大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

3月の中旬から下旬にかけて約半月にわたって予定されている上半期の韓米連合演習「フリーダムシールド(自由の盾)」がピークと目される。

2024-01-18 | 日韓米協議
 

3月、朝鮮半島に「危機の春」が来る

登録:2024-01-18 01:51 修正:2024-01-18 06:32
 
3月の韓米合同演習、4月の総選挙… 
誤認や誤った判断による境界地域での偶発的衝突の恐れ
 
 
陸軍第3工兵旅団と米第2師団・韓米連合師団指揮下の工兵大隊が昨年3月に京畿道漣川郡の訓練場で実施した合同渡河訓練で、装備、車両が浮橋を用いて川を渡っている=陸軍提供//ハンギョレ新聞社

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長は、昨年末に労働党中央委第8期第9回全員会議(12月26~30日)で「有事の際の南朝鮮の全領土の平定に向けた大事変の準備」に言及したのに続き、15日の最高人民会議では「大韓民国を共和国の領域に編入する問題を(憲法に)反映することも重要だ」と述べるなど、韓国に対する敵対的発言の水位を高めている。軍事的緩衝材の役割を果たしてきた9・19南北軍事合意すらも消え去った状況にあって、韓国も「金正恩政権の終末」のような発言で対抗していることで、境界地域での武力衝突の危険性はいっそう高まりつつある。韓米合同演習に、4月には総選挙まで行われる今春、朝鮮半島の危機はいつもの春より高まるとの観測が示されている。

 3月の中旬から下旬にかけて約半月にわたって予定されている上半期の韓米連合演習「フリーダムシールド(自由の盾)」がピークと目される。コンピュータシミュレーション訓練が中心だったこの演習には、昨年から大規模な兵力や装備が動く野外実機動訓練が追加された。米国の原子力空母や戦略爆撃機なども朝鮮半島にやって来るはずだ。

 北朝鮮はこれまでの韓米合同演習を「北侵戦争演習」と激しく非難してきており、対抗演習、ミサイル発射で対応してきた。北朝鮮軍は12月から翌年3月まで冬季訓練を行うが、9・19軍事合意が消えた今年は軍事境界線(休戦ライン)一帯で砲射撃訓練、連隊級戦術訓練などを実施する可能性がある。南北の軍事当局をつなぐ意思疎通チャンネルがすべて途絶えた中では、誤認や誤った判断による武力衝突が起きる可能性がある。

 休戦ライン付近での一部の民間団体による北朝鮮に対するビラ散布も変数だ。冬は偏西風が強いため北朝鮮に向けてビラを飛ばすのは難しいが、3月に風の方向が変わればビラ散布が始まる。北朝鮮軍が休戦ラインを越えて飛んでくる対北朝鮮ビラのくくりつけられた大型風船に向かって対空射撃を実施すれば、銃弾が休戦ラインの南に落ち、交戦が発生する恐れがある。

 氷が溶けた3月末からは、西海(ソヘ)上の北方限界線一帯において北朝鮮海軍による機動訓練、砲射撃訓練が本格化するだろう。西海の延坪島(ヨンピョンド)付近のワタリガニの漁場は5、6月に操業が活発になるが、ワタリガニが南北の漁船を呼び寄せ、漁船は南北の海軍を呼び寄せる。二度の延坪海戦(1999年、2002年)はいずれも6月に起きている。

 今年は北方限界線の近辺での衝突の可能性がいっそう高まっている。金正恩総書記は15日の最高人民会議での施政演説で、「不法無法の『北方限界線』をはじめとするいかなる境界線も許されず、大韓民国が我々の領土、領空、領海を0.001ミリでも侵犯するなら、それはすなわち戦争挑発とみなされるだろう」と述べている。これに対し国防部のチョン・ハギュ報道官は「NLL(北方限界線)は韓国の将兵が数多くの犠牲を払って死守してきた実質的な海上の境界線であり、いかなる場合であってもこのNLLを守り、守護するということは、韓国軍の確固たる立場」だと表明している。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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6つの原則は、各国の主権と領土の完全性を尊重し、主権平等と内政不干渉などが国際関係の根本であり、国連憲章を遵守し、冷戦的思考と一方主義・覇権主義を排撃しなければならないという内容だ。

2023-02-23 | 日韓米協議
 

習近平首席、新たな安全保障構想を具体化…米国主導の国際秩序に対抗

登録:2023-02-23 06:35 修正:2023-02-23 07:33

 

「グローバル安全保障イニシアチブ」の内容を発表
 
 
中国の秦剛外相が21日、北京の外務省で「グローバル安全保障イニシアチブ(GSI)」に関する文書を発表している=北京/ロイター・聯合ニュース

 中国が米国主導の国際秩序に対抗する新たなグローバル安全保障秩序を示す「グローバル安全保障イニシアチブ」(GSI)の内容を発表した。3期目を迎えた習近平国家主席が、対外安全保障と関連した具体的な行動に乗り出したものとみられる。

 中国共産党機関紙「人民日報」などは21日、中国外務省がGSIに関する文書を発表し、これを説明するフォーラムを開いたと報じた。GSIは昨年4月、中国海南省で開かれたボアオ・アジア・フォーラム(BOAO)で、習主席が初めて公開した安全保障の概念で、国際安全保障に関する中国の構想を具体化し体系化したものだ。このフォーラムには、世界各国と国際機関など137カ所の大使と外交官、代表らが出席した。

 この日文書を説明した中国の秦剛外相は「世界が必要とする安全保障概念とは何か、世界の国々が共同安全保障を達成する方法は何かが、今の時代の主な関心事となっている」とし、「同文書は、対立が起きている地域と世界の問題を効果的に解決するための青写真を提供するだろう」と述べた。また「中国の発展は安全な国際環境と不可分の関係にあり、中国の安全なしには世界の安全もない」と主張した。

 秦外相はさらに「現在80以上の国と地域でGSIを歓迎し支持している」としたうえで、「我々はGSIに加入し世界平和と発展を支援するすべての国を歓迎する」と述べた。実際、昨年12月に開かれた中国とアラブ諸国の首脳会議で、アラブ諸国の首脳は中国のGSIを支持する意向を示した。

 文書にはグローバル安全保障に関する6つの原則と20の具体的な協力方針が含まれている。事実上、中国が国際安全保障に関してこれまで主張してきた内容が繰り返されている。6つの原則は、各国の主権と領土の完全性を尊重し、主権平等と内政不干渉などが国際関係の根本であり、国連憲章を遵守し、冷戦的思考と一方主義・覇権主義を排撃しなければならないという内容だ。20の主要方針は、東南アジアや中東、アフリカ、中南米などで現地の国家同士が締結した既存の安全保障関連合意の枠組みを守り、世界が直面している食糧やエネルギー安保、気候変動、防疫、宇宙安保、対テロなどの問題に協力しなければならないという内容だ。

 中国は同日発表したGSIをもとに、国家間の定期的な会議や協議体を構成するものとみられる。秦外相は「中国は適切な時期にGSIの高官級活動を開催し、各国と共同で安全保障計画を協議する」と述べた。

 フィナンシャル・タイムズは「文書の内容はここ数年間、中国外交政策の一部だった原則を繰り返し示したものだが、定期的な会議と政府協議を進めるのは新たな発展になるだろう」と分析した。上海復旦大学国連研究センターの張貴洪教授は「中国は西側が作ったミュンヘン安全保障会議のような独自の会議の創設を目指している」とし、「GSIに加入した国の外相、国防相、国務長官などが集まる定期的な会議を組織する可能性がある」と述べた。中国はすでに2021年から世界の貧困の緩和と開発途上国への支援を掲げた「グローバル開発イニシアチブ」(GDI)を創設して運営している。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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10日、米陸軍とインド太平洋司令部のホームページによれば、在韓米8軍司令部は4~8日、韓米日3カ国初級将校交流シンポジウム行事を行ったと公開した。

2022-07-11 | 日韓米協議

米、韓米日初級将校交流行事を公開…軍事協力再開の信号弾?

