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この70年間、全国各民族の人民は心を一つにして、困難に立ち向かい、世界が刮目する偉大な成果を成し遂げた。

2019-10-02 | 科学的社会主義の発展のために

習近平総書記 

中華人民共和国成立70周年祝賀大会で演説

人民網日本語版 2019年10月01日13:26
 

 

全国の同胞の皆さん

同志の皆さん、友人の皆さん

今日、我々はここに盛大に集まり、中華人民共和国成立70周年を祝賀する。今この時、全国の各民族の人民、中国内外の中華民族の子孫たちは、みなこの上もない喜びの気持ちを抱いて、我々の偉大な祖国を誇らしく思い、我々の偉大な祖国に心からの祝福を送っている。

ここで、私は中国共産党中央委員会、全国人民代表大会、国務院、全国政治協商会議、中央軍事委員会を代表して、民族の独立と人民の解放、国家の富強と人民の幸福のために不朽の功績を打ち立てたすべての革命の先達と烈士たちに、深い懐旧の念を示す。全国の各民族の国民と国内外の国を愛する同胞に、熱い祝福を送る。中国の発展に関心を寄せこれを支持する各国の友人に、心からの感謝を示す。

70年前の今日、毛沢東同志はここで世界に向けて中華人民共和国の成立を厳かに宣言し、中国人民はここから立ち上がった。この偉大な出来事は、近代以降100年あまりの貧困に陥り弱体化し、他国に侮辱され虐げられた中国の悲惨な運命を根本的に変えたのであり、中華民族は偉大な復興の実現という壮大な道のりを歩みだした。

この70年間、全国各民族の人民は心を一つにして、困難に立ち向かい、世界が刮目する偉大な成果を成し遂げた。今日、社会主義の中国は世界の東方に高くそびえ立ち、いかなるパワーも我々の偉大な祖国の地位を揺るがすことはできないし、いかなるパワーも中国人民と中華民族の前進の歩みを阻むことはできない。

同志の皆さん、友人の皆さん!

前進する道のりで、我々は中国共産党の指導を堅持し、人民の主体的地位を堅持し、中国の特色ある社会主義の道を堅持し、党の基本理念、基本路線、基本戦略を全面的に貫徹実施し、素晴らしい生活に対する人民の憧れを絶えず満足させ、新しい歴史的偉業を絶えず創造しなければならない。

前進する道のりで、我々は「平和統一」、「一国二制度」の方針を堅持し、香港と澳門(マカオ)の長期的な繁栄安定を維持し、海峡両岸関係の平和発展を推進し、すべての中華民族を団結させ、祖国の完全な統一の実現に向かって引き続き奮闘しなければならない。

前進の道のりで、我々は平和発展の道を堅持し、互恵・ウィンウィンの開放戦略を実行し、引き続き世界各国の人々とともに人類の運命共同体の共同建設を推進しなければならない。

中国人民解放軍と人民武装警察隊は人民の軍隊であるという性質、趣旨、本質を永遠に保ち、国家の主権、安全、発展の利益を断固守り、世界平和を断固守らなくてはならない。

同志の皆さん、友人の皆さん!

中国の昨日はすでに人類の歴史の中に記されており、中国の今日は億万の人民の手の中で作られつつあり、中国の明日は必ずより素晴らしいものになる。全党、全軍、全国各民族の人民はより固く団結し、初心を忘れず、使命を銘記し、引き続き我々の人民共和国をより強固なものにして、これをしっかり発展させ、引き続き奮闘目標「2つの百年」を実現するために、中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するために奮闘努力しなければならない。

偉大な中華人民共和国、万歳!

偉大な中国共産党、万歳!

偉大な中国人民、万歳!

(編集KS)

「人民網日本語版」2019年10月1日

 

中華人民共和国成立70周年祝賀招待会 北京で盛大に開催

 

人民網日本語版 2019年10月01日11:21
 

 

中華人民共和国成立70周年祝賀招待会 北京で盛大に開催
9月30日夜、中華人民共和国成立70周年祝賀招待会が北京の人民大会堂で盛大に行われた。習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)が出席して重要演説を発表した。(撮影・黄敬文)

 

中華人民共和国成立70周年祝賀招待会が9月30日夜、北京の人民大会堂で盛大に行われた。習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)が出席して重要演説を発表した。習総書記は、「新たな旅の道のりにおいて、我々は団結の旗を高く掲げ、党中央の周りで緊密に団結し、全国各民族の国民の大団結を強固なものにし、中国内外の中華民族の大団結を強化し、各党派、各団体、各民族、各階層、各方面の大団結を強化し、党と国民の血肉を分けた結びつきを維持し、愛国主義の精神の称揚に力を入れ、勇往邁進するパワーを集結し、中華民族の偉大な復興の船が追い風に乗り波濤をかき分けて進み、帆を張って遠くまで航海するよう推進しなければならない」と述べた。

