goo blog サービス終了のお知らせ 

大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

長生炭鉱水没事件は、1942年2月に山口県宇部市にあった同炭鉱が浸水し、過酷な労働に苦しめられていた136人の朝鮮人と47人の日本人が死亡した悲劇的惨事。

2025-08-26 | 韓国あれこれ・・・
 

「朝鮮人136人水没」長生炭鉱で遺骨発見…事故から83年経て

登録:2025-08-26 01:48 修正:2025-08-26 07:00

 

1942年に水深43メートルの炭鉱が浸水
 
 
日帝強占期に136人の朝鮮人労働者らが死亡した長生炭鉱事故の現場で、事故から83年を経て犠牲者のものと推定される遺骨の一部が25日に発見された=フローレンス・ガルミッシュ提供//ハンギョレ新聞社

 日帝強占期(日本による植民地時代)に136人の朝鮮人労働者らが死亡した日本の海底炭鉱、長生炭鉱の事故現場で、事故から83年を経て犠牲者のものと推定される遺骨の一部が発見された。

 日本の市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会(刻む会)」は25日、ハンギョレに「長生炭鉱水没事故の犠牲者の遺骨発掘調査に向けた安全措置の途中、韓国人ダイバーが人骨と推定される骨をいくつか発見した」と明かした。この日の水中捜索に投入されたダイバーたちは、調査現場で犠牲者のものと推定される少なくとも3点の遺骨を公開した。

 
 
日帝強占期に136人の朝鮮人労働者らが死亡した長生炭鉱事故の現場で、事故から83年を経て犠牲者のものと推定される遺骨の一部が25日に発見された=フローレンス・ガルミッシュ提供//ハンギョレ新聞社

 長生炭鉱水没事件は、1942年2月に山口県宇部市にあった同炭鉱が浸水し、過酷な労働に苦しめられていた136人の朝鮮人と47人の日本人が死亡した悲劇的惨事。刻む会は海岸に埋められていた坑口を昨年10月に82年ぶりに発見し、市民の募金によって遺骨発掘作業をおこなってきた。

 続いて今月8日には、海上から坑道へとつながるコンクリート製の排気口(ピーヤ)から炭鉱内に入っていく過程で、事故現場へとつながる出口を発見した。水深43メートルの海の上から排気口を伝って入っていったところ、旧坑道と本坑道をつなぐレンガ造りの門と厚い松の板が現れたのだ。坑口のある海岸から500メートルの地点だ。水没事故当時の記録と比較すると、犠牲者の作業空間と非常に近いうえ視野も良好だったため、遺骨発見の期待が高まっていた。

 
 
日帝強占期に136人の朝鮮人労働者らが死亡した長生炭鉱事故の現場で、事故から83年を経て犠牲者のものと推定される遺骨の一部が25日に発見され、関係者が現場に集まっている=フローレンス・ガルミッシュ提供//ハンギョレ新聞社

 遺骨を発見した韓国人ダイバーは現場でのインタビューで、「最初に遺骨を発見した時は『ここまで来て多くの方々が水の外で待っている。なすべきことを果たしたようだ』と思った。(犠牲者と遺族たちにとって)慰めになったようで良かった」と話した。

 発見された遺骨が朝鮮人なのか日本人なのかなど、詳しいことはDNA鑑定で判明するとみられる。

東京/ホン・ソクジェ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 李在明(イ・ジェミョン)政権の国政企画委員会(国政委)は13日、国政運営5カ年計画を発表し、「大統領任期内の戦時作戦統制権(戦作権)の移管」という目標を示した。

2025-08-14 | 韓国あれこれ・・・
 

韓国政府、任期内に戦時作戦統制権の移管を表明…

米国、「3大条件」掲げるか

登録:2025-08-14 06:44 修正:2025-08-14 07:43
 
 
韓国と米国が2015年11月2日午前、ソウル龍山の国防部庁舎で韓米国防長官会談を行っている=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 李在明(イ・ジェミョン)政権の国政企画委員会(国政委)は13日、国政運営5カ年計画を発表し、「大統領任期内の戦時作戦統制権(戦作権)の移管」という目標を示した。李在明大統領は大統領選の公約で「堅固な韓米同盟に基づいた戦作権移管の推進」を明示したが、具体的な時期は明らかにしなかった。

 国政委のホン・ヒョ二ク外交安保分科長は同日、主な国政課題を説明する中で、国益中心の外交安保課題の一つとして、「任期内の戦作権の移管」を取り上げた。国政委は「堅固な韓米同盟の基盤の上で、移管の履行をめぐるロードマップを早期に用意・履行し、韓国軍の作戦企画および指揮能力の向上を通じた対北朝鮮抑止態勢を構築する」方針を示した。

 李在明政権が目標通り任期内に戦作権の移管を実現するためには、米国との合意が必要だ。朴槿恵(パク・クネ)政権は3つの条件が満たされた時、戦作権を移管することで米国と合意した。3つの条件とは、連合防衛を主導するために必要な軍事的能力▽同盟の包括的な北朝鮮の核・ミサイル脅威への対応能力▽安定的な戦作権の移管に適した朝鮮半島および域内の安保環境だ。

 朴槿恵政権時代の合意が破棄されていないことを考えると、米国は李在明政権にこれらの条件を先に満たすことを求める可能性が高い。ザビエル・ブランソン在韓米軍司令官は8日、京畿道平沢(ピョンテク)のキャンプ・ハンフリーズで開かれた韓国記者団との懇談会で、「戦作権の移管を加速化させるために近道を選ぶと、朝鮮半島の戦力の準備態勢を危険にさらす恐れがある」とし、条件に基づいた戦作権の移管を強調した。

 政府関係者は「戦作権の移管と関連した条件を達成するため、速度を上げて李在明政権の任期内に戦作権の移管に向け努力するという意味」だと説明した。アン・ギュベク国防部長官も先月15日、国会人事聴聞会で「李在明政権の任期中の戦作権移管の目標」について言及したが、「期限を定めたわけではなく、戦作権の移管を進める意志を示したまで」だとし釈明した。

 一方、ホン・ヒョ二ク分課長は「違憲的な12・3非常戒厳のような軍の政治的介入を防止するために防諜司令部は廃止し、必須機能は分散して移管する」と述べた。東・西ドイツが基本条約をもとに対話と交流を続けたように、南北基本協定を結び南北間の平和共存の原則とルールを設ける方針も示した。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦作権の移管については当初の合意どおり進めるべきだと強調した。「合意された条件に基づいた戦作権の移管計画がある」とし、・・・

2025-08-11 | 韓国あれこれ・・・
 

ブランソン司令官、在韓米軍削減の可能性を示唆…「数より能力」

登録:2025-08-11 06:31 修正:2025-08-11 07:13

 

ブランソン司令官、一部の域外への再配置の可能性に言及 
「戦作権の移管を繰り上げれば戦力が危うくなる」
 
 
ザビエル・ブランソン在韓米軍司令官が8日、京畿道平沢市のキャンプ・ハンフリーズで記者懇談会を行っている=在韓米軍提供//ハンギョレ新聞社

 ザビエル・ブランソン在韓米軍司令官は「(在韓米軍の削減や調整に)関連する決定があるだろう」とし、「私は数ではなく能力について考えている」と述べた。ブランソン司令官はこの日、「数よりは能力」が重要だと数回にわたり強調し、現在2万8500人規模の在韓米軍の一部を域外に再配置する可能性を示唆した。

