆2027億円という記事もある。
社長は=泉澤清次(1957年9月3日~66歳)。
東京大学卒業、剣道は教士7段の偉丈夫な男=泉澤清次社長。
泉澤清次社長は、年収1億51000万円、
2020年には、自民党へ3300万円を政治献金している。
三菱重工業は、2015年度には、3854億円の兵器を防衛省に売り、
2018年度には、4580億円の兵器を防衛省に売り付けている。
2024年度には、8000億円の兵器を防衛省に売り付ける見通し。
これらの兵器企業の社長こそ、戦争を熱望し、戦争を企ててゆくのだ。
67)、<スマートフォンで調べると、次のような数字が出ている。
武器輸出国=2020年、1位アメリカ93億7200万ドル、2位ロシア32億0300万ドル、3位フランス19億9500万ドル。
日本の兵器製造会社は、2011年度、675社、兵器製造額、4兆7000万ドル。
日本の防衛省や自衛隊と直接取引している会社は4568社。>
68)、第2次世界大戦後、日本には、憲法9条という“宝もの”があって、
軍隊もない。兵器輸出もしない。だから、日本の国民の労働が、
そっくり、そのまま、日常の生活商品の生産に回っていた。
労働が兵器生産に回っていたら、今の“安心”な豊かな日本はなかった筈だ。
だが、憲法9条があっても、資本家集団は戦争を起こしてくる。
69)、1945年、終戦後も、アメリカは、国民の労働を兵器生産に回してきた。
労働の向いてゆく先が、アメリカでは兵器商品だった。
労働の向いてゆく先が、日本では日常生活商品だった。
これらが憲法9条の“内容”で、憲法9条は“宝もの”だ。
70)、軍隊の後方支援、兵器施設、給油施設、これらを株式会社が請け負っている。
アラスカ州のフォートグリーリーのミサイル基地も、
アメリカの民間企業の手で建設された。
年間1000億ドル(=11兆円)という記事もある。
11兆円というと、日本の1年間の道路建設費に等しい金額だ。
こんな兵器企業が世界50か国以上で“暗躍”している。
イラク戦場にアメリカの民間の社員1万5000~2万人も“出稼ぎ”やっている。
株式会社の“社長”が戦争をやる時代なのだ。
71)、台風がやってきて山肌が崩れたり道路が決壊したり。
すると“土建業者”に“仕事”が回ってきて“土建業者”は“にっこり”。
荒廃した戦場は“土建業者”の“カネもうけ”の場所なのだ。
72)、戦争は、兵器企業の社長が兵器を売りたくて、それが原因。
日常の生活商品を生産する一般企業は、必ず、生産過剰になってゆく。
パン屋がよいか靴屋がよいか、迷いながら、生産過剰になってゆく。
やがて、日常の生活商品は、市場にあふれて売れなくなる。
しかし、兵器は必ず売れる。戦争さえ起こせば、必ず売れる。
現実に戦争が起こらなくても、仮想敵国を宣伝すれば、兵器は売れる。
戦争は、労働の無駄遣(むだづか)い。資源の無駄遣い。
第9話、戦争(軍事費)は、大きな無駄遣い。
73)、他国の領土を侵略する戦争、その原因は、3つ。
商品の市場を求めて、侵略戦争を始める。
低賃金の労働者を求めて、侵略戦争を始める。
商品生産の資源を求めて、侵略戦争を始める。この3つ。
現実には、資本家集団が“カネもうけ”のために戦争を起こす。
74)、戦車って、正面の鋼鉄の厚さ25センチ。重さ60トン。
アメリカでは正面鋼鉄の厚さ50センチの戦車もある。
時速60キロ、走行距離400キロ。道路を走ったら道路が壊(こわ)れる。
戦車は、燃料1リットルで200メートル走るだけ。
イージス艦って、全長210メートル、幅40メートル、排水量2万トン。
75)、『議会と自治体』2003年5月号によると、
米軍の1師団は1万6千~2万人で編成されていて、
“1日”動くとディーゼル燃料を300万リットルも消費する。
300万リットル=満タン50リットル車の6万車分の燃料。
1リットル100円なら、100円×300万リットル=3億円。
1師団が“1日”動くと燃料“3億円”の消費。“3億円”とは“ビックリ”。
76)、朝日新聞2003年5月11日号によると、
米軍の空母キティホークの燃料消費は“1日”動くと20万ガロン。
1ガロン=3・78リットルだから、
3・78リットル×20万ガロン=75万リットル=ドラム缶3750本、
1日に、200リットルドラム缶の3750本分、消費する。
1リットル150円なら、150円×75万リットル=1億1250万円=約1億円。
空母が“1日”動くと燃料“1億円”の消費。“1億円”とは“ビックリ”。
77)、『週刊新潮』2003年5月15号によると、
自衛隊の戦闘機F15Jは、燃料4000ポンドで満腹。