中華人民共和国成立70周年祝賀招待会 北京で盛大に開催
9月30日夜、中華人民共和国成立70周年祝賀招待会が北京の人民大会堂で盛大に行われた。習近平、李克強、栗戦書、汪洋、王滬寧、趙楽際、韓正、王岐山をはじめとする党と国家の指導者、および中国内外の4千人あまりが一堂に会し、新中国70周年の誕生日をともに祝福した。(撮影・黄敬文)
コメント

不破氏は、先方の質問に答え、今日の資本主義の矛盾30年前のソ連、東欧の政変の見方、核兵器問題、東シナ海・南シナ海でのふるまいなど

2019-09-25 | 科学的社会主義の発展のために

不破社会科学研究所所長と中国社会科学院一行が会談

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(写真)会談する日本共産党代表団(左列、手前から4人目は不破哲三団長)と中国のマルクス主義研究院代表団(右列、同4人目は辛向陽団長)=24日、党本部

 日本共産党の不破哲三社会科学研究所所長は24日午後、党本部で中国社会科学院マルクス主義研究院の辛向陽(しん・こうよう)副院長一行と会談しました。

 不破氏は、先方の質問に答え、今日の資本主義の矛盾、30年前のソ連、東欧の政変の見方、核兵器問題、東シナ海・南シナ海でのふるまいなど今日の中国の現状、未来社会論などについて党の立場を説明しました。

 辛副院長は、これにたいし中国の国際政治上の立場を説明するとともに、建国70年を迎える中国の現状と課題について紹介しました。

 会談には、日本側から緒方靖夫副委員長、山口富男社研副所長、坂井希政策委員会事務局次長、谷本諭政策委員会委員、村主明子学習教育局次長らが参加しました。

 マルクス主義研究院から、李瑞琴(り・ずいきん)、戴達興(たい・たつこう)、黄艶紅(こう・えんこう)、劉海飛(りゅう・かいひ)、鄭萍(てい・ひょう)の各研究者が参加しました。

コメント

「21世紀の世界の経済を理解するには『資本論』を学ばないと、本質と動きを的確に把握することができない」

2019-09-24 | 科学的社会主義の発展のために

新版『資本論』刊行記念講演会

今なぜ新版『資本論』を学ぶのか 萩原伸次郎 横浜国立大学名誉教授

新しい条件生かした新版の魅力 山口富男日本共産党社会科学研究所副所長

 20日、東京都内で開かれた新版『資本論』刊行記念講演会で萩原伸次郎・横浜国立大学名誉教授と山口富男・日本共産党社会科学研究所副所長が述べた話を紹介します。


今なぜ新版『資本論』を学ぶのか

萩原伸次郎 横浜国立大学名誉教授

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 萩原氏は、現代経済史、米国の経済政策を専門としてきたことを踏まえ、「21世紀の今、なぜ新版『資本論』を学ぶのか」と問いかけ、「21世紀の世界の経済を理解するには『資本論』を学ばないと、本質と動きを的確に把握することができない」と述べました。

 「『資本論』はもう古い」と言われ、ソ連崩壊以後は「現実に通用しない」というキャンペーンが行われました。「けれども現実の経済をながめると『資本論』を再度、新たな観点で学ばなければならないことを教える30年間だった」と指摘しました。

 第2次世界大戦後の資本主義システムが本家の米国から崩れる動きが出てきました。21世紀にかけて米国を基軸に新自由主義が展開され、多国籍企業の支配が世界を覆うようになりました。萩原氏は、リーマン・ショックを利用して金融業者が国民から膨大な金を奪う姿も『資本論』の叙述そのもので、「金融危機の本質は『資本論』を読まないとわからない」と強調しました。

 「なぜ新版でなければならないか」については恐慌論と未来社会論を挙げました。

 恐慌に関しては「商人資本の介在」というエンゲルスが見落とした点が新版に盛り込まれました。マルクスの研究過程がわかるように編集され、恐慌研究のマルクスの苦闘をリアルに感じることができると言います。

 未来社会については、かつて横浜国立大学の故佐藤金三郎教授から「社会主義・共産主義のキーワードは自由な時間だ」と言われたことを紹介しました。新版ではエンゲルスの編集を組み替え、マルクスが未来社会の基本とした「自由な時間」の叙述を本来のものに戻しました。萩原氏は「画期的な事業をした」とし、新版の意義を強調しました。

新しい条件生かした新版の魅力

山口富男 日本共産党社会科学研究所副所長

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 山口氏は「新版『資本論』の特徴と魅力」について話しました。

 新版にはこの30年間に発展した新しい研究条件が生かされていると山口氏は語りました。一つは、新しい『マルクス・エンゲルス全集』(『新メガ』)の刊行が進み、『資本論』の全草稿が読めるようになったこと。もう一つは『資本論』に引用された公的報告書などがインターネットやマイクロフィルムで直接読めるようになったことです。