 ブランソン司令官は8日午前、京畿道平沢(ピョンテク)のキャンプ・ハンフリーズ在韓米軍司令部でおこなった国防部記者団との懇談会で、「在韓米軍に変化が必要だと考える」とし、このように語った。ブランソン司令官は同日、在韓米軍司令官として、韓米同盟の現代化や在韓米軍の戦略的柔軟性、台湾海峡問題などについて説明した。李在明(イ・ジェミョン)大統領とドナルド・トランプ大統領の初の首脳会談を控え、在韓米軍の戦略的柔軟性など韓米同盟が両国の懸案としてあがっているため、司令官の関連言及が注目される。

 この日、ブランソン司令官は北朝鮮を「核武装国」(anuclear-armed adversary who's north of the border of us)と称し、「韓国軍への戦時作戦統制権(戦作権)の移管を早めるために近道を選ぶと、朝鮮半島の戦力の準備態勢を危うくする恐れがある」とし、戦作権の移管に慎重な態度を示した。

 ブランソン司令官は在韓米軍の削減について司令官としての立場を尋ねる質問に「在韓米軍に変化が必要だ」と答えた。そして、在韓米軍の再配置および兵力の削減に対する具体的な立場は明らかにせず、「(削減や調整に)関連する決定があるだろう」とし、「私の考えでは、その議論は純粋に数に関する議論ではなく、任務のためにここに利用可能な能力に関する議論になるだろう」と述べた。

 さらに、兵力の規模よりも能力が重要だという趣旨の主張を繰り返した。そして、第5世代ステルス戦闘機であるF35などの在韓米軍への配備を例に挙げ、現在の陸軍中心の在韓米軍の変化の可能性を暗示した。

 戦略的柔軟性に対する質問には、在韓米軍から中東に再配置したパトリオット砲隊を例に挙げ、「時間、空間、必要に応じて戦力を配置できる能力がまさに戦略的柔軟性」であり、「このような能力を常に保有することを目指している」と述べた。さらに「朝鮮半島内で遂行した訓練のおかげで、最も高い準備態勢を整えたパトリオット砲隊を中東に再配置した」とし、「我々の戦力がどのように割り当てられており、現在どこに配置されているのかを総体的に見て、より大きな問題を解決するために、どのように活用できるかを考えることが将来求められるだろう」と語った。米国がイスラエルの防衛作戦のために在韓米軍パトリオット砲隊を循環配置したように、在韓米軍もインド太平洋地域の安全保障状況によって移動しうるという意味とみられる。

 
 
ザビエル・ブランソン在韓米軍司令官が8日、京畿道平沢市のキャンプ・ハンフリーズで記者懇談会を行っている=在韓米軍提供//ハンギョレ新聞社

 ブランソン司令官は「同盟の現代化」を目指す背景について、北東アジア地域の脈絡が変わったことを強調した。司令官は「この地域で発生する状況がこの地域に孤立・限定されると信じるのは危険な考え」だとしたうえで、「韓米同盟はいかなる協定と合意にも特定の敵対勢力を明記していない」と述べた。さらに、「北朝鮮に核武装した敵対勢力があり、北朝鮮とともにロシアの(域内)関与も増えている。中国も自由で開かれたインド太平洋地域を脅かしている」と強調した。この過程で、北朝鮮を核武装した敵対勢力と称したことが目を引く。また「武器と軍事技術を北朝鮮とやりとりしているロシアは脅威ではないか」と記者団に反問し、韓米同盟が北朝鮮だけでなくロシアやその他の脅威にも備えなければならないと強調した。

 西海(ソヘ)における中国の構造物の設置と軍事訓練の拡大については、「南シナ海で見せた姿と奇妙なほど似ている」とし、「西海に関して、(中国の)資産を監視・感知・理解・標的化できる我々の能力は誰よりも優れている」とし、「大韓民国の主権が他国に侵害される可能性があることを留意しなければならず、韓米同盟はこれを容認しない」と述べた。

 台湾海峡問題と関連しては、「米国が台湾を支援するから、韓国も(米国と行動を)共にすべきだと要求するという結論が出たかのように考える必要はない」とし、「大韓民国に要請されたのは、北朝鮮を相手にするのにより大きな力を発揮してほしい(より大きな役割)ということであり、他のこともできるよう同盟を現代化しながら柔軟性を発揮してほしいということだ」と説明した。

 戦作権の移管については当初の合意どおり進めるべきだと強調した。「合意された条件に基づいた戦作権の移管計画がある」とし、「既に設定された(既に合意された)方向に引き続き進めていけば、うまくいくだろう」と述べた。さらに「だが、簡単な近道を選んだ場合、朝鮮半島内の戦力の準備態勢を危険にさらすことになるだろう」とし、「その条件が充足される時に、戦作権の移管が行われるものであって、これを履行しながらその条件を変えてはならないと考える」と語った。韓国国内で「複雑で難しい戦作権の移管条件を変え、戦作権の移管にスピードを出すべきだ」という声があがっているが、司令官はその考えがないということだ。

 韓米合同演習の一部の野外機動訓練の日程を来月に調整したことについて、「私も関与した演習関連の決定事項について問題はないと思う」と述べた。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

交渉結果が日本より不利になれば、国内の産業の被害が大きくなりかねず、このような点を懸念してトランプ大統領を満足させようとすれば、過度な譲歩で他の分野の被害を大きくする恐れがあるからだ。

2025-07-24 | 韓国あれこれ・・・
 

「巨額の投資にコメ市場開放」

日本の大きな譲歩に…韓国政府、対米交渉案を緊急再調整

登録:2025-07-24 06:38 修正:2025-07-24 07:37
 
交渉の結果、日本より不利なら国内産業の被害に 
譲歩しすぎると、他の被害が大きくなる可能性も
 
 
23日、キム・ジョングァン産業通商資源部長官が対米通商交渉のため仁川国際空港を通じて米ワシントンに向けて出国している/聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が22日(現地時間)、日本との関税交渉を妥結したと電撃的に発表したことで、終盤の交渉に乗り出した韓国政府の足元にさらに火がついた。交渉結果が日本より不利になれば、国内の産業の被害が大きくなりかねず、このような点を懸念してトランプ大統領を満足させようとすれば、過度な譲歩で他の分野の被害を大きくする恐れがあるからだ。政府関係者は23日「日本の交渉妥結の動向を注視している」と述べた。

 トランプ大統領の発表は、25日の韓米「2プラス2通商協議」の前に出た。トランプ大統領は今月初めまでは日本が「甘やかされている」として、従来の発表より高い30〜35%の相互関税を賦課すると脅した。日本もそう簡単には引かないという態度を示し、日本の選挙日程まで重なって合意が容易ではないとみられていた。ところが、予想に反した突然の合意発表は、韓国交渉チームに負担を与えている。

 まず韓国と日本は対米交渉において多くの面で似たような立場にある。産業構造と対米貿易構造が似ており、どちらも米国の軍事同盟だ。昨年の対米貿易黒字は日本が8位で685億ドル、韓国は9位で660億ドルを記録した。対米輸出全体で自動車の割合が約4分の1である点も似ている。米国が韓日に25%という同じ水準の相互関税賦課を予告したことにも、このような点が反映されたものとみられる。そのため、政府内外では対米交渉で日本より先を行く必要はなく、少なくとも日本よりは悪い結果を受けることを避けるべきだという意見が多かった。

 こうした中、日本が米国の要求を大幅に受け入れる内容の交渉結果が出たことで、韓国政府に対する圧力も強まる可能性がある。トランプ大統領は、日本がコメと自動車市場の開放拡大に加え、米国に5500億ドル(約80兆円)を投資すると発表した。ソーシャルメディアでこのような計画を明らかにしたトランプ大統領は、以後ホワイトハウス行事では「日本は我々と共にアラスカで液化天然ガス(LNG)のための合弁会社を設立する合意をするだろう」とも述べた。