4000ポンド=ドラム缶9本の燃料を積んで飛んでいる。
ドラム缶9本分の燃料を積んだ戦闘機が飛んで、排気ガスを出している。
78)、80年昔、子どもに人気のあった戦闘機は「ゼロ戦」。
“皇紀2600年”=1940年昭和15年につくられた戦闘機「ゼロ戦」。
正式名「零式艦上戦闘機」。「ゼロ戦」は時速500キロ。
戦時、日本軍は「ゼロ戦」を1万機、持っていた。
79)、しんぶん赤旗2006年6月16日号によると、
銃弾製造は今、世界に140億発。
今は1分間に1500発(=1秒間に25発)射撃する機関銃もある。
米軍がイラクで使った銃弾は
「死者1人に“8発”が撃ち込まれていた」という記事もある。
わたしの知人の猟師は
「50発も撃ったら、銃身が焼けてきて握っておれない」と話していた。
80)、アメリカの2023年度の軍事費8130億ドル(100兆円)。
日本の2021年度の軍事費5兆5330億円(約5兆円)。
100兆円÷5兆円=20倍、アメリカの軍事費は日本の20倍。
日本の2021年度の国内総生産(GDP)は636兆円。
日本の軍事費は国内総生産の約1%。日本の財界は2%しようとしている。
軍事費と医療費の関係が、アメリカの医療費に現われてきた。
アメリカの4800万人は医療保険も持っていない。
アメリカの医療費は日本の医療費の10倍という記事もある。
急性虫垂炎で1日入院し手術を受けた場合は
1万ドル(100万円)を請求された、という記事もある。
81)、資本家集団は“カネもうけ”がしたくてたまらない、のだ。
1つめ、日常的に必要な生活商品で“カネもうけ”。
2つめ、税金で商売する公共事業で“カネもうけ”。
3つめ、兵器と兵士を消費する戦争で“カネもうけ”。
第10話、失業者を兵士にする。
82)、兵士は、徴兵制と志願制、この2通り。
徴兵制なら反発が起こって始末が悪い。志願制なら志願した者が兵士になる。
労働者を“首切って”失業者をつくったら、
失業者は次々、自棄糞(やけくそ)で兵士に志願してくる。
83)、『世界国勢図絵』1999年版によると「アメリカは戦争がないと、
兵器は売れなくなり、在庫が増えて、兵器工場が閉鎖され、
失業者200万人が出て、失業者は志願兵の“泉”」とあった。
84)、日本戦没学生の手記
「きけわだつみのこえ」(岩波文庫、2012年11月15日第26刷発行)に
次の詩が載っている。
「、、、、、ある者は脳髄を射ち割られ
ある者は胸部を射ち抜かれて
よろめき叫ぶ君たちの声は
どろどろと俺の胸を打ち
ぴたぴたと冷たいものを額に通わせる。
黒い夜の貨物船上に
かなしい歴史は空から降る
明るい三月の曙のまだ来ぬうちに
夜の春雷よ 遠くへかえれ
友を拉(らっ)して遠くへかえれ、、、、」(63~64ページ)
田辺利宏(日本大学生、26歳で中国で戦死)の詩である。
第11話、餓死した日本兵士。
85)、しんぶん赤旗日曜版2005年5月7日号によると、
第2次世界大戦で、「日本兵の3分の2は食べ物がなくて餓死」とあった。
しんぶん赤旗2006年9月25日号によると、
第2次世界大戦で、「日本の、軍人と軍属の戦没者230万人、
半数以上が餓死」とあった。
中日新聞2012年6月30日号に「日本兵は戦友の肉を食った」とあった。
食べられない病気も辛(つら)いが、食べられる身体で
食べるモノがなくて餓死するのは、もっと辛い。
日本兵の戦死は、敵弾に撃たれて戦死すると思っていたが、
日本兵の戦死は、実は“餓死”だったので、“ビックリ”。
86)、戦時中、よく“軍歌”を歌った。
軍歌「暁に祈る」の歌詞は「飲まず喰わずの日も3日」だった。
軍歌「父よ、あなたは強かった」の歌詞は「10日も食べずにいたとやら」だった。
軍歌「露営の歌」の歌詞は「夢に出てきた父上に死んで帰れと励まされ
覚めて睨むは敵の空」だった。
わたしたちは子どもの頃から「決死隊」になるような歌を歌っていたのだ。
87)、わたしの近所のお年寄り。今は亡くなったお年寄り。
このお年寄りは、戦時、航空母艦に乗っていた。
「敵の攻撃で空母の甲板が破壊されて、帰艦してきた飛行機は
甲板に降りられない。母艦の上空を旋回して、遂には自爆するより
道はなかった」と話していた。
このお年寄りは、戦艦にも乗っていたのです。
「或る日、甲板から滑り落ちた若い水兵を見た。水兵は
助けてもらえず、波間に漂っていて、やがて、挙手の敬礼をしながら
消えて行った。その姿が、今も目に浮かぶ」と話していた。
日本軍には“捕虜になる自由”も与えられていなかった。
敵弾が雨霰(あめあられ)と飛んでくる中を「突撃」の命令で敵陣地に
飛び込んでゆく、こんな戦術は日本軍の独特なモノであった。
次回第12話に続く