登録:2022-07-10 20:22 修正:2022-07-11 06:47
 
平沢米軍基地に3カ国の将校を招請…5年ぶりの行事 
NATOで韓米日首脳が「安保協力再開」合意 
初級将校実務者級で調整し、政治的負担を減らしたもよう
 
 
韓国軍と日本の自衛隊の将校が5日、京畿道平沢のキャンプ・ハンフリーズで米軍のブリーフィングを聴いている。韓国軍はベレー帽を着用している。米8軍は4~8日、韓米日3カ国の初級将校交流シンポジウムに23人の将校を招請した=米陸軍ホームページより//ハンギョレ新聞社

 米国が5年ぶりに在韓米軍基地で開かれた韓米日の初級将校交流行事を公開した。軍の交換訪問は軍事協力の一つに挙げられる。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が先月スペインのマドリードで開かれた韓米日3カ国首脳会談で「北朝鮮核対応のために相当期間中断されていた軍事的安保協力が再開されることが望ましいという原則論に合意した」と1日に述べたことと関連して、今回の米国による行事公開が注目を集めている。

 10日、米陸軍とインド太平洋司令部のホームページによれば、在韓米8軍司令部は4~8日、韓米日3カ国初級将校交流シンポジウム行事を行ったと公開した。京畿道平沢(ピョンテク)のキャンプ・ハンフリーズ米軍基地などで行われた今回のシンポジウムには、韓国軍、米軍、日本の自衛隊の初級将校計23人が参加した。米軍が公開した写真によれば、参加者の階級は中尉だ。

 シンポジウムには、ウィラード・バーレソン米8軍司令官(中将)とローリ・ロビンソン米2歩兵師団副司令官(准将)など在韓米軍指揮部も参加した。ロビンソン副指令官は、3国の同盟間の関係構築が地域の安定支援に役立つ理由を説明した。

 参加者はキャンプ・ハンフリーズの戦術装備とデジタル訓練システムを概観した。また、訓練開発、装備、施設、韓米同盟を表す様々な場所を訪問したと米8軍は伝えた。米8軍は「今回のシンポジウムは、3国各軍の作戦用語、概念、教育、アジア太平洋地域での役割に関する理解増進に役立った。3国の初級将校間の関係増進にも寄与した」と評価した。

 これに先立って米国は、2017年4月11日にソウル龍山(ヨンサン)の在韓米軍基地で開かれた韓米日初級将校交流行事を公開したことがある。この行事には、韓国軍7人、米陸軍7人、日本陸上自衛隊7人の計21人が参加した。当時米8軍は「2012年から始まった韓日初級将校交換プログラムの一環で、米8軍がプログラムに参加した韓日初級将校を招請し、北東アジアにおける米陸軍の日常的作戦と役割を説明した」と述べた。米国は2017年4月以前には3国初級将校交流行事を公開したことがなかった。当時米国の異例の公開措置は、朝鮮半島の軍事的緊張が高まった情勢とあいまって韓米日軍事協力強化のメッセージと受けとられた。

 先月、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議期間になされた韓米日首脳会談で「北朝鮮核対応のために韓米日軍事協力を再開しよう」という3国首脳の合意以後、米国が5年ぶりに3国初級将校交流行事を公開した。この間の韓日軍事協力は、軍事同盟ではない軍事交流と軍事協力の水準で進められた。軍の交換訪問は軍事交流内容の一つなので、今回の韓米日初級将校交流行事は軍事協力再開の信号弾とみることもできる。米国は今回の行事の主管を在韓米軍司令部でなく米8軍にし、参加者を尉官級の初級将校にするなど、実務者交流に行事の性格を限定した。過度な政治的負担を避ける意図とみられる。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「尹錫悦次期大統領はバイデン大統領と韓米同盟の発展および対北朝鮮政策での協力とともに、経済安保、主な地域的・国際的懸案など、幅広い事案に関して深い協議を行う予定だ」と発表した。

2022-04-30 | 日韓米協議

バイデン大統領、5月20日に訪韓…

尹次期大統領「戦略同盟の歴史的転機」

登録:2022-04-29 01:43 修正:2022-04-29 07:45
 
21日に韓米首脳会談開催
 
 
尹錫悦次期大統領が26日、仁川西区の空港鉄道公社で開かれた仁川公約推進現状点検会議に出席し、発言している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 来月20日から22日まで米国のジョー・バイデン大統領が訪韓することが確定し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領は「歓迎の意」を表明した。

 ペ・ヒョンジン次期大統領報道官は28日、書面ブリーフィングで「バイデン大統領の訪韓を機に開催される韓米首脳会談は、歴代の政権の中で発足から最短期間内に開催されるもの」とし「尹錫悦次期大統領はバイデン大統領と韓米同盟の発展および対北朝鮮政策での協力とともに、経済安保、主な地域的・国際的懸案など、幅広い事案に関して深い協議を行う予定だ」と発表した。バイデン大統領と尹次期大統領の首脳会談は21日に予定されている。バイデン大統領はまず韓国を訪問し、その後に米国、日本、オーストラリア、インドによる中国牽制のための協議体であるクアッド(Quad)首脳会議に出席するため、日本に向かう。

 ペ報道官は「両国の包括的戦略同盟がさらに発展しうる歴史的転機が形作られるものと期待される」とし「バイデン大統領の訪韓が成功するよう、韓米両国は外交ルートを通じて緊密に協議していく予定であり、引き継ぎ委員会レベルでも万全の準備をしていく」と付け加えた。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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菅義偉首相は声明が公開された直後の先月20日、衆院本会議で台湾有事事態について「日米同盟の抑止力、対処力を絶えず強化していく」と述べた。

2021-05-26 | 日韓米協議

韓国政府「米日とは違い、韓米は中国を名指ししなかった」と釈明

登録:2021-05-25 05:20 修正:2021-05-25 07:25

 

韓米首脳が共同声明で初めて「台湾」に言及…中国の反発を懸念する声も 
外交部第1次官「一般論的な文言だけを盛り込んだ」…議論の鎮静化へ
 
 
文在寅大統領が今月21日午後(現地時間)、ホワイトハウスのオーバルオフィスで開かれた少人数会談で、米国のジョー・バイデン大統領と会話している=ワシントン/聯合ニュース

 今月21日(現地時間)に公開された「韓米首脳共同声明」で史上初めて台湾問題に言及したことに対し、中国の反発を懸念する声が上がっている中、韓国政府は積極的に釈明を試み、議論の早めの鎮静化に乗り出した。米日首脳の共同声明とは違い「中国を露骨に名指ししなかった」点を強調している。