 この日トランプ大統領が発表した大規模な対米投資、コメなど農産物市場の開放、アラスカのLNG開発への参加などは、これまで韓国にも要求してきたことだ。日本メディアの報道によると、巨額の投資は出資と貸出保証などを通じて米国の製造業投資を誘導する「投資ファンド」と似た形とみられる。ハワード・ラトニック米商務長官は先日、韓国産業通商資源部のヨ・ハング通商交渉本部長との協議で、これと似た形の支援を要求したという。政府はアラスカのLNG開発事業への参加要求については、米国側が提示する資料に基づき経済性をさらに検討しなければならないという方針を示している。

 韓国貿易協会のチャン・サンシク国際貿易通商研究院長は、米日合意について「日本が交渉力が落ちた状態で大きく譲歩したようだ」とし、「韓国はデジタル分野で譲歩し、日本ほどではないだろうが、対米投資などで『トランプに合わせた』交渉をしなければならないだろう」と述べた。チャン院長は、日本が自動車関税を引き下げるために大きく譲歩したものとみられると語った。

 米国と日本の関税交渉妥結のニュースを受け、関連省庁も慌ただしく動いた。通商・外交長官らが前日、対外経済長官会議を通じて交渉カードを準備したが、翌日、日本が米国産コメの輸入を増やす方式で市場への進入を認める内容の米日関税交渉が妥結する「大きな変動要因」が生じ、状況を見直さなければならなくなったためだ。

 大統領室は同日、「米日交渉の結果の詳細を把握している。韓国政府の交渉にも参考にする予定だ」とし、「韓国政府も国益を最優先に米国との協議に臨む予定だ」という立場を示した。これと関連して政府関係者は「日本との交渉妥結という状況の変化にともなう議論をしなければならないと思う」と述べた。政府は牛肉やコメなどは「レッドライン」に設定し、交渉テーブルには上げないという方針を立てたが、状況を見直すという意味とみられる。ただし、米国と日本の合意にも国防費増額など安保関連事案は含まれていないため、韓国もまずは通商懸案を中心に交渉に重点を置くものと予想される。これに先立ち、チョ・ヒョン外交部長官も米国が要求した国防費5%増額は「時間がさらにかかるだろう」と述べた。

イ・ボニョン、ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

特別検察官チームは、事後戒厳宣布文の作成と署名は非常戒厳の違法性そのものを認知していたことを示すものだとみて、捜査を続けている。特検チームは、尹前大統領への虚偽公文書作成容疑の適用を検討している。

2025-07-05 | 韓国あれこれ・・・
 

【独自】最初と事後の非常戒厳宣布文、比較すると・・・

違法、急造で穴だらけ

登録:2025-07-05 08:31 修正:2025-07-05 09:06
 
 
左が昨年12月3日の国務会議で配布された非常戒厳宣布文、右が12月5日にカン前室長が作成した宣布文を再現したもの//ハンギョレ新聞社

 昨年12月3日に作成、配布された非常戒厳宣布文と、2日後に再作成された事後の宣布文は、内容と様式が大きく異なることが確認された。簡単な内容だけが記された事後の宣布文は急造されたことがうかがわれるが、最初の宣布文も内容上、戒厳宣布の合法的な手続きを省略したかたちになっている。

 ハンギョレは5日、カン・ウィグ前大統領室付属室長が手書きで再現して検察の事情聴取の過程で提示した事後非常戒厳宣布文の内容を確認した。それは「非常戒厳宣布」というタイトルの下、「2024・12・3 22:00から非常戒厳を宣布する」という内容が1行だけ記されている。この文言の下には大統領の署名欄があり、「2024・12・3」という日付の下に首相、国防部長官の署名欄がある。カン元室長は今年2月の検察の事情聴取で、事後戒厳宣布文を「2024年12月5日にワードで作成した」と述べており、当時の記憶を頼りに手で再作成して検察に示していた。

 昨年12月3日にキム・ヨンヒョン前国防部長官が国務会議場で国務委員に配った最初の戒厳宣布文と比較すると、カン前室長が作成した事後宣布文は内容が相対的に貧弱だ。最初の宣布文には「従北反国家勢力を一挙に清算」するという戒厳宣布の理由と、全国に対して発令する戒厳であるということ、実施日時、パク・アンス戒厳司令官の名などが記されている。しかし、最初の宣布文には首相と国防部長官の署名欄がない。憲法82条は「大統領の国法上の行為は文書にし、首相と関係国務委員が副署(署名)しなければならない」と規定しているが、最初の宣布文にはそれを履行すべき首相と関係国務委員(国防部長官)の署名欄そのものがないのだ。

 カン前室長は昨年12月5日に事後戒厳宣布文をプリントアウトし、ハン・ドクス前首相とキム・ヨンヒョン前国防部長官の署名を受けた。事後ではあるが最初の宣布文の法律的欠陥を補うために、自身の判断で宣布文を作成したものとみられる。

 カン前室長は、同じ日のこれより前に、キム・ジュヒョン前大統領室民情首席から「大統領の国法上の行為は文書で作成しなければならないが、文書はあるのか」と問われ、事後戒厳宣布文を作成したと検察に述べている。ハン前首相とキム前長官の署名を受けた後、カン前室長は昨年12月7日午前に国民向け談話を終えた尹前大統領を訪ね、最後に署名を受けたという。しかし翌日の昨年12月8日午前9時ごろ、ハン前首相からカン前室長に電話があり、「事後文書を作ったということが知られると、別の論争を生む恐れがあるから、なかったことにしよう」として廃棄を要請された。

 キム前長官がその日の未明、検察に緊急逮捕された直後のことだった。カン前室長が2日後の昨年12月10日にソウル漢南洞(ハンナムドン)の大統領官邸を訪ね、尹前大統領にその内容を報告すると、「事後に(戒厳宣布文を作成して署名)したということの何が悪いのか。後でやることもありうるじゃないか。首相の意向がそうなら、そうしろ」と指示された。カン前室長は大統領室に戻り、事後戒厳宣布文を廃棄したという。チョ・ウンソク特別検察官チームは、事後戒厳宣布文の作成と署名は非常戒厳の違法性そのものを認知していたことを示すものだとみて、捜査を続けている。特検チームは、尹前大統領への虚偽公文書作成容疑の適用を検討している。

チョン・ファンボン、カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1206403.html韓国語原文入力:2025-07-05 05:00
訳D.K
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

就任30日目を迎えた李在明(イ・ジェミョン)大統領が「独島(トクト)は領土紛争とは言えない」と述べた。

2025-07-04 | 韓国あれこれ・・・

李大統領「独島は韓国が実効支配…領土紛争ではない」

登録:2025-07-04 07:24 修正:2025-07-04 07:57
 
「韓国と日本は互いに過去の歴史で苦痛…柔軟かつ合理的な態度でアプローチが必要」
 
 
李在明大統領が3日、ソウル市鍾路区の青瓦台迎賓館で行われた就任後初の公式記者会見「大統領の30日、メディアが尋ね、国民に答える」に参加し、記者団の質問に答えている=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 就任30日目を迎えた李在明(イ・ジェミョン)大統領が「独島(トクト)は領土紛争とは言えない」と述べた。

 李大統領は3日、青瓦台迎賓館で行われた記者会見で、日本との協力についての産経新聞の記者の質問に「(両国は)互いに過去の歴史による苦痛を受けている」として、「柔軟かつ合理的な態度でアプローチする必要がある」と述べた。李大統領は「(両国は)北朝鮮の核とミサイルの脅威にさらされ、米国との関係で特殊な同盟関係にあるという点でも同じだ」として、「戦略的かつ軍事的な側面で利害関係を共有することが多く、経済的にも協力する余地が大きい」と述べた。