 訳文は新書版に続き平易で明快なものをめざしました。マルクスが引用した文献もできる限り原典に当たり直し、訳文や数字を改訂しました。新しい訳注では著作構成の変化、恐慌論、再生産表式論、未来社会論などでマルクス自身の研究の発展と到達点を重視しました。エンゲルスの編集上の問題点を検討し、訳注を充実させ、必要な場合、マルクスの草稿を訳出しました。

 その上で山口氏は各部の改訂の特徴を挙げました。第一部ではマルクスによる改訂を重視し、価値形態論の書き直しの経過は訳注で説明しました。マルクスの原注が初版以降、第4版までどの版で付けられたかもわかるようにし、自著に磨きをかけたマルクスの足跡がつかみやすくなりました。

 第二部では、エンゲルスが草稿に付け加えた文章や注、誤読について訳注で詳しく指摘しました。マルクスが残した八つの草稿とそれが第2部でどう利用されたかについては、最近の研究による情報を示し、恐慌論では関連するマルクスの草稿を訳出しました。

 第三部では、古い理論的命題―利潤率の傾向的低下を資本主義没落の動因とする立場―の残る第3篇と、後で執筆され、マルクスがこの立場を乗り越えた第4篇を分冊上も分けました。第48章「三位一体的定式」ではマルクスの草稿通り、未来社会を論じた部分を冒頭に置きました。

 山口氏は700人を超える人名索引の充実ぶりも紹介し、新版の普及を呼びかけました。

コメント

37年間の歴史です。私はこの歴史をたどりながら、新版『資本論』の特徴と意義について話したいと思います」と述べ、講演に入りました。

2019-09-23 | 科学的社会主義の発展のために

新版『資本論』刊行記念講演会

『資本論』編集の歴史から見た新版の意義

不破哲三党社会科学研究所所長の講演(詳報)

 20日に東京都内で開かれた新版『資本論』刊行記念講演会(日本共産党中央委員会、新日本出版社主催)での不破哲三社会科学研究所所長の講演の詳報は次の通りです。


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(写真)講演する不破哲三氏=20日、東京都新宿区

1、『資本論』の歴史を 振り返る

 不破氏は冒頭、「『資本論』には歴史があります。マルクス(1818~83年)が最初の草稿執筆を開始したのは1857年、マルクスが死んでエンゲルス(1820~95年)の編集によって『資本論』最後の巻が刊行されたのが1894年。37年間の歴史です。私はこの歴史をたどりながら、新版『資本論』の特徴と意義について話したいと思います」と述べ、講演に入りました。

1865年の大転換

 不破氏はまず、『資本論』とその草稿全体を執筆順に並べて紹介しました。

 (1)『1857年~58年草稿』 『資本論』の最初の草稿で、7冊のノートから成りたっています。

 (2)『経済学批判』(1859年刊行) 経済学研究の最初の部分、商品と貨幣の部分をまとめたもので、草稿ではなく出版されたものです。

 (3)『1861年~63年草稿』 23冊の膨大なノートです。

 (4)『資本論』第1部初稿(1863年~64年夏) 題名を『資本論』と変えてまず書いた草稿です。

 (5)第3部第1編~第3編(1864年夏~12月) 第2部「流通過程」を飛ばしたのは、執筆するにはまだ研究不足と思ったからと思われます。

 不破氏は「私はここまでの草稿を『資本論』の“前期草稿”と見ています。なぜかというと、この次にマルクスは大発見をするのです」と述べました。

 それは、マルクスが1865年に第2部第1草稿を書く中で「恐慌の運動論」を発見したことでした。

 前期の草稿と後期の草稿と何が一番違うのか。それは、「恐慌の運動論」の発見により、資本主義社会がなぜ没落して社会主義社会に変わるのかという資本主義の没落論が大きく変わったことです。

 “前期草稿”では、マルクスは、リカードから引き継いだ「利潤率の低下の法則」を革命に結びつけて、利潤率が下がるから恐慌が起きる、そして恐慌が起きるから革命が起きるという「恐慌=革命」論に立っていました。

 ところが、新しい恐慌論は、恐慌は利潤率の低下から起きるのではなく、資本の再生産過程に商人が介入することが恐慌を引き起こすことになるというものでした。

 マルクスはこの大発見の直後に改めて第3部の残りの草稿を新しい構想で書き始めました。それから第1部を完成させ、次に第2部草稿を書いている途中で死を迎えました。未完成に終わった第2部、第3部は、マルクスの残された草稿をもとにエンゲルスが編集したものでした。

 マルクスの経済学の要は二つあります。第一は、なぜ資本主義が封建社会にかわって生まれ発展したのかを解明した部分で、マルクスはこれを資本主義の「肯定的理解」と呼びました。第二は、資本主義がなぜ矛盾が大きくなって次の社会に交代するのかを解明した部分で、マルクスはそれを資本主義の「必然的没落の理解」と呼びました。

 不破氏は「第2部第1草稿での新しい恐慌の運動論を軸にして『必然的没落』の理解がすっかり変わってしまった。このことを『資本論』の歴史を見るときにしっかりつかんでいただきたい」と強調しました。そして、これがその後の経済学の理論体系の大きな変更の転機となり、『資本論』を第1部とするそれまでの6部構成の構想から『資本論』1本に集約する新しい構想に変わったことを指摘しました。