 韓国外交部のチェ・ジョンゴン第1次官は23日午後の韓国放送(KBS)と、24日午前の交通放送(TBS)に相次いで出演し、「米日共同声明では中国を名指ししているが、(韓米の共同声明では)台湾海峡の平和と安定が重要だという一般論的な文言のみ含まれている。中国の立場からすると、大韓民国が中国を名指ししなかった点を高く評価するだろう」と述べた。チェ次官は「韓国の輸出入の90%以上が南シナ海、台湾海峡を通過する。そのため、同地域の安定と平和が韓国の国益とも直結する。これは一般論的で規範的な言及だ」と述べた。

 この説明どおり、21日の韓米共同宣言と先月16日の米日共同宣言を比較してみると、中国との距離において“かなりの温度差”がみられる。韓国は文書全体で「中国」という国名に一度も触れず、中国への配慮に努めた。しかし、同時に事実上中国を指す表現である「ルールに基づいた国際秩序を損ない、不安定にし、脅かすあらゆる行為に反対」や「南シナ海およびその他の地域の平和と安定の維持」、「台湾海峡における平和と安定の重要性の強調」などの文言に同意し、韓国が米国の対中戦略に歩調を合わせていることも明らかにした。

 特に、韓国が韓米共同文書で台湾に言及したのは今回が初めてである上、この行為自体が中国が絶対に譲れない核心的利益と見なす「一つの中国」の原則に触れるという意味を含んでおり、中国の反発は避けられないものとみられる。台湾外交部は声明が公開された後、ツイッターで米国のジョー・バイデン大統領と文在寅(ムン・ジェイン)大統領に感謝の意を伝えた。

 
今月21日、韓米首脳共同声明で台湾を言及した事実に対し、感謝の意を伝える台湾外交部ツイッターの書き込み//ハンギョレ新聞社

 バランスの維持に頭を悩ませた韓国と違い、米日は中国に関する段落を別に設け、中国を5回も直接言及するなど、牽制の態度をあらわにした。両国は「ルールに基づく国際秩序に合致しない中国の行動について懸念を共有した」、「中国の不法な海洋権益に関する主張及び活動への反対を改めて表明する」という表現で中国を圧迫した。台湾問題と同時に、中国が外部の干渉を断固拒否すると表明した核心利益である香港と新疆ウイグルの人権問題まで取り上げ、「深刻な懸念を共有する」と明らかにした。 同声明が公開された後、駐米・駐日中国大使館は17日、それぞれ立場を発表し、「強い不満を表明し、断固反対する。中国は必ず国家の主権、安全、発展の権利を断固として守る」と反発した。

 その後、日本では共同声明で台湾問題に言及した以上、米日が今後発生し得る台湾の有事に備え、共同作戦計画を検討すべきではないかという声も上がり、議論が始まっている。菅義偉首相は声明が公開された直後の先月20日、衆院本会議で台湾有事事態について「日米同盟の抑止力、対処力を絶えず強化していく」と述べた。

キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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北朝鮮核交渉を主導する特別代表を任命したのは、文大統領の朝米交渉要求にバイデン大統領が積極的に応えた形だ。

2021-05-25 | 日韓米協議

文大統領、バイデン大統領と足並み揃えた3泊5日…

次期政権の負担も減らした

登録:2021-05-24 09:49 修正:2021-05-24 13:21
 
文在寅大統領訪米の決算
 
訪米日程を終えた文在寅大統領が今月22日午後(現地時間)、米ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港で空軍1号機に搭乗している/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、ジョー・バイデン大統領との対面での首脳会談など3泊5日の訪米日程を終えた。文大統領は、民主党政権が発足したワシントンでバイデン大統領、カマラ・ハリス副大統領、ナンシー・ペロシ下院議長らと緊密な関係を構築し、韓米同盟を堅固にし、対北朝鮮政策の連続性を確保することに成功した。

 23日に帰国の途についた文大統領は、米国の韓国軍55万人に対する新型コロナウイルスワクチン支援と、ソン・キム対北朝鮮特別代表の任命を「サプライズプレゼント」に挙げた。米国のワクチン開発企業モデルナとサムスンバイオロジックスの協力など「ワクチン・グローバル生産ハブ」構想は現実化したが、文大統領はワクチンの物量をさらに確保しなければならないという国内の要求を実現できなかった。韓国は防疫先進国と考える米国内部の評価が足を引っ張り、ワクチンの追加供給はなされなかった。こうした状況で、米国の韓国軍へのワクチン支援によって文大統領は「手ぶら」の帰国は免れた。大統領府の高位関係者は「米国の立場からすれば、韓国よりも公共医療体系が不十分で感染者や死亡者が多い脆弱な国がはるかに多く、ワクチンスワップなど(韓国側の)要求を聞き入れるのは難しかった」とし「米国が同盟関係の中で全般的な状況を考慮し、韓国軍に何の条件もなしにワクチンを支援した」と説明した。

 バイデン大統領がソン・キム対北朝鮮特別代表を任命したことも、文大統領の肩の荷を軽くした。文大統領は前任のドナルド・トランプ大統領が金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長と談判する、いわゆる「トップダウン」方式の外交が失敗した後、なかなか南北関係改善の糸口を見出せなかった状況だった。北朝鮮の人権問題に触れる人権代表ではなく、北朝鮮核交渉を主導する特別代表を任命したのは、文大統領の朝米交渉要求にバイデン大統領が積極的に応えた形だ。

 今回の韓米首脳合意が、次期政権でも比較的安定した対米-対北朝鮮政策を遂行できる基盤をつくったという評価も出ている。イ・サンドン元議員は「残りの任期が1年足らずの大統領に何ができるかあまり期待できなかったが、今回の訪米で、(失敗した)トランプ大統領と付き合った韓国大統領というイメージを払拭し、次の大統領が対米・対北朝鮮外交をする上での負担を減らした」と述べた。

 特にバイデン政権が推進する半導体、バッテリーなど革新技術のサプライチェーンに賛同し、気候危機、宇宙開発分野で協業することにしたのは、未来の国家的競争でも後れを取らない足場となりうる。技術特許や炭素税などの貿易の壁と密接な問題であり、今後、韓国企業各社の成長動力と繋がるからだ。

 文大統領は23日、帰国途中でSKイノベーションが米ジョージア州に建設しているバッテリー工場の現場を視察した。文大統領は「世界で2番目に大きい自動車市場である米国で、電気自動車の普及が目覚ましく増えており、主要部品であるバッテリーの安定したサプライチェーンの構築が重要になっている」とし「米国と韓国が共に発展できる良い機会」だと述べた。

イ・ワン記者、ワシントン/共同取材団 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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米軍が駐留した世界70余カ国のうち、韓国と日本だけが経費を分担している。

2021-03-15 | 日韓米協議

[一枚のドキュメンタリー]

あべこべになった主人と借家人、韓米同盟

登録:2021-03-14 20:35 修正:2021-03-15 06:28
 
 
//ハンギョレ新聞社

 

 在韓米軍の駐留経費を分担する協定が妥結した。韓米駐屯軍地位協定(SOFA)第5条は、「米国が在韓米軍の運営維持費について全部の責任を負う」と規定しているが、米国は1991年から特別協定を結び、韓国に経費を分担させた。一方、在韓米軍に対し施設と区域を提供する韓国が受け取る代価はない(フィリピンは米軍が撤収するまで米軍基地使用料を受け取っていた)。米軍は、分担金により平沢(ピョンテク)米軍基地内に韓米連合軍司令部の建物を建て、星州郡韶成里(ソンジュグン・ソソンリ)のTHAAD(高高度ミサイル防衛)基地の弾薬庫工事に使い、中国を牽制するために南シナ海と台湾海峡に出撃する烏山(オサン)空軍基地に格納庫を作り、さらに数十年にわたり在日米軍の航空機整備にまで使い続けた。