 李大統領はこの日、独島についての立場も明らかにした。李大統領は「独島は大韓民国が実効的に支配している明白な大韓民国の領土であるため、紛争ではなく、多少の論争がある」と述べた。

 李大統領は「早い時期に日本に一度行くつもりだったが、日本が選挙で非常に忙しくなったため、日程を確保できずにいる」として、「シャトル外交の復活も私が先に提案した。隣国なのだから複雑なプロセスを経ず、随時行き来し、誤解を減らすのがいい」と述べた。

キム・ヘジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1206062.html韓国語原文入力:2025-07-03 17:17
訳M.S
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権時代に起用された検察首脳陣が大勢交代したことで、新たな法務・検察陣用で検察改革が本格的に議論されるとみられる。

2025-07-02 | 韓国あれこれ・・・
 

韓国検事総長が辞意、

首脳陣も大勢交代…李在明政権で初の検察人事

登録:2025-07-02 07:33 修正:2025-07-02 08:47
 
 
                                                  ソウル瑞草区の最高検察庁/聯合ニュース

 李在明(イ・ジェミョン)政権は1日、検察の高位幹部人事を断行し、最高検察庁次長に同庁のノ・マンソク麻薬・組織犯罪部長(司法研修院29期)を、ソウル中央地検長にソウル北部地検のチョン・ジヌ地検長(29期)を任命した。同日、シム・ウジョン検事総長(26期)は就任9カ月で辞任した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権時代に起用された検察首脳陣が大勢交代したことで、新たな法務・検察陣用で検察改革が本格的に議論されるとみられる。

 法務部はこの日、「最高検察庁検事級検事(検事長)3人に対する新規補任および最高検察庁検事級検事4人、高検検事級(次長、部長)検事2人に対する転補人事を7月4日付で実施した」と発表した。シム総長の辞任で検事総長職務代行となるノ・マンソク新最高検察庁次長は、仁川(インチョン)地検特捜部長を務めた特捜通で、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に法務部の監察担当官を務めた。全国最大の検察庁であるソウル中央地検の長に任命されたチョン・ジヌ検事長は、法務部国際刑事課長、公安企画課長などを歴任した公安・企画通。

 今回の人事で、検察の人事、組織、予算を総括する最重要ポストである法務部検察局長には大田(テジョン)地検のソン・サンホン地検長(30期)、法務部長官と次官を補佐し政策を総括する企画調整室長にはソウル高検のチェ・ジソク監察部長(31期)が任命された。ソウル東部地検長には「検察の内部告発者」として注目された大田地検重要経済犯罪調査団のイム・ウンジョン部長検事(30期)が起用された。金融犯罪の捜査を重点的に指揮するソウル南部地検長には、文在寅政権時代に法務部検察課長だったソウル高検のキム・テフン検事(30期)が起用された。ソン・ガン検察局長(29期)は、高検長に昇進して光州(クァンジュ)高検長に異動。ソウル南部地検のキム・スホン金融調査第1部長(35期)は、法務部検察局の要となるポストである検察課長に任じられた。法務部は「今回の人事は、新政権発足により雰囲気を一新するとともに、国政基調に合致する法務行政を実現するために実施した」と説明した。

 この日の検察人事の発表前、シム総長は辞意を表明した。シム総長は声明で「検事総長の重い責務を辞す。様々な状況を考慮した時、今、職を辞すことこそ私の最後の責任を全うすることだと判断した」と述べた。昨年9月に尹錫悦政権の2人目の検察の長に任命されたシム総長は、半分以上任期を残してに中途退陣することになった。最高検察庁のイ・ジンドン次長(28期)、ソウル南部地検のシン・ウンソク地検長(28期)、ソウル東部地検のヤン・ソクチョ地検長(29期)、法務部のピョン・ピルゴン企調室長(30期)も辞意を表明し、この日、依願免職となった。

クァク・チンサン、ペ・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1205786.html韓国語原文入力:2025-07-01 21:59
訳D.K
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

李在明様  あなたが大韓民国の第21代大統領に就任されたことを、心からお祝い申し上げます。

2025-06-05 | 韓国あれこれ・・・

2025年6月5日(木)

韓国の李在明大統領に志位議長が祝辞

 日本共産党の志位和夫議長は4日、韓国の新しい大統領に選出され、就任した「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)氏に祝辞を送りました。笠井亮前衆院議員・党国際委員会副責任者が同日、在日韓国大使館を訪れて柳東鉉(リュウ・ドンヒョン)参事官に祝意を伝え、手渡しました。祝辞は以下の通りです。

大韓民国大統領

李在明様

 あなたが大韓民国の第21代大統領に就任されたことを、心からお祝い申し上げます。

 貴国民から寄せられた大きな期待にこたえ、貴国の繁栄と国民生活の向上、北東アジアの平和と安定のために、新しい大統領としてあなたが、大きな成功をおさめられることを願っています。

 今年、第2次世界大戦終結80年、日韓国交正常化60年という節目の年にあたって、日本と韓国、および両国民の友好と協力がさらに発展することを願っています。また、貴国と私たちの党との交流がすすむことを期待しています。

2025年6月4日

日本共産党中央委員会議長

志位和夫

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

志位氏は趙外相の来日を歓迎。「日中韓」の枠組みは北東アジアの平和構築にとって重要であり、この間、この枠組みが再活性化していることを喜んでいると述べました。

2025-03-23 | 韓国あれこれ・・・

2025年3月23日(日)

日韓議連 韓国外相と懇談

志位議長が参加・発言

写真

(写真)韓国の趙兌烈外相(右手前から3人目)と会談する日韓議連(左列)。左手前から2人目は日本共産党の志位和夫議長=22日、東京都内

 日韓議員連盟(菅義偉会長)は22日、東京都内で、日中韓外相会議出席のため来日している韓国の趙兌烈(チョ・テヨル)外相と懇談しました。日本共産党の志位和夫議長(同議連顧問)が参加・発言しました。

 志位氏は趙外相の来日を歓迎。「日中韓」の枠組みは北東アジアの平和構築にとって重要であり、この間、この枠組みが再活性化していることを喜んでいると述べました。戦後80年にあたり、村山談話(1995年)、河野談話(93年)、日韓パートナーシップ宣言(98年)の核心的内容を継承し、それにふさわしい行動をとることが重要だと考えていると語りました。

 東アジアの多国間の平和の枠組みとしては、東南アジア諸国連合(ASEAN)との協力の重要性を強調。ASEANプラス8(東アジアサミット)を発展させ、東アジアを戦争の心配のない地域にしていくための外交努力が重要だと考えていると述べました。日韓両国の友好関係の発展のために日韓議連の一員として力をつくしたいと表明しました。(志位議長のXへの投稿から)

 懇談には、日本側から長島昭久日韓議連幹事長らが、韓国側から朴喆熙(パク・チョルヒ)駐日大使らが参加しました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

崩れた橋梁のコンクリートの残骸と鉄筋が乱雑に絡まって散らばり、河川のあちこちに断絶された鉄筋とコンクリートの破片が突き刺さっていた。消防当局の捜索と救助作業が同時に進められ、修羅場のような様相

2025-02-27 | 韓国あれこれ・・・
 

「爆発のような音で窓がグラグラ…」

韓国の高速道路橋崩落の残酷な事故現場

登録:2025-02-26 07:56 修正:2025-02-26 08:05
 
警察、安城高速道路の橋梁崩落事故の原因を捜査
 
 
世宗~安城間の高速道路建設現場で橋脚の建設中に上板の崩落事故が発生した25日、京畿道安城市の事故現場で消防当局が現場を捜索している=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 「夜勤から帰ってきて寝ていたら、突然爆弾が破裂するような音がして窓が大きく揺れました。地震が起きたと思って気象庁に電話もしたんですが、違うというので出てみたら、橋が崩れていました」

