“戦争は、どこから、やってくるのか”
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第24話、昨今のトヨタ自動車。
167)、商品の買い手の側に置かれた我々は、相手の事情を知りたい。
“政治の力”には無関係に、トヨタ自動車は“カネもうけ”をやってゆく。
日本共産党の議員が、増えても減っても、
キリスト教や天理教が、増えても減っても、
そんなことに無関係に、トヨタ自動車は“カネもうけ”を続けてゆく。
“政党”にも“宗教”にも、まったく無関係に、
資本主義経済の法則に沿って、トヨタ自動車は“カネもうけ”を続けてゆく。
168)、昨今のトヨタ自動車の年間生産は、国内300万台、海外700万台。
トヨタ自動車の従業員=単独7万人、連結37万人、
トヨタ自動車の売り上げ=1年間30兆円。
30兆円÷1億人=30万円。国民1人から30万円を集めたに等しい金額。
トヨタ自動車の、純利益=2兆円、内部留保金=20兆円、
2兆円÷1億人=2万円。国民1人から2万円を集めたに等しい金額。
トヨタ自動車の発行株式数=33億株、昨今の株価=2000円、株主75万人、
トヨタ自動車の研究調査費=1年間1兆1000億円、
トヨタ自動車の車載電池研究費=1兆1000億円投資、
トヨタ自動車の役員=10人の年報酬は、10人で25億円、
社長=トヨタ自動車の社長=豊田章男(1956年5月3日~66歳)。
=豊田章男の報酬は、2021年度、6億8500万円、
昨今の、トヨタ自動車株価は2000円、株式配当金は240円。
豊田章男の所有するトヨタ自動車株式2400万株、
株式配当金は、240円×2400万株=57億円。
豊田章男の年収入=4億4200万円(報酬)+57億円(株配当)=61億4200万円、
それに、財産として=持ち株価=2000円×2400万株=480億円。
169)、朝日新聞2022年6月18日号に
「首相、トヨタ工場視察」「防衛費増額」とあった。
なぜ、首相がトヨタ自動車を視察したのか。視察の必要があったのか。
これこそ、国家権力と独占資本との“結び付き”の記事である。
これが“国家独占資本主義の日本”の実体なのだ。
170)、“ビックリ”するのは、昨今の自動車の行き来である。
80年前は、わたしの田舎にトラックの姿はなかった。
80年前は、4輪の牛車が、木材を積んで、3台、5台と、行き来して、
列車の駅まで、木材を運んで、駅には、日本通運株式会社の
労働者によって、木材が列車に積み込まれて、都市部に輸送されていた。
自動車が通ったら、子どもたちは排気ガスの匂いを嗅いで喜んだ。
171)、今、若者は、すぐ自動車に乗ってゆく習慣になって
半世紀も過ぎると、歩行力を失ったお年寄りが増えるだろうか。
第25話、政党や宗教に無関係に“カネもうけ”。
172)、資本主義経済の法則は“政党”や“宗教”によって揺れない。
税金は“政治の力”(=政府)によって増えたり減ったり、揺らいでゆく。
173)、ところで、日本の企業が持っている内部留保金は、
2020年には484兆円になっている。これにも税金を掛けたら、よろしい。
174)、トヨタ自動車の、7万人の賃金、33億株の株式配当金、これらは動いてゆく。
従業員の平均年賃金=800万円、株式配当金=240円、
賃金=800万円×7万人=5600億円、株式配当金=240円×33億株=7920億円。
トヨタ自動車の「従業員の賃金」より「株式配当金」の方が多い。
175)、日本生命は、トヨタ自動車の株式を1億株も持っている。
生命保険の“掛け金”を株式に運用している。
176)、日経新聞2014年6月15日号に
「トヨタ自動車株式の30・3%は海外の投資家が持っていて、、、、
トヨタ自動車の株式配当金の30・3%は海外に流れた」とあった。
177)、トヨタ自動車は1933年に自動車部門をつくって、