 SOFA、韓米相互防衛条約、韓米防衛費分担特別協定のどこにも根拠がない経費執行だ。しかし、韓国は統制できない。米軍が駐留した世界70余カ国のうち、韓国と日本だけが経費を分担している。第11次防衛費分担協定の骨子は、今年13.9%を引き上げ(1兆1833億ウォン、約1136億円)し、2025年までは前年度の国防費増加率相当を引き上げるということだ。これまでは消費者物価上昇率を基準とし分担金を調整してきた。昨年の消費者物価上昇率は0.5%、米国の在韓米軍総駐留経費増加率は0.7%、日本の今年の防衛費分担金引き上げ率の1.2%に比べ13.9%は類例のない引き上げ率だ。最近の国防予算平均増加率7.4%を考慮すれば、2025年には概略1兆5000億ウォン(約1440億円)を出さなければならない。

 写真は11日午前、大統領府の噴水台前で「平和統一を開く人々」のある会員が、平等な韓米同盟を求めるポスターの脇に座ってしばし休憩しているとところ。

チャン・チョルギュ先任記者chang21@hani.co.kr(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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韓米の外交当局が数カ月かけた交渉の末に導き出した最終的暫定案が、最後になってトランプ大統領の拒否により壁に突き当たったという話だ。

2020-04-23 | 日韓米協議
韓米の長官が「防衛費分担金13%増額案」を承認…トランプの反対で流れ
登録:2020-04-22 21:16 修正:2020-04-23 07:49


韓国外交部、22日に国会外交通商委懇談会に報告

        

ドナルド・トランプ米大統領が21日(現地時間)、ホワイトハウスで開かれたCOVID-19タスクフォース(TF)の定例ブリーフィングで、取材陣の質問に答えている。トランプ大統領はこの日、金正恩北朝鮮国務委員長の健康不安説と関連した質問に「我々は分からない」として「彼が元気なことを望む」と答えた/聯合ニュース

 韓国外交部は22日、韓米の外交当局が今年から適用される防衛費分担金を昨年より13%引き上げることで合意したがドナルド・トランプ米大統領がこれに反対して流れたと国会に報告した。

 総選挙前に未来統合党を離党したユン・サンヒョン国会外交統一委員会委員長はこの日、外交部当局者らと非公開の懇談会を開き、記者団に対してこのように伝えた。

 ユン委員長の説明のとおりならば、トランプ米大統領は当初今回の協定で韓国が50億ドルを負担すべきだと主張した。だが、韓米の外交当局は実際に交渉するなかで韓国が負担する分担金を昨年の第10次協定より約13%引き上げた水準で決めたという。昨年対比で13%増額された防衛費分担金は1兆1739億ウォン(約9.5億ドル)だ。外交部当局者はこの日、韓米両国の長官もこの13%増額案を承認したと明らかにしたとユン委員長が伝えた。彼は「13%を引き上げる最終案を長官級で承認した案として(大統領に)投げかけたところ、恐らく昨日、トランプ大統領が少なすぎると言った」として「しかしながら(米国が)直ちに協議にはいる意向だとか、そういうことはないという」と話した。韓米の外交当局が数カ月かけた交渉の末に導き出した最終的暫定案が、最後になってトランプ大統領の拒否により壁に突き当たったという話だ。実際、トランプ大統領は20日(現地時間)、防衛費分担金交渉と関連して「彼ら(韓国)が私たちに一定の金額を提示したが、私が断った」と明らかにした。

 ユン委員長は、両国の交渉実務陣が「10億ドル案」に暫定合意して、米国産兵器の購買などの裏契約があったか否かについては「(外交部は韓国の)譲歩や裏契約は絶対にないと言っている」と伝えた。
ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「国家的に、または外交的に進められる部分があるとすれば、韓米が協議して合意された範囲内で進める予定だ」

2020-01-22 | 日韓米協議

国防部「韓米合同軍事演習、予定通り実施…

韓米が合意すれば調整」

登録:2020-01-22 06:24 修正:2020-01-22 08:36
 
21日、文在寅大統領への新年業務報告で 
3~4月の合同演習、朝鮮半島情勢による調整の可能性を示唆 
戦作権移管のための作戦能力評価に集中
 
 
文在寅大統領が今月21日午後、忠清南道鶏龍台本館大会議室で国防部・国家報勲処の業務報告を受けた後、飛行教育訓練などスマート国防革新の実演を見ている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 韓国国防部は今年3~4月に実施が予想される韓米合同軍事演習を昨年のように規模を調整して行うことにした。ただし、朝米非核化交渉など外交的状況の展開に合わせ、韓米が合意した範囲内で進めると述べ、朝鮮半島情勢の変化に応じて演習がさらに調整される可能性があることを示唆した。

 チョン・ギョンドゥ国防部長官は21日に陸海空軍指揮部がある忠清南道鶏龍台(ケリョンデ)で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に行った新年業務報告で、「今年の韓米合同演習の方向は規模を調整した昨年と同一の基調で実施する計画」と述べた。これにより、3~4月に「同盟演習」という名前の連合指揮所演習(CPX)が実施され、後半には戦時作戦統制権(戦作権)の移管に向けた韓国軍の完全運用能力(FOC)検証を兼ねた連合指揮所演習が実施されるものとみられる。

 これと関連し、国防部高官は「ひとまず計画されている合同演習は落ち着いて準備している」とし、「国家的に、または外交的に進められる部分があるとすれば、韓米が協議して合意された範囲内で進める予定だ」と説明した。朝米非核化交渉の再開など、朝鮮半島情勢の変化によって演習がさらに調整される可能性を残したものと見られる。同高官は「万が一調整や変動事項があればそれを考慮して、韓米連合防衛態勢に問題のない範囲で進めていく」と付け加えた。

 国防部は今年、「実質的な戦作権移管段階への進入」に向けた土台の構築を目標に、後半期に行われる未来連合軍司令部の完全運用能力検証評価に全軍の力を集中することにした。昨年、基本運用能力(IOC)検証を完了したのに続き、今年完全運用能力の検証、来年に完全任務遂行能力(FMC)の検証までに終了すると、文在寅政府任期最後の年の2022年には戦作権の移管が行われるという見通しもある。

 戦作権移管後の国連軍司令部の役割については、韓米連合軍司令部や在韓米軍司令部、国連軍司令部の関係を規定した戦略文書を上半期中に修正することにした。国防部高官は「国連軍司令部の役割の拡大に関する部分で、米国側と韓国側いずれも一部誤解している部分がある。互いに十分に疎通して協議し、前半までに戦略文書の修正を完了する計画だ」とし、「新戦略文書をもとに完全運用能力の検証が行われるようにしたい」と説明した。

 国防部はまた、非武装地帯監視警戒所(GP)の撤収に向けた協議を推進し、詳細な推進方向を講じると報告した。相互比例性の原則を適用し、地域別に段階的な撤収を検討することにした。これらは南北関係改善の環境が整ってから本格化するものとみられる。