 25日、10人の死傷者が出たソウル世宗(セジョン)高速道路の世宗~安城(アンソン)区間の橋梁崩落事故現場の近くに住む住民のユン・ソクナムさん(73)は、当時の状況をこのように伝えた。住民たちは救助現場を訪ね、まだ見つかっていない労働者たちが安全に救助されることを願いつつ、驚きを落ち着かせようとしていた。

 事故現場は無残だった。崩れた橋梁のコンクリートの残骸と鉄筋が乱雑に絡まって散らばり、河川のあちこちに断絶された鉄筋とコンクリートの破片が突き刺さっていた。消防当局の捜索と救助作業が同時に進められ、修羅場のような様相だった。

 事故が起きた橋脚からさほど離れていない住宅街に住むシム・ヒョンボさん(63)も、当惑を隠せずにいた。雷のような轟音に驚いて外に飛び出したというシムさんは「私も土木の専攻だ。いつものように橋梁の上板であるコンクリートの桁(ガーダー=柱と柱を連結する梁)を移すクレーン(ランチャー)が梁を全部上げて後ろに下がる途中だったが、そのクレーンを動かすときに力を誤って加えて前方に傾き、連鎖的に崩れたのではないかと思う」と話した。

 車を運転して事故区間を通っていたある目撃者は、放送のインタビューで「忠清北道鎮川(チンチョン)から(忠清南道の)天安(チョナン)に向かっていたが、橋の下を通りすぎたとたんに突然ガンガンガンという大きな音がした」と言い、「車を停めて見たところ、すでに橋が崩れて煙が上がっていた」と伝えた。

 この日の事故は一つ目と二つ目の橋脚の間に上板を設置する過程で崩落し、上板で作業していた労働者10人が墜落した。当時の現場が撮られた監視カメラ(CCTV)の映像には、数秒で上板が崩れ落ち、上板を移動させていた装備もぐらぐら揺れている様子がそのまま映っていた。救助に出た消防当局がこの日午後2時21分頃、最後の行方不明者を救助したが、死亡した状態だった。墜落した10人のうち4人が死亡し、5人が重傷、1人が軽傷を負った。

 
 
                            世宗~安城間の高速道路建設現場の崩落事故の状況//ハンギョレ新聞社

 ソウル世宗高速道路は全体134キロメートルで、首都圏(安城~九里、全長72キロメートル)と非首都圏(世宗~安城・五松支線を含む62キロメートル)区間に分かれる。首都圏区間は1月1日に全面開通し、非首都圏区間は2026年末に完工予定だ。

 京畿南部警察庁は、現場の救助作業が完了したことにより事故原因究明のために78人規模の捜査専門担当チームを設け、本格的な捜査に着手した。警察は施工会社の関係者などを相手に参考人調査を進めている。警察はさらなる崩落の懸念などを考慮し、当面は事故現場周辺への車などの接近を制限する予定だ。

 消防当局の現場ブリーフィングに出席するとした施工会社「現代エンジニアリング」の現場所長は、ブリーフィングが始まっても姿を現さず、連絡が途絶えた。現場所長は事故原因などを説明する予定だった。現代エンジニアリングはこの日、文書で「早急な現場収拾と正確な事故原因究明のために関係機関に積極的に協力している」との立場を明らかにした。

 この会社は昨年も施工を担当した新築アパートで大量の欠陥が発生し、代表名義で謝罪したが、1年も経たないうちに再び謝罪文を発表することになった。国土交通部が昨年3~8月基準でアパートやオフィステルの欠陥件数が多かった建設会社上位20社のリストを発表したが、現代エンジニアリングが1位だった。欠陥審査紛争調停委員会で欠陥と判定した件数を分析した結果、現代エンジニアリングが供給した2343世帯で118件の欠陥が見つかり、建設会社の中で最も多かった。

イ・ジョンハ、チェ・イェリン、ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1184225.html韓国語原文入力:2025-02-25 22:17
訳C.M
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最終弁論ですら、国民の統合ではなく熱烈な支持層の結集の手段として悪用したのだ。このような姿を見て国民は、一時であろうとこれ以上彼を大統領にとどまらせてはならないという確信をさらに固めたことだろう。

2025-02-26 | 韓国あれこれ・・・
【社説】
最後まで反省も謝罪もない尹大統領、罷免すべき
 
登録:2025-02-26 08:56 修正:2025-02-26 09:37
 
 
20日午後、ソウル鍾路区の憲法裁判所の大審判廷で尹錫悦大統領の弾劾審判第10回弁論が行われ、尹大統領が弁護人と話し合っている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が25日の弾劾審判の最終弁論に出席し、最終陳述をおこなった。これで弾劾審判の弁論はすべて終了した。憲法裁判所は今後、評議を経て、3月初めから中旬ごろに尹大統領を罷免するかどうかを決めるとみられる。憲法裁はこの日までに11回にわたり弁論を行い、12・3非常戒厳の違憲性と違法性を問うてきた。16人の証人に対する尋問と、憲法裁が証拠として採用した内乱事件の容疑者たちの供述調書などによって、尹大統領を罷免する根拠は十分に立証された。尹大統領の罷免が遅れれば遅れるほど、国政の混乱と国民の対立も深まらざるを得ない。憲法裁ができるだけ早く全員一致で尹大統領の罷免を決定することを願う。

 大半の国民は、尹大統領がせめて最後の陳述では自らの過ちについてきちんと謝罪し、責任を取る姿勢を示してくれることを望んだ。また、憲法裁判所がいかなる決定を下したとしても受け入れるとの立場を表明することを求めていた。しかし、一度だけでも国政の最高責任者として責任感を示してほしいという国民の願いは、ことごとく裏切られた。

 尹大統領は最後の瞬間まで、自らの責任を全面的に否定した。野党責任論を繰り返しつつ、非常戒厳は「国民に訴えるためのもの」だったという詭弁(きべん)を並べ立てた。「大統領は国会を掌握し内乱を起こそうとしたという野党の主張は、政略的な扇動工作に過ぎない」として、全国民が見守った明白な事実まで否定した。「不正選挙」や「中国介入論」など、憲政に対する国民の信頼をむしばんで国益を損ねる陰謀論も繰り返した。大統領として自らが招いた国家的混乱を収拾し、国民の分裂と対立を止める最後の機会さえ、打ち捨ててしまったのだ。最後まで自らの安全のためだけに強引な主張を並べ立てる姿を見て、多くの国民は情けなく思い、憤りを感じたことだろう。

 きちんとした謝罪と反省のメッセージもなかった。「国家と国民のための戒厳だった」と戒厳の正当性を強弁してからようやく、「国民のみなさまに混乱と不便をおかけしたことを申し訳なく思う」と一言述べたに過ぎない。誰がこれを真の謝罪と受け止められるのか。むしろ「私の拘束過程で起きたことで、厳しい状況に直面している青年たちもいる。非常に胸が痛み、申し訳ない」と述べて、自身の熱烈な支持層に対する求愛を繰り返した。最終弁論ですら、国民の統合ではなく熱烈な支持層の結集の手段として悪用したのだ。このような姿を見て国民は、一時であろうとこれ以上彼を大統領にとどまらせてはならないという確信をさらに固めたことだろう。速やかに尹大統領を罷免して憲政を正常化するとともに、民生を回復させなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1184227.html韓国語原文入力:2025-02-25 22:19
訳D.K
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「12・3内乱事態」に加担した軍・警察の主要指揮部に続き、「トップ」である尹大統領が起訴されたことで、内乱関連の捜査は事実上終了した。