1950年頃、トラック部門をやめようか、と迷ったが、
1950年昭和25年の朝鮮戦争で、トラックが売れてきて、
トラック部門の中止を免(まぬが)れたと言う。“戦争が喜び”なのだ。
178)、日本に今、企業は410万あって、株式会社は170万あって、
証券取引所に上場の株式会社は3600~5000あって、
株式取引の口座2500万もある。
第26話、“おカネ”と株式。
179)、“おカネ”持ちは、貯金しないで「株式に投資」する。
銀行や郵便局に“普通貯金”して利息を受けている。
“普通貯金”の利息率は今、0・001%。
仮に10万円を1年間“普通貯金”すると、
10万円×0・001%=100000円×0・00001=1円。
10万円を1年間、“普通貯金”すると1円の利息が付く、それだけ。
昨今の、トヨタ自動車株価=2000円、その株式配当金240円。
10万円(=10万円÷2000円=50株)で、240円×50株=1万2000円。
10万円を1年間、銀行に普通貯金して利息“1円”を受け取るか。
10万円で株式50株、買って株式配当金“1万2000円”を受け取るか。
“おカネ”持ちは貯金しないで「株式に投資」することになる。
180)、政府は2020年、コロナ給付金10万円、持続化給付金100万円、配った。
商品分量と預金利息は現状のままにして、紙幣だけを、どんどん発行した。
その政策は、利息を減らして、必然的に“株価を上げた”それだけ。
181)、日経新聞2019年1月18日号に「上場企業の株式配当金=10兆7000億円、
“自社株式買い”の値上がり分=4兆6000億円、
その合計15兆3000億円が株主に配られる予定、、、、」とあった。
これって、証券取引所に上場している3600~5000の株式会社だけの話。
182)、現に“株”をやっていて、よく勉強している友人の話によると、
「証券取引所に上場している株価の総計は720兆円だ」と教えてくれた。
720兆円÷1億人=720万円、国民1人当たり720万円の株価。
183)、「柳井正は、株式配当金が352億円」だ、とわたしの友人が教えてくれた。
証券取引所に上場していない株式会社も含めて計算すると、もっと多額になる。
この友人は「柳井正(1949年2月7日~74歳)の持っているユニクロ株価は、
今は1株10万円で、、、、株式配当金480円」と説明してくれた。
2018年に「ユニクロの社長の柳井正の株式配当金352億円」だった。
1億円という“おカネ”は、1万円札で1メートルの高さだから、
株式配当金352億円=1万円札で352メートルの高さの“おカネ”である。
柳井正の純資産は283億ドル=148円(ドル相場)×283ドル=4兆1884億円、
4兆1884億円=1万円札で4万1884メートル=富士山3775メートルの約11倍。
柳井正は、2020年6月24日に京都大学に癌研究費100億円を寄付している。
こんな“怪物”のような“おカネ持ち”が日本の政治を動かしているのだ。
柳井正のような“大金持ち”は、日常生活が“充分に”できているのに、
なぜ、強欲に“銭(ぜに)”を欲しがるのか、不思議だ。
すると、日頃、沈静な知人が、簡単に話した。
「それはゲームを勝ち進んで楽しんでいるような気持ちなのだろう」と話した。
わたしは「上手な説明だ」と頷(うなづ)いた。
184)、資本家は「資本の人格化」とも言う。
資本家は「人間の“温(ぬく)もり”」を忘れてしまっている。
資本家は、搾取のゲームを、驀進(ばくしん)している、それだけ。
185)、わたしは、30歳~35歳に愛知大学夜間部に通学していて、
林要教授先生(1894年5月3日~1991年12月26日、没97歳)に親密にして頂いて、
その講義を受けた。林要教授先生は、その著書「貨幣のない社会」で、
将来は“銭”が必要でない社会がくる、そして、
将来は、人びとは“家族のように”生活してゆく、そう見通されていた。
100人でつくるところを、機械を使って10人でつくる。
100万円掛かるところを、機械を使って10万円でつくる。
商品の値段が下(さ)がって、ゼロに近付いてゆく。
商品がゼロになったら、“カネもうけ”する必要もなくなる。
“銭”が必要でなくなる社会に近付いて、人びとは
“家族のように”生活してゆく、と見通されていた。
186)、昨今は日本には「国債1200兆円+株券700兆円=1900兆円」の株式が
行き来して、売買されている。これが日本の現実なのだ。
187)、しんぶん赤旗2015年3月12日号に「この2年間に
株価が上がって、100億円の“カネもうけ”した人は100人以上もいた」とあった。
188)、日経新聞2011年10月13日号に「米ヘッジ・ファンドの
ジョン・ポールソン氏の資産は300億ドル(約23兆円)、、、、
2010年の報酬は50億ドル(約3800億円)」とあった。
1日当たり10億円で、1万円札10メートルの高さ、ではないか。
189)、日経新聞2011年1月8日号に「日本の輸出は
55兆円、その8割は海外の日本工場からの輸出」とあった。
日経新聞2019年2月6日号に「トヨタ自動車は、
年間1055万台生産、国内生産320万台の見込み」とあった。
トヨタ自動車は、7割を海外で生産し、3割を国内で生産し、
海外への“出稼ぎ”企業である。
190)、読売新聞2019年9月25日号に「日本からアメリカに
輸出される。、、、その35%は、自動車と自動車部品の輸出で、
関税は、普通の自動車は2・5%、軽トラは25%、、、、」とあった。
191)、日経新聞2013年12月19日号に「トヨタ自動車は
インドネシアに211億円投資」とあった。
日経新聞2013年12月22日号に「日本の銀行の海外資産100兆円」とあった。
日経新聞2013年12月30日号に「第一生命は2年間で海外に1000億円投資」とあった。
第27話、原子力発電。
192)、原子力発電も、資本家集団がやったことである。
電気を国民大衆だけで使うとすると、日本の電気の消費は
1年に1兆キロワット時で、国民1人に、1兆キロワット÷1億人=1万キロワット。
国民1人1日に、1万キロワット÷365日=27キロワット。
27キロワットは、100ワット電球11箇を昼夜、点けっ放しの電気量。
5人家庭なら、100ワット電球55を昼夜、点けっ放しの電気量。
193)、電気使用量は、大企業が大量に消費している。
1キロワット時20円なら、日本全体で、総額20兆円。
“カネもうけ”する資本家の欲望が“原発”をつくってゆく。
電気は、売って“おカネ”にするための商品。
194)、総務省は「2018年7月の日本の完全失業率2・5%で、
業者数6636万人、完全失業者数172万人」と発表した。
この失業者数は、7月中に求職活動やっていて、1日も働いたことのない
人数で、、、、、“実際の失業者”は、172万人より、もっと多い。
失業者は嫌な“仕事”でも低賃金でも辛抱して働くから、
資本家には都合がよい。資本主義日本“万々歳”である。
195)、昔は、10年毎に大きな機械設備の切り替えがあって、それで、
10年毎に生産過剰になって、10年毎に戦争が起こった。
明治27年~28年の日清戦争、10年経って、明治37年~38年の日露戦争。
戦争なら、兵器商品なら行き詰まることなく商売やってゆけるし、
兵器企業は喜ぶ。民衆は戦争に巻き込まれて、やっと気が付いて後悔する。
196)、今、戦争なら、核兵器が威力を発揮する。敵も味方も皆殺しだ。
地球が壊れてしまう。国家間の紛争は外交で解決すること、それしかない。
戦争、というなら、今では、後進国の“揉(も)め事”に付け込んで
大企業・財界が、兵器企業やセメント工事、の商売やってゆく。
197)、原発やリニア新幹線に反対の声は大きい。それでも、
原発やリニア新幹線を進める“力”が動いてゆく。
198)、朝日新聞2017年2月10日号に「鉄鋼や造船重機などの
産別労働組合(26万人)の組合員の2016年4~5月の
支持政党のアンケート結果、、、、
自民党23%、民進党18%、支持政党なし53%」とあった。
199)、2015年1月の労働者の組織率は
「日本の労働者の30%が労働組合に組織されている」。
70%の労働者は“労働組合”を持っていないのだ。
200)、朝日新聞2015年10月9日号に
「労働組合に組織されている労働者は1945年に55・8%だった。
2014年には17・5%になった」とあった。
201)、朝日新聞2019年8月24日号に
「連合(=日本労働組合総連合)は、2020年度から2年間の運動方針を決めた。、、、特定の支持政党を明記せず」とあった。
労働組合も、政治変革の熱意が弱まったか。
原発、核兵器、自然破壊、これをどうするか。それだ。
202)、日経新聞2019年12月6日号に
「2019年の世界の新車販売台数は8010万台」とあった。
トヨタ自動車の年間の新車販売台数は1060万台。
トヨタ自動車の販売は、世界の自動車販売の8分の1である。
203)、日本の軽トラ1台、日本で100万円なら、アメリカに輸出すると
関税25%が付いてアメリカでは125万円となる。アメリカで新車が
走っていたら4台に1台は日本の新車で、アメリカの市場を日本車が
荒らしまわっている。日本政府は、自動車の関税をなくするように、
その代わりに、アメリカからコメを輸入する、とまで言っている。
“多く”の政治家は資本家集団の“言うがまま”に動いている。
204)、知人の自動車修理店の店長に「日本共産党を頼む」と言ったら、
その店長は「自民党でないと“仕事”が回って来ないわ」と言った。
「“暇な奴ら”がデモやっていて、わしらは、デモやっていては
食って行けないわ」と言って笑っていた。さて、どうしようか。
“真剣”に自民党を嫌っているのは、生活困窮者だけなのか。
205)、日経新聞2019年4月5日号に
「2019年のゴールデンウイーク(4月25日~5月5日)の海外旅行者66万2千人、
国内旅行者2401万人、、、、」とあった。
206)、ざっと見て“遊び”も、どんどん増えてきた。
ゴルフでも1000万人、パチンコでも1000万人、と言われている。
こんな“普通”のみなさんを見渡してみて、“切実に”政治変革を
求めているようには見えない。
“切実に”よい政党を選ぶ、そんな意欲もないようである。
207)、“世直し”一揆のような動きは、どこからやってくるのか。
208)、マスコミを支配階級に握られている。テレビで思想操作されている。
民衆は、スマートフォンで、情勢に麻痺(まひ)している。
209)、生活困窮者の切実で緊急な“少数者”の要求は見えてこない。
210)、そう簡単には、資本主義日本の仕組みは変わらないのだろうか。
2019年7月21日投票の参議院選挙では20歳代の3人に1人が棄権した。
こんなに多数が棄権して、民衆は政治に無関心なのか。
第28話、昨今の緊急の国際情勢。
211)、2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに軍事進攻した。
そのように、今、どこかの国が日本に軍事侵攻してきたら、どうするか。
兵器を取って武力抵抗したら“皆殺し”の結果になるだろう。
よい例は沖縄戦で、1945年、沖縄県民が日本軍隊と共に兵器を取って
武力抵抗していたら、沖縄県民は“皆殺し”になっていたに違いない。
ところが、沖縄県民は武力抵抗しなかった。だから、今の沖縄が残っている。
今の時世では、すべて、“非武力抵抗運動”すべきである。
“非武力抵抗運動”こそ、今、世界の平和を求める人々の世論の到達点と思われる。
第29話に続く