 国防部は今年の3大主要推進課題として、初の国防予算50兆ウォン時代にふさわしい堅固な軍事力の建設▽第4次産業革命技術の適用、「スマート国防」への変革▽人間中心の健康で安全な兵営などを挙げた。チョン長官は「堅固な国防体制の確立に向けて、国防予算50兆ウォン時代に相応しい戦力増強で、誰にも軽んじられない強い国防力を作っていく」と報告した。

ユ・ガンムン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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「5億ドル」と「在韓米軍の3万2千人」はトランプ大統領が度々言及してきた、根拠のない数値だ。

2020-01-13 | 日韓米協議

トランプ大統領、再び根拠のない数値挙げ、

「豊かな国韓国はもっと防衛費支払うべき」

登録:2020-01-13 05:57 修正:2020-01-13 07:07
 
10日「FOXニュース」のインタビューで「あなたたちはもっと支払うべきだ」 
「韓国はテレビ・船舶を作り、我々から奪い取った」
 
 
米国のドナルド・トランプ大統領//ハンギョレ新聞社

 ドナルド ・トランプ米大統領が再び韓国を「豊かな国」と呼び、防衛費分担金をより多く払うべきだと主張した。今月14~15日、ワシントンで第11次韓米防衛費分担特別協定(SMA)の締結に向けた6回目の会議を控え、公に圧力を加えたのだ。

 トランプ大統領は10日(現地時間)、「FOXニュース」のインタビューで、中東地域の追加派兵に関する質問に対し、自分がサウジアラビアに「あなたたちは非常に裕福な国だ。さらに多くの兵力を希望するなら、我々にお金を払わなければならない」と述べたとしながら、韓国の話を持ち出した。彼は「韓国は米国に5億ドルを支払った」とし、「私は『あなたたちは、我々を助けなければならない。 我々はあなたたちを北朝鮮から守るため、韓国に3万2千人の兵士を駐屯させている。あなたたちは(その費用を)支払わなければならない』と言った」と主張した。トランプ大統領は繰り返し、「彼らは豊かな国だ」とし、「彼らは皆さんのテレビを作っている。彼らは我々から奪い取ってきた。彼らは船舶をはじめ、多くのものを建設してきた」と述べた。さらに「私は『見てみろ。我々はあなたたちを守ってあげている。あなたたちは(その費用を)支払わなければならない』と言った。彼らはさらに多く支払う予定だ」とし、分担金の大幅引き上げを既成事実のように語った。

 「5億ドル」と「在韓米軍の3万2千人」はトランプ大統領が度々言及してきた、根拠のない数値だ。韓国が昨年2月第10次防衛費分担特別協定で引き上げることで合意した金額は787億ウォンで、トランプ大統領が言う5億ドル(約5805億ウォン)とは差が大きい。在韓米軍も実際の駐留規模は2万8500人だ。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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年内の妥結は難しい見通しだ。今回の交渉で韓米は双方が“同盟”のために貢献する部分を強調し、激しく対立する見込みだ。

2019-12-13 | 日韓米協議

韓米、来週の防衛費交渉で「同盟の貢献」めぐり対立する見込み

登録:2019-12-13 01:27 修正:2019-12-13 07:54

韓国、米国産兵器の購入と 
返還された米軍基地汚染の浄化など強調し、 
韓国の貢献を主張する見込み

 
2019年12月3~4日、米ワシントンDCで第11次韓米防衛費分担特別協定(SMA)の締結に向けた第4回会議が開かれた=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 来年から適用される第11次防衛費分担金特別協定(SMA)の締結に向けた第5回会議が、来週中にソウルで開かれるものとみられる。第10次協定の終了まで1カ月を切った状況だが、いまだに防衛費分担金をめぐる韓米間の意見の隔たりが大きく、年内の妥結は難しい見通しだ。今回の交渉で韓米は双方が“同盟”のために貢献する部分を強調し、激しく対立する見込みだ。

 12日、防衛費の交渉状況に詳しい外交消息筋の話を総合すると、今回の交渉で韓米は前回の交渉に続き、双方が同盟に向けて貢献している事項を指摘し、各々の立場を貫くものと見られる。例えば、韓国は政府が米国産兵器を継続して購入している点を挙げ、韓国が韓米同盟に貢献している部分を強調するといった具合だ。実際、韓国は世界で米国産兵器を3番目に多く購入している国であり、最近10年間米国の対韓国兵器輸出額は67億3千100万ドルに達する。これは2019年の韓国国防予算46兆ウォン(4兆2千億円)の16%に当たる。

 また、韓国政府は11日、韓米間の協議の末に1100億ウォン(約100億円)規模の浄化費用をひとまず負担し、今後米国と協議を続けることにして原州(ウォンジュ)や富平(プピョン)、東豆川(トンドゥチョン)にある米軍基地4カ所を返還されることになったが、これも交渉で活用されるものとみられる。韓国が米軍基地の環境汚染の責任を肩代わりしていることを強調し、交渉で有利な立場に立つための“間接的な”論理として使うこともありうるということだ。

 米国も似たようなやり方で交渉を進めていくと見られる。例えば、韓米が「戦時作戦統制権」を移管するまで、米国主導で運用せざるを得ない北朝鮮に対する監視および偵察資産、ミサイル防衛システム、指揮統制自動化システムなどを、米国が同盟のために貢献している部分だと強調しうるということだ。

 韓米は9月から今月初めまで4回交渉を行ってきたが、依然として立場の隔たりが埋められずにいるという。米国は、従来の協定の枠組みを破り、在韓米軍の循環配備と韓米合同軍事演習にかかる費用をはじめとする“新しい項目”を設けることを求めると共に、韓国が50億ドルを負担すべきだと主張している。一方、韓国はこれに反対し、これまで28年間にわたり韓米が守ってきた協定の枠組み(人件費、軍需支援費、軍事建設費)の維持を掲げている。韓米ともに従来の立場を固守しているのだ。ただし、政府当局者は「具体的には言えないが、互いに理解の幅を広げている部分もある」と説明した。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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「防衛費分担(SMA)交渉の結果に満足しなければ米国は在韓米軍を抜くのだろうか」。

2019-12-10 | 日韓米協議

在韓米軍の撤収、このままでは避けられない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.12.10 09:24
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いま我々は国運がかかる重大な問題の前に立っている。「防衛費分担(SMA)交渉の結果に満足しなければ米国は在韓米軍を抜くのだろうか」。

これに対する米高官の言葉は終始一貫している。「防衛費分担金交渉と在韓米軍撤収は別」ということだ。韓国が分担金5倍引き上げ要求を受け入れなければ在韓米軍1個旅団を抜く案を検討中という国内の報道が先月出ると、エスパー米国防長官はすぐに反応した。エスパー長官は「フェイクニュース」だとし、「我々はそういうこと(米軍撤収)で同盟を脅迫することはない」と否認した。

続く米高官らの発言も同じだった。5日にはルード国防次官が放送に出演して「(米軍撤収は)計画していない」と強調し、米統合参謀本部のアンダーソン海軍少将はその前日に「国防総省内でそのような議論はない」と一線を画した。韓国側でも米国の主張を後押しする発表が繰り返された。鄭恩甫(チョン・ウンボ)SMA交渉大使は3日、「防衛費交渉過程で米軍撤収の話は出たことがない」と明らかにした。米国が撤収カードで圧力を加えることはないというニュアンスだ。