2025-01-27 | 韓国あれこれ・・・
 

検察、尹錫悦大統領を拘束起訴…

現職大統領の裁判行きは韓国憲政史上初

登録:2025-01-26 22:24 修正:2025-01-27 07:19
 
 
23日、ソウル市鍾路区の憲法裁判所で開かれた弾劾審判の4回目の弁論に出席した尹錫悦大統領/聯合ニュース

 韓国検察は内乱首謀の容疑で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領を拘束起訴した。韓国の憲政史上、現職大統領が拘束され裁判にかけられるのはこれが初めて。「12・3内乱事態」に加担した軍・警察の主要指揮部に続き、「トップ」である尹大統領が起訴されたことで、内乱関連の捜査は事実上終了した。

 検察の非常戒厳特別捜査本部(本部長:パク・セヒョン高等検察庁長)は26日、内乱を首謀した容疑で尹大統領を拘束起訴したことを明らかにした。尹大統領は違憲・違法な非常戒厳を宣布し、非常戒厳解除を阻止ことを意図して国会議員など主要な人物らを令状なしに逮捕しようとした疑いが持たれている。

 尹大統領事件を検察に渡した高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は、尹大統領がキム・ヨンヒョン前国防部長官らと共謀し、国家権力を排除し国憲を紊乱(びんらん)することを目的として昨年12月3日に非常戒厳を宣布して暴動を起こしたと判断した。

 検察特捜本は23日に公捜処から尹大統領事件を移牒された後、拘束期間の延長を裁判所に申請したが、裁判所が許可しなかったことにより、追加捜査なしに尹大統領を起訴した。裁判所は、公捜処法の趣旨上、公捜処が捜査して渡した事件を検察が強制捜査などでさらに捜査する根拠が足りない、という理由で拘束期間延長申請を不許可とした。検察は25日に直ちに拘束延長を再申請したが、裁判所は同じ理由で許可しなかった。

 拘束期間延長が行き詰まると、シム・ウジョン検察総長はこの日午前、高等検察庁・地方検察庁長会議を開き、内部議論を経て尹大統領を起訴するとの結論を下した。検察は、尹大統領の第1次拘束期間の満了日を最大で今月27日とみている。拘束期間満了前に尹大統領を起訴できなければ釈放しなければならない。検察はキム前長官などの公訴内容でも尹大統領を内乱の「トップ」としており、追加の捜査がなくても起訴は可能だという判断を下したとみられる。

 内乱事態から派生した尹大統領の他の容疑に対する捜査は、弾劾審判の結果が出るまでは難しい見通しだ。大統領警護処の逮捕令状執行阻止を捜査中の警察は、尹大統領を特殊公務執行妨害容疑の共犯者と判断している。しかし、現職大統領であるため、内乱容疑以外の罪名が明らかになったとしても尹大統領に対する起訴は不可能な状況だ。

 まだ残っている捜査も一部ある。公捜処はハンギョレなど主要メディアへの電気・水の供給断絶を指示した疑いが持たれているイ・サンミン前行政安全部長官に対する調査を継続する方針だ。また警察は、尹大統領の逮捕令状執行を阻止したキム・ソンフン大統領警護処次長を特殊公務執行妨害などの容疑で捜査している。

クァク・チンサン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

内乱罪の容疑者、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の逮捕状を再交付された共助捜査本部が、官邸への進入と身柄確保案を検討するなど、尹大統領の2回目の逮捕状執行が秒読みに入った。

2025-01-09 | 韓国あれこれ・・・
 

尹錫悦大統領の逮捕間近…

警護処を無力化する圧倒的な警察力投入の態勢

登録:2025-01-09 06:43 修正:2025-01-09 08:07
 
 
逮捕状の再執行を控え、「逃避説」まで持ち上がった尹錫悦大統領と推定される人物(左から三人目)が8日昼、警護員らとともにソウル龍山区漢南洞の大統領官邸の警備状態を点検する姿がオーマイニュースTVに捉えられた=オーマイニュースTV提供//ハンギョレ新聞社

 内乱罪の容疑者、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の逮捕状を再交付された共助捜査本部が、官邸への進入と身柄確保案を検討するなど、尹大統領の2回目の逮捕状執行が秒読みに入った。高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の捜査管轄を問題視している尹大統領側は「起訴するか、事前拘束令状を請求すべき」だと反発しており、尹大統領の支持者たちはソウル漢南洞(ハンナムドン)の官邸前に再び集結した。

 公捜処は8日、警察庁国家捜査本部(国捜本)と逮捕状の細部執行計画作りに入った。公捜処の関係者はこの日、ハンギョレに「捜査チームが逮捕状の執行に向けた具体的な案と役割をめぐり国捜本と協議を進めている」と語った。3日に逮捕状の執行に失敗した公捜処は、7日にソウル西部地裁に逮捕状を再請求し、令状が発付された。以前に発行された逮捕状は有効期間が7日間だったが、公捜処は今回の令状の有効期間については口を閉ざした。公捜処の関係者は「令状の期限が分かれば、相手がその時まで持ちこたえれば良いと考える場合もあるため、明らかにすることはできない」と話した。公捜処は、尹大統領の逮捕状の再執行に投入する人数を1回目(公捜処30人、国捜本120人)より倍に増やし、警護処の物理的脅威に対応するため警察特攻隊を投入する案を検討しているという。共助本部内外では、バスや鉄条網などで封鎖された通路を突破するため、警察特攻隊の装甲車とヘリコプターを利用して内部に進入する方法も取り上げられている。

 尹大統領側は、2回目の逮捕状の執行が迫ると強く反発した。尹大統領の弁護団は同日、ソウル瑞草区の韓国カンファレンスセンターで記者会見を行い「逮捕状によって進められる捜査には応じられないという立場に変わりはない」としたうえで、「起訴するか、ソウル中央地裁に事前拘束令状を請求すれば、裁判所の裁判には応じる」と明らかにした。 これに対し、公捜処の関係者は「法と原則に則って捜査を進めることには変わりがない」と語った。尹大統領側の反発にかかわらず逮捕状を執行するという意味だ。逮捕対象である尹大統領がすでに官邸を抜け出したという逃走説も持ち上がったが、この日の午後12時53分頃、オーマイニュースのカメラには尹大統領とみられる人物が3、4人の男性と共に官邸進入路に出て、あちこちを指さしながら何かを指示する場面が映っていた。

 尹大統領の逮捕が失敗に終わってから、しばらく静かだった官邸の前には、再び尹大統領の支持者たちが集まり始めた。この日午後2時頃から漢南洞のルター教会前で開かれた尹大統領弾劾反対集会では、星条旗と太極旗を持った数千人の尹大統領の支持者たちが「大統領を守ろう」、「弾劾無効」等のスローガンを叫んだ。

 「尹錫悦即時退陣・社会大改革非常行動」(非常行動)は、ソウル鍾路区(チョンノグ)の政府庁舎前で記者会見を開き、警護処の逮捕状執行妨害を幇助(ほうじょ)しているチェ・サンモク大統領権限代行副首相兼企画財政部長官に対し、「公権力に対し実弾を発砲するなどを企てた警護処に対する黙認と支援をやめ、パク・ジョンジュン警護処長と幹部を解任すべきだ」と求めた。

カン・ジェグ、ペ・ジヒョン、イム・ジェヒ、パク・コウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シン教授は、韓国社会は民主主義と憲政秩序の回復を優先すべきだとして、「長期的に政治の領域において何よりも重要なのは、権力の分散と、権力乱用を制御するための制度改革の完成」だと提言した。

2024-12-19 | 韓国あれこれ・・・
 

「凶暴な大統領ひとり変えたところで解決されない」…

12・3内乱は総体的危機(1)

登録:2024-12-19 01:23 修正:2024-12-19 08:34

 

「時代精神と公論の場の役割」をテーマに 
ソウルで第1回ソーシャルコリアフォーラム開催 
民主主義の退行の背景、原因とは?
 