 ところが、エンゲルスは大転換以前の第3部の初めの部分と発見後の後の部分を同じように考えて編集してしまうという大きな問題が残ったのでした。

直ちに新しい没落論へ

 この経済学上の理論転換は、マルクスが第一インターナショナル(国際労働者協会、1864年設立)の事実上の指導者としてヨーロッパの労働者運動の先頭に立った時期と、くしくも一致していました。

 マルクスはこういう実践活動に携わりながら、資本主義のもとでの生産手段の巨大な発展が次の社会の物質的土台を準備するとともに、搾取と貧困、抑圧の増大に対する労働者階級の闘争、「資本主義的生産過程そのものの機構によって訓練され結合される労働者階級の反抗」こそが資本主義の没落の推進力となることを解明し、経済的矛盾の深刻化と社会変革の任務を担う労働者階級の主体的発展の二つの面をあわせて視野に入れた資本主義の新しい必然的没落論を定式化したのでした。

 不破氏は「マルクスの実践的活動の発展と、この恐慌の運動論の発見による経済学の転換が同じ時期に行われたのは本当に不思議だと思うのですが、この転換をつかむのが『資本論』の歴史をつかむうえでは非常に大事なのです」と重ねて強調しました。

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(写真)新版『資本論』(新日本出版社)

2、エンゲルスの編集史と 後継者の責任

 エンゲルスは、残された第2部、第3部の膨大な草稿にもとづいて、『資本論』編集の仕事にかかりました。

 しかし、これは容易な仕事ではありませんでした。

マルクス流「象形文字」の解読 

 編集にとりかかるには、まずマルクスの草稿を解読する仕事がありました。マルクスの筆跡は「象形文字」といわれるほどの悪筆で、それを読めるのはマルクス夫人亡き後はエンゲルスだけでした。

 エンゲルスは病気に苦しみながら、ソファに横になりながら草稿を解読して読み上げ、特別に雇った筆記者にそれを筆記してもらい、夜、エンゲルスがそれに手を入れ清書しました。それは毎日5時間から10時間、5カ月の「難行苦行」(エンゲルスの友人への手紙)で、夜の仕事のために次の段階でエンゲルスを眼病で悩ます大きな原因となりました。

 第2部の編集は84年5月から始まり、1885年1月に完了しました。

10年かかった第3部の編集 

 第3部は1885年2月から口述筆記を始めて7月には完了しました。このとき、エンゲルスは第3部を読んで受けた感銘を各方面に書き送っています。

 しかし、編集作業の条件はさらに悪化しました。エンゲルスの体調の悪化に加え、視力の減退が始まりました。さらに、急速に発展しつつある各国の運動への援助のための全集で2000ページを超える手紙の執筆をはじめ、やむを得ない自身の著作や論説の執筆のほか、マルクスの著作の刊行などで、『資本論』に取り組むまとまった時間が取れませんでした。

 口述が終わり、1888年から第3部の編集が始まりましたが、編集は困難を極め、最後の2編を印刷所に送ったのが94年5月でした。10年近い歳月をかけて生み出されたのが現在の第3部で、これで、『資本論』全3部を世界が手にすることができるようになったのでした。

 その10カ月後、1895年8月、エンゲルスは死去しました。「まさに『資本論』に命をささげたといっていいと思います」(不破氏)

悪条件のもとでの編集作業 

 エンゲルスの第2部、第3部の編集作業は大変な悪条件のもとで行われたものでした。

 エンゲルスは草稿を手にするまでマルクスから内容を知らされていませんでした。また、残された草稿は第1部と同じように仕上げられたものだと考え、その一部にマルクスの理論的転換以前の古い見解が残っていることはまったく想定できませんでした。さらに『57~58年草稿』『61~63年草稿』を研究して編集に生かすことは不可能でした。

 不破氏は「こういう困難を極めた歴史的条件のもとでエンゲルスは最善を尽くしたと思います。その努力があったからこそ、『資本論』の全体像が後世に伝わることができました。これはエンゲルスならではの歴史的功績だったと思います。私は今回、改めてその全経過を振り返って、その意義を痛感しました。後の機会に、エンゲルスの苦闘の経過をまとめて紹介する仕事を自分の課題にしたい気になりました」と語りました。

 同時に、「こういう困難な条件の下で、エンゲルス単独の努力で行われた編集作業が歴史的限界をまぬがれないことは当然です。いくつかの問題点が残りました。今日、マルクス、エンゲルスの新しい完全版全集=略称『新メガ』の刊行で、90年代半ば以後には、諸草稿のほとんど全体を日本語で読めるようになりました。ですからエンゲルス編集の歴史的到達点に安住せず、その問題点を調べて解決するのは、新しい条件を得たわれわれの責任だと思います。その責任を果たしたのが、今回の新版の大きな特徴・成果だということを報告したいと思います」と強調しました。