米外交官が好んで使う表現の中にこういうものがある。「米政府は嘘をつかない」。一時的な利益のために一度でも嘘をつけば誰も米国の話を信じないという論理だ。なら、彼らの主張をそのまま信じてもよいのだろうか。残念ながらこれまでの歴史と韓米専門家の意見をまとめると、決してそうではない。過去を見てみよう。昨年初め、トランプ米大統領がシリア軍撤収方針を示唆すると、最側近の参謀らは一斉にこれを否認した。同年9月、マティス国防長官は「シリアからでテロリストがいなくなるまで米軍は残る」と述べた。マティス長官と対立していたボルトン補佐官(国家安全保障問題担当)までも「イラン軍が国境に存在する限りシリア撤収はない」と語った。しかし結果はどうか。参謀の相次ぐ公言をあざ笑うかのように、2カ月後にトランプ大統領はシリアからの完全撤収を発表した。

トランプ大統領は考えをすぐに変えると批判する人たちが多い。しかし長い視点で見ると、トランプ大統領の政策は恐ろしいほど一貫している。数多くの反対を押し切ってメキシコとの国境に障壁を築いたのが代表的な例だ。在韓米軍の撤収も同じはずだ。トランプ大統領は過去30年間、「在韓米軍は米国の国益にそれほどプラスにならない」と114回も主張したという。さらに参謀の相次ぐ否認にもかかわらず、トランプ大統領は3日、ロンドンで「(在韓米軍を維持するには)韓国が防衛費をさらに公正に分担すべきだ」と明らかにした。したがってトランプ大統領が再選に成功すれば時間の問題にすぎず、在韓米軍の撤収または縮小は既成事実として対応するのが賢明だ。

米軍の韓国駐留を支持する米国内の世論が弱まっている点も問題だ。9月の米シカゴ国際問題協議会の調査の結果、駐留支持率は昨年の74%から今年は69%へと5ポイント低下した。さらに重要なのは文在寅(ムン・ジェイン)政権が米軍撤収を深く考えていないような雰囲気だ。1976年当時、民主党有力大統領候補だったジミー・カーターが在韓米軍を撤収するという公約を掲げると、朴正熙(パク・ジョンヒ)政権は大騒ぎした。機密解除された外交文書によると、中央情報部は北朝鮮との対峙状況に関する文書を作成してカーター候補陣営に伝え、駐日大使はカーター候補の政治参謀が日本に来るという情報を得るとすぐに会って軍撤収の危険性を訴えた。撤収阻止のための総力戦を見せたのだ。

しかし、現政権は完全に違う状況だ。さらに核心の外交策士という文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官は25日、「(在韓米軍を)5000-6000人縮小しても韓米同盟や対北朝鮮抑止力に大きな変化はない」と主張した。出て行くなら出て行けという言葉として聞こえる。このような状況で在韓米軍が残るだろうか。むしろ在韓米軍の撤収を避けられない「限界状況」と考えてプランBを準備するのが現実的で賢明な対応だ。

ナム・ジョンホ/論説委員

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日本の態度変化なくして韓国だけが一方的に引き下がれという要求が続くなら、韓国国民は受け入れがたく、「同盟無視」という世論が高まるだろう。

2019-11-15 | 日韓米協議

[特派員コラム]「同盟とは何か」問い直させる米国

登録:2019-11-14 20:15 修正:2019-11-15 08:08
 
 
トランプ米大統領が8日(現地時間)、選挙遊説のためジョージア州に向かう直前、ホワイトハウスのサウスローン(南の庭)で取材陣の質問に答えている=ワシントン/ロイター・聯合ニュース

 23日0時に迫った韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)の終了と、来年度の在韓米軍防衛費分担金問題で、韓米がとても冷たい冬をむかえている。15日ソウルで開かれる韓米安保協議会議(SCM)は、いつにもまして雰囲気が重くなると見られる。米国は最近、マーク・エスパー国防長官、マーク・ミリー合同参謀議長、ロバート・エイブラムス韓米連合司令官、デービッド・スティルウェル国務省東アジア・太平洋担当次官補ら高位級の人々がいっせいに乗り出し、韓国のGSOMIA終了決定の撤回と防衛費分担金の大幅引き上げを圧迫してきた。来年の大統領選挙で業績として掲げたいドナルド・トランプ米大統領の強烈な欲求と催促がその背景だろう。

 だが、同盟国の主権的決定に持続的に撤回を圧迫すると同時に、すさまじい防衛費分担金の引き上げに熱を上げる米国の行動は、「同盟とは何か」という疑問を育てる。韓国政府のGSOMIA終了決定に「強い憂慮と失望」を表し、じゅうたん爆撃を加えてきた米国政府が、輸出規制措置という原因を提供しこの事態を呼び起こした日本に対しては、どんな解決努力をしているのか分からない。日本の態度変化なくして韓国だけが一方的に引き下がれという要求が続くなら、韓国国民は受け入れがたく、「同盟無視」という世論が高まるだろう。

 同盟をビジネスの相手としてのみ見るような在韓米軍防衛費分担金問題では、はさらに幅広い“公憤”が形成されている。米国の専門家たちも、今年の5倍を超える50億ドルまで達すると言われる米国の引き上げ要求に対して、進歩からも保守からも「トランプ政府はひどい」と言っている。韓国でも与野党の意見が一致する内容だ。ワシントンのシンクタンクの人々の中には、私席でトランプの来年再選展望は不確かだと言及し「韓国政府は、今回の交渉で一気に大幅に上げることを最大限に避けなければならない」と話す人もいる。米国に引きずられてはいけないということだ。

 防衛費分担金交渉が、在韓米軍の撤収や縮小問題につながることもありうる。大統領選挙の時から、韓国の防衛費分担に対して「どうして100%ではないのか」として、在韓米軍撤収の可能性を表わしたトランプ大統領なので、実際にそう持ち出す可能性も排除はできない。だが、在韓米軍をタブー視して、恐がる必要もない。この問題が公論化されれば、韓国だけが騒々しくなるわけではない。在韓米軍の配備が、トランプの言うように純粋に「我々(米国)が彼らを守ること」なのか、中国牽制を含む米国の世界戦略上の必要に従ったものなのかをめぐり、米国内の論争が複雑になるだろう。数万人の米軍を韓国に駐留させることと、米国本土や欧州などに配備する場合の費用を問い詰めてみるならば、トランプの“マネー”の論理が捩れもする。

 米議会の荒々しい反対も予告されている。13日に会ったアダム・スミス下院軍事委員長(民主党)は、在韓米軍の撤収・縮小の可能性に対する質問に「北朝鮮は依然として脅威」としながら、断固として「私は反対するし、私が知る限りでは皆が反対する」と話した。同党のエリオット・エンゲル下院外交委員長は前日「在韓米軍の撤収は愚かなこと」と話した。また一方では、在韓米軍が韓国にとって永遠の定数であるはずもないということも喚起する必要がある。現在約2万8500人の在韓米軍の規模は、朝鮮戦争以後の国際情勢の変化などにより減り続けてきた結果だ。

 率先して同盟を傷つけるトランプの時代には、それに相応しい冷徹な備えが必要だ。「強い憂慮と失望」は、米国だけが感じているわけではない。

ファン・ジュンボム・ワシントン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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ビーガン代表の柔軟なアプローチは、実際の交渉が始まった時に確認できる可能性が高い。北朝鮮が交渉で前向きの立場を示した場合は、ビーガン代表がこれを基盤に米国の政界を説得し・・・、

2019-08-31 | 日韓米協議

[ニュース分析]

合同演習が終われば始めるとされた朝米実務協議の開始時期とは?

登録:2019-08-31 06:03 修正:2019-08-31 07:28

朝米実務協議の総まとめ  
交渉の再開は“北朝鮮の決定”にかかっている 
キム前大使を中心に実務協議代表団を構成したもよう 
再開時点については9月末の国連総会に注目集まる 
交渉の成功のカギは“非核化の概念”の合意

米国のドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が6月30日午後、板門店軍事境界線の北側地域で握手している=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 8月10日、ドナルド・トランプ米大統領はツイッターに、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が親書を送った事実を公開し、「(金委員長が)韓米合同軍事演習が終われば、直ちに会って交渉を開始したいと非常に親切に言ってくれた」という書き込みを掲載した。韓米合同指揮所演習は今月20日に終了した。それから10日が経ったが、まだ朝米実務協議が再開したという知らせは届いていない。朝米間の非核化交渉は一体いつ頃始まるだろうか。

■実務協議の再開は“北朝鮮の決定”にかかっている

 6月30日、板門店(パンムンジョム)で電撃的な朝米首脳会談が行われてから、30日で2カ月が経った。この時点で、政府内外から聞こえてくる話を総合すると、朝米実務協議の再開は全面的に北朝鮮がどのような反応を示すかにかかっているという。20~23日に訪韓したスティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表も21日、「北朝鮮のカウンターパート(相手役)から連絡が来たら、いつでも(交渉に)関与する準備ができている」とし、事実上、北朝鮮に朝米実務協議を早く再開しようというメッセージを送った。

 実際、米国はニューヨーク現地で稼動している連絡チャンネルを通じて、北朝鮮とコミュニケーションを取っているという。ニューヨーク・チャンネルが稼動するというのは、北朝鮮と米国が互いに望めば、いつでも連絡できるチャンネル自体は開かれているという意味だ。ビーガン代表は最近ソウルを訪問する直前にも、北朝鮮に「会う用意がある」という意思を伝えたが、北朝鮮側が全く反応を示さず実現しなかったという。

 韓国政府は、北朝鮮が現在、声明などの公式発表を通じて明確に実務協議を行わないというメッセージを出したわけではないため、依然として交渉再開の可能性は残っていると判断している。29日に北朝鮮の最高人民会議14期第2回会議が終了したので、大きな行事を終えた北朝鮮が対話の場に出てくるという見通しも一部では示されている。政府も同様に、今後の北朝鮮の行動に期待を寄せているという。8月29日現在、北朝鮮が米国側に示した公式反応はない状況だ。

 政府は、大きく分けて三つの基準で、北朝鮮が実務協議に出るかどうかを判断しているという。第一は交渉チームの構成が完了したかどうか、第二は会談の議題に対する立場の整理、第三はタイミングだ。政府レベルでは、北朝鮮交渉チームの構成がほぼ完了しており、交渉議題に関しては「体制保証」問題を軸にすることで政策方向を定めたと見ている。交渉に出る時期と関連し、北朝鮮は自分たちの交渉力を最大限に高められる時期を見計らっている可能性が高いが、韓国政府はこの三つの条件が合致した瞬間、北朝鮮が対話のテーブルに出るものと期待している。

■北朝鮮の実務協議代表団が構成されたもよう

 政府は朝米非核化実務協議の北朝鮮側代表、すなわちスティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表の新しいカウンターパートとして、過去6カ国協議に出席した外務省所属のキム・ミョンギル前ベトナム大使が有力だと判断している。政府はキム前大使について、立場ははっきりしているが、柔らかいアプローチを駆使し、北朝鮮の立場を代弁できる有能な人物だと評価しているという。キム前大使は2006~2009年の6カ国協議当時、国連の北朝鮮代表部次席大使として協議に出席した。外務省傘下の軍縮平和研究所で働いた経歴を持つ“米国通”として知られる。

 
2019年2月26日、第2回朝米首脳会談のためベトナム・ハノイを訪問した北朝鮮の金正恩国務委員長がベトナムの北朝鮮大使館を訪問した際、金委員長を遂行するキム・ミョンギル前大使(前から2番目)//ハンギョレ新聞社

■実務協議の時期については9月末の国連総会に注目

 韓米当局は、トランプ大統領が公開した金正恩委員長の親書にも書かれているように、8月20日の合同軍事演習が終わった後、北朝鮮がシグナルを送るだろうと判断している。30日現在まで、韓国政府はこうした可能性に重きを置いているという。

 9月に開かれる主な国際行事は、米国ニューヨークで行われる第74回国連総会だ。朝米とも同行事には毎年出席している。総会では各国が基調演説を行うが、北朝鮮も例外ではない。これまで北朝鮮では主に外務相が基調演説を行ってきた。一部では、北朝鮮外相がニューヨークに来る国連総会の機に、リ・ヨンホ外務相とマイク・ポンペオ米国務長官が会い、これと同時に朝米実務協議が再開される可能性があるとみている。今年もリ外務相が国連総会で基調演説を行う予定という外信の報道がある一方、最近はリ外務相が出席せず、他の人が代わりを務めるという報道もある。いったい誰が来るだろうか。

 ひとまず、北朝鮮は国連総会の基調演説に必要な手続きを進めているという。ただし、政府は、国連総会が始まるまでは、正確に誰が基調演説を行うかは分からないという立場だ。実際、北朝鮮側の当局者が姿を現さない限り、正確に知ることはできないため、予断はしないというのが政府の立場だ。

 一方、朝米実務協議を国連総会と結び付けて考える必要はないという意見もある。実務協議を必ずしも国連総会の機にニューヨークで行うという保障がないということだ。実際、朝米は板門店や朝米首脳会談が開かれたシンガポール、ベトナムのハノイなどで交渉を行ってきた。昨年、ビーガン代表はスウェーデンのストックホルムでチェ・ソンヒ外務次官と接触した。交渉場所の候補地にニューヨークが登場したことは多くない。このような理由から、政府は国連総会でポンペオ長官とリ・ヨンホ外務相の会談が実現しなくても、朝米実務協議が決裂したとは判断しないという。

 ただし、朝米とも出席する国際的イベントの国連総会が1カ月しか残っていないだけに、この機を生かして朝米が協議の再開を図る可能性は依然として残っている。国連総会をきっかけにした実務協議の再開のシナリオは三つだ。第一に、国連総会で朝米の外相が会い、直ちに実務協議につながることだ。第二に、朝米外相が国連総会で会って握手を交わした後、直ちに実務協議が始まることを宣言する可能性だ。最後の可能性は、外相が会うこともなく、実務協議に関する朝米間の具体的な合意もない状況が発生する場合だ。

■実務協議の観戦ポイント…“非核化の概念”の合意がカギ

 今年2月にベトナムのハノイで開かれた2回目の朝米首脳会談で合意が見送られた理由の一つは、両国が「非核化」が何かについて、概念を定義することすらできなかったからだ。米国はハノイで北朝鮮にエンド・ステート(end state:非核化の最終状態)▽非核化のロードマップ▽凍結などの三つを核心的に整理することを要求したが、北朝鮮がこれを受け入れられず、寧辺(ヨンビョン)の核施設廃棄と、それに対する相応の措置として制裁の解除を固守し、交渉が決裂したという。

 それから6カ月が経った現時点に、朝米の立場には変化があるだろうか。現在、米国の立場は大きく変わっていないという。非核化の最終段階、すなわち非核化の概念を設定し、ロードマップを描いた後、凍結から始めるという大枠には変わりがないということだ。ただし、ここにビーガン代表が強調した「柔軟なアプローチ」という戦略が加わったという。

 「柔軟なアプローチ」の具体的な内容は明らかになっていないが、これは基本的に北朝鮮核交渉に臨む米国の“態度”を意味するという。トランプ大統領は、ビーガン代表に北朝鮮核交渉を一任したというが、ビーガン代表は最高指導者に与えられた権限を活用し、かなりの裁量権を発揮できるという。ビーガン代表の柔軟なアプローチは、実際の交渉が始まった時に確認できる可能性が高い。北朝鮮が交渉で前向きの立場を示した場合は、ビーガン代表がこれを基盤に米国の政界を説得し、北朝鮮が満足のいく相応の措置を取り付ける可能性もあるということだ。政府はただし、北朝鮮が交渉の再開に応じず、時間が経てば経つほど、ビーガン代表をはじめとする米国の対話派の立場が狭まる恐れがあると判断している。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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最近、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「興味深い」内容の親書をやり取りしており、朝中首脳会談が開かれた後であることから、・・・

2019-06-25 | 日韓米協議

トランプ米大統領、29~30日に訪韓

登録:2019-06-25 06:13 修正:2019-06-25 07:19
 
 
            文在寅大統領と米国のトランプ大統領=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領が29~30日に訪韓し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と韓米首脳会談を行う。トランプ大統領が訪韓期間中に非武装地帯(DMZ)を訪問するという外信報道について、政府関係者は「検討中だ」と明らかにした。

 コ・ミンジョン大統領府報道官は24日の定例記者会見で、「トランプ大統領が29日から30日まで、1泊2日の日程で韓国を公式訪問する」とし、「これは4月のワシントン韓米首脳会談で、文大統領が招請したことによるもの」だと述べた。コ報道官は「トランプ大統領は29日午後、韓国に到着し、30日に大統領府で首脳会談を行う」とし、「韓米同盟をさらに強固にし、朝鮮半島の完全非核化を通じた恒久的平和構築など、韓米協力に関しても踏み込んだ協議を行うことになるだろう」と付け加えた。両首脳がひざを突き合わせるのは、今年4月のワシントン首脳会談以来80日ぶりのことで、トランプ大統領が訪韓するのは、2017年11月の初訪韓に続き2回目だ。最近、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「興味深い」内容の親書をやり取りしており、朝中首脳会談が開かれた後であることから、朝鮮半島の非核化に向けた突破口が開かれるかどうかに関心が集まっている。

 外信は、トランプ大統領が訪韓期間中に非武装地帯(DMZ)を訪れると見通した。トランプ大統領は2017年11月の韓国訪問の際、文大統領の提案を受け入れ、非武装地帯を訪問しようとしたが、濃い霧のため実現しなかった。当時トランプ大統領は、文大統領と10分単位で意見を交わしながら、非武装地帯の訪問への強い意志を示した。政府関係者は「(トランプ大統領の非武装地帯訪問を)検討中だと聞いている」と述べた。

 大統領府は、南北米の首脳が非武装地帯などで3者会合を開く可能性については、「トランプ大統領の訪韓期間中に南北米首脳会談の計画はない」と強調した。トランプ大統領は30日午後、烏山(オサン)空軍基地を通じて米国ワシントンに帰国する。

ソン・ヨンチョル、イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

トランプ大統領、DMZで破格の提案するか

登録:2019-06-26 06:00 修正:2019-06-26 07:19
 
米国務省韓国課長「北朝鮮の非核化は韓米首脳会談の第一議題」 
29日、米中首脳会談で伝えられる金委員長のメッセージにも関心集まる 
「経済問題でも協力示し…インド太平洋-新南方政策の相乗効果も発見」 

 
            文在寅大統領(左)と米国のトランプ大統領//ハンギョレ新聞社

 30日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談は、北朝鮮の非核化問題とともに、貿易・経済問題も主要議題になるものと見られる。トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の“電撃的な対面”はないと、米高官が明らかにした。

 ジョイ・ヤマモト米国務省韓国課長は、24日(現地時間)にワシントンで開かれた米国のシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)と韓国国際交流財団の共同主催の「韓米戦略フォーラム」で、トランプ大統領の29~30日訪韓について、「北朝鮮の非核化交渉が韓米が直面した最も重要な問題であり、これが首脳会談の“第一”議題ということは疑いの余地がない」と述べた。

 関心を集めているのは、北朝鮮に対するトランプ大統領のメッセージだ。特に、非武装地帯(DMZ)への訪問を検討中であると見られ、朝米対話を再開させる案を提示するかどうかにも注目が集まっている。トランプ大統領は同日、記者団に、金委員長と最近交わした親書について、「双方間で非常に友好的な手紙だった。我々は本当に良い関係を保っている」と述べた。27~30日に訪韓するスティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表は19日、「柔軟なアプローチ」に言及し、米国が北朝鮮に対し、“ビッグ・ディール”の敷居を下げるのではないかという見通しも示された。

 しかし、まだ“破格の提案”を期待する専門家はそれほど多くない。国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル諮問研究委員は「4月の韓米首脳会談で言及した韓国の対北朝鮮人道支援に対する理解を共有し、制裁の緩和については非核化に意味のある進展があった時に考慮してみるというメッセージを送る可能性がある」と話した。

 トランプ大統領の対北朝鮮メッセージは、韓米首脳会談の前日の29日、日本の大阪で主要20カ国・地域(G20)首脳会議を機に開かれる米中首脳会談の結果とも関わっている。20~21日に北朝鮮を訪問した習近平主席がトランプ大統領に伝える金委員長のメッセージの内容と、米中貿易交渉関連の論議が、その直後の韓国訪問の内容に影響を及ぼす可能性がある。

 貿易・経済問題も大きく取り上げられる予定だ。ヤマモト課長は「今回の韓国訪問を通じて、両首脳が目指すのは韓米同盟の持続であり、韓米同盟は北朝鮮問題を越えて、多くの分野にわたっている。韓国は経済的イシューでも協力できるということを示した」とし、韓米自由貿易協定(FTA)の改正を成功事例として挙げた。また「(トランプ大統領の)インド太平洋政策と(文大統領の)新南方政策間の相乗効果があることを発見している」と述べた。

 国家安保戦略研究院のキム・ヨンジュン研究委員は「貿易収支と関連し、大統領選挙が近づいているだけに、トランプ大統領が韓国にさらなる協力を求める強いメッセージを出す可能性もある」と予想した。対イラン制裁と反華為(ファーウェイ)戦線への参加をめぐる話し合いも考えられる。

 ヤマモト課長は防衛費分担金関連の質問に「我々は全世界にわたる防衛費分担金政策の見直し作業が終われば、近いうちに次期韓米防衛費分担金特別協定に対する交渉を始めることを望んでいる」とし、「韓国の追加分担金を要求するだろう」と述べた。今回の会談で、防衛費分担金の引き上げまで取り上げられるかに注目が集まっている。

 一方、米政府高官は「トランプ大統領が金委員長に会う計画があるか」という質問に対し、「そのような計画はない。文大統領に会いに行く」と答えた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、キム・ジウン記者(お問い合わせ
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