 
ソーシャルコリア創刊3周年を記念して、18日午後、第1回ソーシャルコリアフォーラムがソウル中区のフランシスコ教育会館で開催され、中央大学のシン・ジヌク教授が総論を提起している=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 「発展した市場経済、リベラルな市民文化、高度な情報通信技術を持つ韓国においては、長期的に独裁体制を維持することはできないだろう。しかし独裁体制の樹立、あるいは少なくとも独裁体制の樹立が暴力的に試みられるということは、いくらでも起こり得るし、独裁の樹立の阻止や打倒のためには多くの犠牲を払わなければならない」(シン・ジヌク中央大学教授)

 歴史博物館に展示されていた戒厳がよみがえり、全国民がリアルタイムで生々しく目撃した2024年12月。1987年以降は廃棄された政治体制だと考えられていた「独裁」。その言葉が37年ぶりに改めて公論の場に登場するというのは、明らかに歴史的退行だ。いくら何でも民主化以前へと歴史の歯車を戻すことはできないだろうという認識と期待は楽観的すぎる態度だったということに気づいた今、中央大学のシン・ジヌク教授は、18日に「時代精神と公論の場の役割」と題して開催された第1回ソーシャルコリアフォーラムで、「それを阻む道は、そのような悲劇はやって来ないだろうという楽観ではなく、それが来ないようにする実践」だと喝破した。

 ソウル中区(チュング)のフランシスコ教育会館で開催されたこの日のフォーラム(主催:ソーシャルコリア、ハンギョレ経済社会研究院、ハンギョレ仕事と人研究所)に最初の発表者として立ったシン教授は、今の韓国社会は「総体的危機」に陥っていると診断する。シン教授は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾と比較して「12・3戒厳事態」は、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)と軍、警察、政府閣僚が組織的におこなった内乱クーデターで、民主主義、憲政、法治、自由、信頼、命といった韓国社会の根本的前提が崩れ落ちた事件」だと指摘しつつ、「今の韓国社会の危機が非常に深く重篤で、決して凶暴な大統領ひとりが変わったところで解決される問題ではないことを証明する」と述べた。シン教授は、12・3事態の前に複数の国際的な評価機関が韓国の民主主義、自由、人権の急激な後退を相次いで報告しつつ、さらに深刻な独裁化の可能性を警告していたとして、世界17~18位を維持していた自由民主主義指数(V-Dem研究所)の47位への低下、報道の自由度ランキング(国境なき記者団)の世界62位への下落などを示した。続いて「一時は世界の賛辞を浴びていた『K-民主主義』の記憶に酔い、急速に独裁化が進んでいることに気づかなかった」として、「そのような退行の過程の末、人々は最終的に、大統領と国防部長官の命令で国軍の最精鋭部隊が国会を占領し、市民に銃を向けるという内乱の破局を迎えるに至った」と述べた。

 シン教授は民主主義退行の背景と原因について、過度に中央集中化された権力構造、政治的両極化と急進主義、陰の権力の強大化、不平等問題の解決の失敗の4つの要因が相互作用して「複合危機」を招いたと分析した。そして、勝者に過度な権力を与える構造のぜい弱さを強調した。「大統領に選出された人物が民主主義、人権、合理的ガバナンスを追求する人物であれば急進的な制度改善が可能だが、もし大統領が民主的規範と価値を無視する人物だったなら、この種の権力構造は非常に危険になる。時には大統領の力を借りて改革も行われたが、『諸刃の剣』の反対側の刃は危険すぎる」

 シン教授は、韓国社会は民主主義と憲政秩序の回復を優先すべきだとして、「長期的に政治の領域において何よりも重要なのは、権力の分散と、権力乱用を制御するための制度改革の完成」だと提言した。

 
 
ソーシャルコリア創刊3周年を記念して、18日午後、第1回ソーシャルコリアフォーラムがソウル中区のフランシスコ教育会館で開催された=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 続いて政治分野の基調提起をおこなった国会立法調査処のイ・グァンフ処長も、民主主義の虚弱さをまず指摘した。イ処長は「戒厳を準備する過程で染みついた前近代的要素が民主主義を脅かしうる状況にあって、最終的な憲政的安全装置(国会による戒厳解除)の他には、権力構造そのものの中にこのような統治を制御しうる制度と民主的な政治慣行が十分に構築されていないということも確認された。1987年に樹立された韓国の民主主義は、軍部独裁への回帰を防げるくらいには堅固だが、統治の内容からそのような可能性をなくし、より良い民主主義へと向かうための基盤は十分ではない」と述べた。そして、今の状態を「民主主義の強固化に至る長い旅程において、霧が立ちこめる『灰色の地帯』をさまよっている」と表現した。

 イ処長は、尹錫悦式の「ポピュリズム的独裁」は「政治的効能感」が低下すれば今後いくらでも再登場しうると述べた。「民主主義の最後の砦である国民が2度(朴槿恵と尹錫悦の弾劾)も民主主義を救ったにもかかわらず、3度目が起これば、その後の政治的効能感の低下は民主主義という制度そのものに対する信頼を低下させる可能性が高い…回復力だけを信じて、民主主義においてはいかなる指導者も誕生しうるというような安易な態度を取っていると、あるいは、よりよい指導者の育成と選出に不断に努めないと、民主主義は『慢心のわな』にはまってしまうだろう」

 イ処長は、政治が復元されないと、民主主義はいつでも再び危機に直面する恐れがあると警告する。政治の復元を困難にする政治嫌悪と慢心のわなから脱するためには、実際の国民の生活の質をよりよくして「政治的効能感」を高めなければならないと提言する。

 最後にイ処長は、「1度目の戒厳は悲劇に、2度目の戒厳は喜劇に終わった。3番目の戒厳はポピュリズム的なやり方であらわれ、ファシズムにつながる恐れがある」と述べた。(2に続く)

リュ・イグン|ハンギョレ経済社会研究院先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 
 

「凶暴な大統領ひとり変えたところで解決されない」…

12・3内乱は総体的危機(2)

登録:2024-12-19 08:28 修正:2024-12-19 08:48
 
 
ソーシャルコリア創刊3周年を記念して、18日午後、第1回ソーシャルコリアフォーラムがソウル中区のフランシスコ教育会館で開催され、参加者が記念撮影をおこなっている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

(1の続き)

 続いて福祉分野の発表をおこなった仁荷大学のユン・ホンシク教授(社会福祉学)は、「弾劾だけでは、もう一人の尹錫悦(ユン・ソクヨル)を防ぐことはできない」として、「尹錫悦大統領を弾劾して新政権が発足すれば、尹錫悦政権が蹂躙(じゅうりん)した民主的手続きと権利は復元されるだろう。しかし、韓国社会の持続可能性を脅かす構造的リスクは解消されない可能性が高い」と述べた。それは「選挙は毎回途方もなく期待されたが、例外なく途方もない失望に帰結した。部分的な制度変化と公的福祉の量的拡大を除けば、どれだけ政権交代をしても社会経済的リスクを作り出す生産方式の根本的な変化は作り出せなかった」からだと指摘した。そして、今回の弾劾は政権交代にとどまらず、生産と分配(および再分配)のあり方の改革を含む「体制転換」の出発点にしなければならないと提案した。ただしユン教授は、権力構造の改革は必要不可欠だとしつつも、「矛盾しているが、私たちに必要な権力構造は民主主義を安定的に維持しうる分権化されけん制が可能な権力構造であると同時に、韓国社会が直面する社会経済的な危機を効果的に改革していく強力な権限を持つ権力構造でなければならない」と述べた。