3、現行版の編集上の問題点

資本主義の「必然的没落」論と恐慌論 

 エンゲルスの編集の現行版の最大の問題点は、現行の『資本論』への発展の起点となったと意義付けた第2部第1草稿における新しい恐慌の運動論が見落とされたことでした。

 エンゲルスは第2部の序言(1885年)に「第1草稿は、現在の区分での第2部の最初の独立の、しかし多かれ少なかれ断片的な草稿である。これからも利用できなかった」と述べています。確かに第1草稿は全体としては未熟さを大きく残したものでしたが、そのために新しい恐慌の運動論が見落とされてしまったのでした。

 そこから二つの問題が生まれました。

 第1は、マルクスが克服した「利潤率の低下→恐慌→社会変革」という古い没落論が第3部に残ってしまったことです。そのため、第1部で展開した労働者階級の闘争を軸にした新しい革命的な没落論が全面的にはとらえられないようになってしまいました。

 第2の問題は、新しい恐慌論の本格的な説明が欠けたことです。第3部第4編の「商人資本」論の中である程度の解明はあるのですが、「商人資本」の特殊な説明として受け取られ、読み過ごされる形になってしまいました。

 新版では、それぞれの箇所で、新しい恐慌論にかかわる必要な説明を「注」で行って補うとともに、第2部の最後には、マルクスが恐慌論の本格的な展開を予定していた箇所にかなり大きな「訳注」を立て、第2部第1草稿の恐慌論の全文を掲載して、マルクスの恐慌論の到達点を正確に示すことにしています。

そのほかの一連の問題

 そのほかにも、エンゲルスの編集の問題点として新版で解明した大きな問題があります。

 マルクスは、解決すべき新しい問題にぶつかった時、解決の方法を見いだすために、書きながら問題の入り口や道筋をいろいろ考えて試行錯誤を繰り返すことがよくありました。「蓄積と拡大再生産」(第2部第3編第21章)もその典型の一つです。

 新版では、独自の注を付けて、マルクスの試行錯誤の過程であることが分かるように工夫しました。

 また、マルクスは、ノートに書くときに、イギリス議会の議事録抜粋など別目的の文章を、本文と明確に区別して書き込む習慣がありました。ところが現行版では、本文と別目的の文章との区別に気が付かないで、全てを本文として編集してしまう場合がしばしばありました。

 新版では、『資本論』に入るべきではなかった草稿が部分的に入り込んでしまった事実が分かるようになっています。

未来社会論の取り扱い

 重要な問題として、第3部第7編第48章「三位一体的定式」の最初に近い部分にある未来社会論の取り扱いがあります。

 ここでマルクスは、社会における人間の活動を二つの部分に分け、社会を維持するための物質的生産に参加する時間を「必然性の国」、それ以外の自分が自由に使える時間を「自由の国」と呼び、自由の時間を持つほど人間は発達することができる、未来社会=共産主義社会ではみんなが平等に労働して労働時間が短縮され、みんなが豊かな「自由の国」を持つようになる、それがまた「必然性の国」に反作用して労働時間が短くなって社会は発展するという壮大な未来社会論を展開しました。

 ところが、この章全体は、「資本」が利子を生み、「労働」が賃金を生み、「土地所有」が地代を生むのは自然の法則だとする俗流経済学の批判にあてられたものだったため、未来社会論はこの章の性格と異質のものとして、この章の主題の中に埋没して、未来社会論としては読まれないという状況が続いていました。

 不破氏は「私たちも、新しい党綱領をつくるときに、初めてこの文章を発見しました。これほど重要な未来社会論が見落とされたのは、この章の編集の仕方に一つの原因がありました」と述べました。

 マルクスは草稿を書く時、その場所の本来の主題ではないことを思いついたとき、カギかっこ付きで書き込むことがよくありました。この未来社会論もこの章の冒頭にカギかっこ付きで書かれていました。ところが、現行版では、「三位一体論」批判の本論の間に未来社会論を置くということになりました。そのため、未来社会論の到達点が俗流経済学批判の中に埋没し、内容を理解されないまま、読み過ごされる結果となったのでした。

 新版では、未来社会論を、マルクスの草稿どおりこの編の冒頭において区別を付けて、その独自の意義の分かる訳注を付けました。

4、新版『資本論』刊行の 歴史的な意義

 不破氏は最後に、次のように語りました。

 「今年は、エンゲルスが『資本論』第2部を刊行してから134年、第3部を刊行してから125年にあたる年です。この間、日本でも世界でも『資本論』の多くの諸版が発行されてきました。しかし、エンゲルスによる編集の内容そのものに検討を加え、残された問題点を解決して、マルクスの到達した理論的立場をより鮮明にする、こういう立場で翻訳・編集した『資本論』の新版の刊行は、これまで世界に例がないものです。

 それだけに、私たちは当事者としてその責任の重さを痛切に感じています。

 私たちは、エンゲルスが十分に読み取る機会と条件のなかった『資本論』成立の歴史を、資料の面でもこれだけ明らかになった現在、この仕事をやりきることは、マルクス、エンゲルスの事業の継承者としての責任であり義務であると考えて、この仕事に当たってきました。そして、今回、発刊する新版『資本論』は、エンゲルスが資料も時間も十分に持たない中で行った編集事業の労苦に思いを寄せ、その成果を全面的に生かしながらマルクスの経済学的到達点をより正確に反映するものになったことを確信しています。現代の日本で、また広くは現代の世界で、マルクスの理論を指針として社会の進歩と発展に力を尽くそうとする多くの人々が、この新版『資本論』を活用していただくことを心から願って、私の話の結びとするものです」

コメント

私は、新版『資本論』の刊行によって、マルクスが到達した理論的立場の全体像が、奥行きをもって立体的につかめるようになったと思います。

2019-09-22 | 科学的社会主義の発展のために

新版『資本論』刊行記念講演会

「ルールある経済社会」と『資本論』――

新版『資本論』刊行によせて

志位委員長のあいさつ

 20日に東京都内で開かれた新版『資本論』刊行記念講演会での志位和夫委員長のあいさつ(全文)を紹介します。


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(写真)あいさつする志位和夫委員長=20日、東京都新宿区

 お集まりのみなさん、インターネット中継をご覧の全国のみなさん、こんばんは。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。今日は、私たちの記念講演会にようこそお越しくださいました。心からお礼を申し上げます。

 私は、主催者を代表してあいさつを申しあげます。

これまでの訳書を全面改訂―それを可能にした二つの条件

 新版『資本論』は、1982年11月から89年9月にかけて新書版として刊行されたこれまでの訳書を全面的に改訂し、日本共産党社会科学研究所の監修によって、刊行するものです。

 今月で、新書版の完結からちょうど30年になりますが、この30年間に、『資本論』の新版を刊行するうえで、新しい条件が生まれてきました。

 一つは、マルクスが残した『資本論』の膨大な草稿の主要な部分が、『資本論草稿集』などの形で日本語訳としても刊行されて、マルクス自身の研究の発展の過程を、私たちが読む条件がつくられたことです。

 いま一つは、その『資本論』の草稿の研究によって、エンゲルスによる『資本論』第2部・第3部の編集のたいへんな苦労や功績とともに、その問題点も明確となり、それを前向きに解決して、マルクスが到達した理論的な立場を、より明確にする条件がつくられたことであります。

 こうして、新しい内容をもった新たな版を準備する条件が整ってきました。

 新版『資本論』は、『資本論』の草稿の刊行と研究の発展をふまえ、エンゲルスによる編集上の問題点も検討・解決し、訳文、訳語、訳注の全体にわたる改訂を行ったものであります。

マルクスが到達した理論的立場が奥行きをもって立体的に――「ルールある経済社会」の基礎となる諸命題も

 私は、新版『資本論』の刊行によって、マルクスが到達した理論的立場の全体像が、奥行きをもって立体的につかめるようになったと思います。

 その内容は多岐にわたりますが、一例をご紹介したいと思います。

 日本共産党綱領は、当面する経済の民主的改革の内容として、国民の暮らしと権利を守る「ルールある経済社会」をつくることを中心課題にすえています。『資本論』には、私たちの綱領のこの方針の基礎となる大事な解明が、随所にちりばめられています。

“大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!”……」――資本への社会的規制が不可避になる

 たとえば第1部第8章「労働日」の叙述です。

 マルクスは、この章で、資本家が、より大きな利潤をくみ上げるために、労働者に非人間的な長時間労働を強要した当時のイギリス資本主義の実態を、公的資料を駆使して告発し、数々の有名な命題を引き出しています。

 私は、以前、2008年のリーマン・ショックの後に「派遣切り」が問題になったさいに、それを主題にしたテレビ番組に出演したときに(09年1月放送、テレビ東京「カンブリア宮殿」)、テレビ局の側から「『資本論』からの引用で一言でわかるものを紹介してください」という注文を受けまして、たいへんに難しい注文でありますが、次の命題を紹介したことを思い出します。

 「“大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!”これがすべての資本家およびすべての資本家国民のスローガンである。それゆえ、資本は、社会によって強制されるのでなければ、労働者の健康と寿命にたいし、なんらの顧慮も払わない」(新書版(2)464ページ)。

 この一文を読み上げましたら、司会で作家の村上龍さんが「マルクスはやっぱりいいことをいいますね。いまでも生きていることを」といい、女優の小池栄子さんが「マルクスといま初めて触れ合いました、私」とのべ、マルクスが現代に生きているということが、この一文で伝わったということを、とても印象深く心に残っています。

 資本は、最大の利潤をくみ上げるためには、労働者の健康や寿命に何らの顧慮も払うことなく、労働時間の非人間的な延長を追求する。しかし、そうなれば、労働者階級全体が精神的にも肉体的にも衰退し、社会全体が成り立たなくなる――「大洪水」がやってくる。その「大洪水」を止めるには、社会による「強制」によって、労働時間を規制するしかない。社会のまともな発展のためにも資本への民主的規制から避けて通れなくなる。マルクスは、このことを痛烈な言葉で語ったのであります。

「社会的バリケード」――労働者の自覚と、結束と、たたかいによってつくられる

 もう一点、こうした社会による「強制」は必然のものですけれども、それは自然につくられるものではありません。労働者の自覚と、結束と、たたかいによってつくられます。マルクスは、イギリスで1850年にかちとられた10時間労働法――最初の工場立法の意義について、イギリス労働者の「半世紀にわたる内乱」の結果だとして、つぎのようにのべています。

 「自分たちを悩ます蛇にたいする『防衛』のために、労働者たちは結集し、階級として一つの国法を、資本との自由意志的契約によって自分たちとその同族とを売って死と奴隷状態とにおとしいれることを彼らみずから阻止する強力な社会的バリケードを奪取しなければならない」(新書版(2)525ページ)。

 ここでマルクスのいう「自分たちを悩ます蛇」とは、資本による搾取・責め苦を指していますが、それに対して自分と家族、労働者を守るためには、労働者は結集し、「社会的バリケード」――新版では「バリケード」という大胆で印象的な訳がなされています――「社会的バリケード」、「国法」=法律によって労働時間を制限する工場法をたたかいとらなければならない。

 こうして『資本論』には、現代日本の私たちのたたかいを直接に励ます数々の命題があります。現代日本での労働時間短縮のための法的規制強化を求めるたたかいに、そのままつながる命題がのべられているのです。

工場立法の一般化は、未来社会にすすむ客観的・主体的条件をつくりだす

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(写真)志位委員長のあいさつを聞く参加者

 さらにもう一つ、『資本論』第1部第13章「機械と大工業」では、こうした工場立法が一般化すること――産業界全体に広がることが、社会変革にとってどういう役割を果たすかについて、大きな視野でとらえた次のような意義づけがなされています。

 「工場立法の一般化は、……新しい社会の形成要素と古い社会の変革契機とを成熟させる」(新書版(3)864ページ)。

 マルクスはここで、工場立法の一般化のもつ意義を二つの側面から解明しています。

 第一は、古い生産の諸形態をしめだし、労働過程の全体を「社会的規模での結合された労働過程」に転化することを促進し、「生産過程の物質的諸条件および社会的結合」とともに、資本主義の胎内で「新しい社会の形成要素」を成熟させるということです。

 第二は、工場立法の一般化によって、労働者に対する「資本の直接的なむき出しの支配」が産業全体に広がり、「資本の支配に対する直接的な闘争」を一般化させ、「古い社会の変革契機」を成熟させるということです。

 こうして『資本論』では、この工場立法を、社会変革の客観的条件――資本主義的生産のもとでの高度な経済的発展および矛盾の深まりという側面と、社会変革の主体的条件――労働者階級の成長・発展という側面の両方から、統一的にとらえています。

 わが党の綱領でのべている「ルールある経済社会」とは、資本主義の枠内で実現すべき目標ですが、それを私たちは「ルールある資本主義」とは表現していません。そのように表現しない理由について、2010年の第25回党大会への中央委員会報告では、「この改革の成果の多くは、未来社会にも引き継がれていくことでしょう」とのべ、次のように説明しています。

 「綱領でのべている『ルールある経済社会』とは、資本主義の枠内で実現すべき目標ですが、それを綱領で『ルールある資本主義』と表現していないのは、『ルールある経済社会』への改革によって達成された成果の多く――たとえば労働時間の抜本的短縮、男女の平等と同権、人間らしい暮らしを支える社会保障などが、未来社会にも引き継がれていくという展望をもっているからです」

 『資本論』でマルクスがのべた、「工場立法の一般化は、……新しい社会の形成要素と古い社会の変革契機とを成熟させる」という解明は、わが党の綱領のしめす「ルールある経済社会」という方針が、当面する民主的改革の中心課題の一つであるだけでなく、未来社会――社会主義・共産主義社会にすすむうえで、その客観的および主体的条件をつくりだす意義をもつことを、大きなスケールで描き出すものとなっていると、私は思います。

「恐慌の運動論」の発見はマルクスの資本主義観、革命論を大きく変えた

「ルールある経済社会」の基礎となる一連の解明は『第1部完成稿』で初めて行われた

 ここで私が、新版『資本論』との関係で強調したいのは、さきほど紹介した、第8章「労働日」での「“大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!”……」にはじまる命題、「社会的バリケードを奪取しなければならない」という命題をふくめ、際限のない労働時間の拡張が資本と労働者の関係に何をもたらすかということについての本格的な解明は、1866年1月~67年4月に執筆された『資本論第1部完成稿』(同年9月刊行)で初めて行われたものだということです。

 いわゆる『61~63年草稿』にも、これらの命題の萌芽となり、起点となる考察がのべられています。しかし、『第1部完成稿』では、それが階級闘争の生き生きとした歴史的叙述をふくむ大長編の叙述に大きく変わりました。そのことについて、マルクスはエンゲルスにあてた手紙で、「『労働日』に関する篇を歴史的に拡大した」「これは僕の最初のプランになかったことだ」(1866年2月20日)と書き送っています。

 さらに、さきほど紹介した、第13章「機械と大工業」でのべられている「新しい社会の形成要素と古い社会の変革契機」といった資本と労働者階級の発展過程を統合的、一体的に分析するということは、『61~63年草稿』にはない、『第1部完成稿』で初めてとられた方法でした。

 これらは、『61~63年草稿』から66~67年の『第1部完成稿』までの間に、マルクスの資本主義観に大きな転換が起こったことを示しています。

破局的な危機を待つのでなく、労働者階級のたたかいによって革命を根本的に準備する

 それは、マルクスが、1865年前半の時期に、恐慌論にかかわって大きな発見を行ったということです。

 この問題については、すでに不破哲三社会科学研究所所長による徹底的な研究、追跡、解明が行われています。

 すなわち、マルクスは、65年前半の時期に、それまでの恐慌が引き金となって資本主義を変革する革命が起こる――「恐慌=革命」説とよぶべき立場を乗り越えて、不破さんが「恐慌の運動論」とよんでいる恐慌論を発見しました。それは、資本の再生産過程に商人が入り込むことによって、再生産過程が商品の現実の需要から独立した形で、「架空の需要」を相手にした架空の軌道を走りはじめ、それが累積し、破綻することによって恐慌が起こるというものです。

 この新しい見方に立ちますと、恐慌というのは、資本主義が「没落」の過程に入ったことの現れではなく、資本主義に固有の産業循環の一つの局面にすぎず、資本主義は、この循環を繰り返しながら発展をとげていくことになります。歴史を見れば、事実そうなっていったわけであります。

 この「恐慌の運動論」の発見は、マルクスの資本主義観を大きく変え、革命論も大きく変えるものとなりました。すなわち、あれこれの契機から始まる破局的な危機を待つのではなく、資本主義的生産の発展のなかで、社会変革の客観的条件と主体的条件がどのように準備されていくかを全面的に探求し、労働者階級のたたかい、成長、発展によって革命を根本的に準備していく。これが革命論の大きな主題となりました。『資本論第1部完成稿』には、こうした立場にたった資本主義の「必然的没落」論が、全面的に展開されることになりました。

 さきに紹介した「ルールある経済社会」の基礎となる『資本論』の一連の諸命題も、こうした探求のなかで豊かな形で生みだされたものだと思います。その意義は、「恐慌の運動論」の発見がもたらしたマルクスの資本主義観、革命論の大きな発展の過程のなかに位置づけてこそ深くつかめるものだと、私は考えるものです。

マルクス畢生の大著を理解するうえで大きな意義

 エンゲルスが編集した現行版の『資本論』の大きな問題点の一つは、マルクスが「恐慌=革命」説を乗り越える前の古い理論が第3部の一部に残ってしまっているうえに、マルクスが1865年前半に、恐慌の新しい発見を叙述した『資本論第2部第1草稿』――「恐慌の運動論」をのべた部分については、エンゲルスが編集のさいに「断片的な草稿」で「利用できなかった」と扱ってしまったということにありました。

 新版『資本論』は、これらの問題点を解決するものとなっています。新版『資本論』では、第2部の最後に、「訳注」をたてて、マルクスが『第2部第1草稿』でのべた新しい恐慌論の全文を掲載するものとなります。新版では、これは第7分冊になる予定であります。

 こうして、新版『資本論』によって、私たちは初めて、『資本論』のなかで、マルクスの恐慌論の到達点の全体を読めることになりました。こういう形で世の中に出る『資本論』は、世界でも初めてのものだと思います。私は、昨日、メディアのみなさんに、世界で初めてのことだと紹介したところ、「それでは新版『資本論』を英訳や独語訳で発刊する予定はありますか」という質問を受けまして、なるほどと思いましたが、これは世界で初めてのものであり、独自の科学的価値をもつものになると思います。

 この到達点を理解することは、『資本論』が展開している資本主義論、革命論の全体を理解するうえでも不可欠であり、新版『資本論』は、私たちがマルクスのこの畢生(ひっせい)の大著を理解するうえで、大きな意義をもつものと確信をもって言いたいと思います。

 そのほかにも、後でお話があると思いますが、マルクスが未来社会論の核心部分を語った論述について、しかるべき位置に移し、その意義が明瞭になるようにするなど、新版『資本論』のもつ意義は、きわめて大きなものがあります。

 ぜひマルクスを学び、研究し、社会進歩の事業に役立てていこうと志す多くの方々が、新版『資本論』を手にとって、活用していただくことを強く願い、あいさつといたします。ありがとうございました。


 ◇不破哲三・党社会科学研究所長の講演の詳報は23日付、萩原伸次郎・横浜国立大学名誉教授と山口富男・社研副所長の詳報は24日付に掲載する予定です。

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