 環境分野の発表を担当した檀国大学のチョ・ミョンレ碩座教授は、現在の政治や社会的危機と同様、気候危機も深刻だとして、「韓国は『気候後進国』だが、特に尹錫悦政権ではグリーン転換のエンジンが止まっていた。気候危機をグリーン転換の機会とすべきだ」と述べた。そのためにグリーンニューディールの再推進と、国家政策の優先順位のグリーン転換中心への再設定を提案した。

 ソウル科学技術大学のチョン・ホンジュン教授(経営学)は、韓国の「二重労働市場」問題を指摘してから、同一労働に対する同一水準の補償、労働基本権の死角地帯の解消、セーフティーネットの着実な拡大などを労働分野の実践案として提示した。

 漢陽大学のイ・チャンミン教授(経営学)は、尹錫悦政権を「右派ポピュリズム」の枠組みで分析しつつ、現政権が執着した「健全財政と減税」、「釜山万博と財閥トップとの伝統市場の視察」、「金融投資所得税の廃止」を例示した。イ教授は続いて「右派ポピュリズムはまだブラックボックス(実体が分からない)だ。2000年代以降、西欧中心に復興したもので、再分配という左派ポピュリズム風の共通した議題もなく、リーダーのみが過剰な自信をほとばしらせているから」だとして、「政策決定者は社会厚生の最大化を追求する社会制度の設計者だという幻想から脱し、彼らの私益追求を阻まなければならない」と述べた。

 
 
18日、ソウル中区のフランシスコ教育会館で開催された第1回ソーシャルコリアフォーラムで、円卓討論が行われている=リュ・イグン先任記者//ハンギョレ新聞社

 忠南大学のユン・ジャヨン教授(経済学)は、こんにちの時代精神は「ケア社会の構築」だとして、持続可能な社会の構成にケアは必要不可欠な要素となりつつあると述べた。ユン教授はまた「ケアを個人や家族ではなく社会全体の責任とするために、ケアが再構成されなければならない」と語った。

 専門家による7つの分野の発表後に行われた円卓討論には、中央大学のイ・チャンゴン教授(元ハンギョレ新聞記者)の司会で、中央大学のシン・グァンヨン名誉教授、韓国労働組合総連盟のチョン・ムンジュ事務処長、民主労働研究院のイ・チャングン研究委員、グリーン転換研究所のキム・ビョングォン研究委員、ソウル科学技術大学のキム・ヨンスン教授、生産と抱擁金融研究会のキム・ヨンギ会長(亜州大学教授)、延世大学のチェ・ヨンジュン教授、参与連帯のイ・ジヒョン事務処長らが参加した。

 総括論評をおこなったシン・グァンヨン名誉教授は、憲法裁判所で弾劾が認容されたら、その後どうするのか、という問いを投げかけ、「(学者同士の議論にとどまらず)韓国の政策形成過程についての研究と、効率的な政策形成に影響を及ぼしうる民主的な政策形成システムの構築が模索される必要がある」と述べた。シン教授は、政策で社会を変化させることができればと思うと付け加えた。

リュ・イグン先任記者|ハンギョレ経済社会研究院 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チョン氏は、尹大統領の弾劾に反対している与党を強く批判した。「(国民の力には)現実感覚がないようにみえる。国民の力はこの数年間、国民を欺いてきたのではないかと疑っている」と話した。

2024-12-12 | 韓国あれこれ・・・
 

「尹大統領、過度なアルコールで国政遂行は不可能」

韓国の保守論客の評価

登録:2024-12-12 00:53 修正:2024-12-12 08:19
 
 
                    今月3日夜、非常戒厳を宣布している尹錫悦大統領=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 「保守の論客」チョン・ギュジェ氏が、保守勢力が陰謀論的な世界観に陥ったことが12・3内乱へとつながったという趣旨の見解を示した。

 チョン氏は9日のCBSラジオ「パク・チェホンの一本勝負」に出演し、違憲かつ違法な12・3内乱について「保守全体が陰謀論的な世界観に陥っていた。保守全体の水準が非常に低下した」として、「(12・3内乱は)その結果」だと主張した。内乱罪容疑者の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が起こした内乱の背景には極右勢力が提起してきた不正選挙陰謀論などがある、という一部の主張と軌を一にするものだ。

 3日の非常戒厳宣布の際、京畿道果川(クァチョン)の中央選挙管理委員会に侵入した戒厳軍は、選管の電算室で事前投票に関連するサーバを撮影している。10日の国会国防委員会全体会議に出席した国軍防諜司令部のチョン・ソンウ第1処長は、「選管のサーバをコピーするとともに、丸ごと持ってくるよう指示したのは誰か」と共に民主党のホ・ヨン議員に問われ、「(国軍防諜司令部の)ヨ・インヒョン司令官に口頭で指示された」と答えた。

 
 
                              保守の論客、チョン・ギュジェ氏=ユーチューブより//ハンギョレ新聞社

 チョン氏は「大統領をはじめとする龍山(ヨンサン)の少なからぬ人たちが、いわゆる陰謀論的世界観に深く浸っていると思う。(与党の)国民の力を支持するかなりの数の人たちに陰謀論、ねじ曲げられた歴史観、手段の軽視、目的中心の世界観が非常に深く浸透している」と述べた。

 また「尹大統領はすでに過度なアルコールで国政が遂行できない段階に到達しているだろうと思う」として、「そのような状況が1年以上続いてきたが、秘書たちがよこしまな宦官(かんがん)のようにかばっている」とも述べた。

 チョン氏は、尹大統領の弾劾に反対している与党を強く批判した。「(国民の力には)現実感覚がないようにみえる。国民の力はこの数年間、国民を欺いてきたのではないかと疑っている」と話した。

 ただし同氏は、国民の力の態度は数日以内に変化するだろうとの見通しを示した。同氏は「国民の力の議員たちには『裏切り者トラウマ』があるからああなのだと思うが、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾での裏切り者フレームと今回の状況とはまったく異なる。おそらく2~3日以内に見解は大きく変わるだろう」、「大統領に対する(捜査機関の)質問事項が完成すれば、国民の力の議員たちは不可避的にであれ弾劾に判を押すことになるだろう」と述べた。

 チョン氏は、国民の力のハン・ドンフン代表をはじめとする与党関係者が大統領弾劾の代案として主張している「秩序ある退陣」についても、「だまし」だと批判した。同氏は、韓国経済新聞の論説委員だった時代に、朴元大統領の弾劾局面において「秩序ある退陣」という概念を初めて提示した張本人だ。

 チョン氏は「(秩序ある退陣は)朴元大統領は政治的には失敗と判定されたのだから、名誉を保ったまま撤退する時間を与えようということだった。朴大統領が(辞任の)期限をまず決めて、与野党がワンポイントで任期短縮改憲をすれば名誉ある退陣ができる、というものだった」として、「ハン代表は国民の力の大権、党の主導権を握るための腹案として使おうと考えてあのような話をしているが、だまそうとしているもの」だと指摘した。

 さらに、「(大統領退陣の)ロードマップは、ハン代表には示すこともできないし、資格もない。何の憲法的な裏付けもない」、「しかも尹大統領は容疑者になった。容疑者に対しては速やかな捜査と逮捕があるのみ」だと付け加えた。

シム・ウサム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする