

“戦争は、どこから、やってくるのか”
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今年も8月15日がやってきた。マスコミは一斉に戦争特集をやっている。しかし、どの番組を見ても、戦争は誰が何の目的で起こそうと考え、戦争する法律をつくり誰が命令して、誰が宣戦布告をし、誰が得をして誰が損をし、誰が死ぬのか、誰が戦争を終わりにするのか、はっきりと言ってくれる番組はない。その答えを考え、知るために鳥井さんと話をした。
私が三重県にきて、友人になった元三杉町の議員・鳥井尚さんとお話した時,彼は「戦争はどこからやってくるのか」について、次のように話してくれた。 2024年3月3日のことなので数字や情勢は当時のものです。
お話を箇条書きにしても245項目にもわたるので、ゆっくり、深く考えながら、読んでいただければ幸いです。最後に、鳥井尚氏の略歴も載せさせていただいた。ご健在であり時々お会いしている。
第1話、なぜ、戦争が起こるのか。
1)、誰でも“カネもうけ”したくて、“カネもうけ”の道を進んでゆく。
“カネもうけ”の道が行き詰(づ)まって、戦争に進んでゆく。
2)、“カネもうけ”の道を、3つにまとめてみた。
1つめ、日常的に必要な生活商品で“カネもうけ”。
パンや服や自転車などの商品も市場(しじょう)にあふれて、行き詰まってゆく。
2つめ、税金で商売する公共事業で“カネもうけ”。
道路をつくったり、トンネルを掘ったり、橋を架(か)けたり。
これらも自然破壊まで進んで、やがて、行き詰まってゆく。
3つめ、兵器と兵士を消費する戦争で“カネもうけ”。
税金を使って兵器が売買され、失業者をつくって兵士を集める。
兵器と兵士を消費する。こんな、ひどい“商売”はない。
3)、人を殺しても、いけない。人に殺されても、いけない。
すべての話は、人の世の“生き甲斐(がい)”の話なのだ。
4)、“反戦平和”と“貧困追放(=生活防衛)”、この“2つ”の道を
自信と誇りをもって進むこと。これが人の世の“生き甲斐”なのだ。
第2話、機械が何でもつくる世の中になった。
5)、機械が何でもつくってしまう世の中がやってきた。
機械が人間の“仕事”を奪(うば)って、人間が失職する世の中がやってきた。
6)、機械の性能がよくなって、その機械が働き出して、商品は増えてゆく。
例えば、自動車は1世帯に1台が売れたら10年間は売れない。
日本の世帯数は、約5000万あって、10年間に5000万台、売れて、
1年間に500万台、売れて、これ以上は売れない。
7)、日本の大企業は国内が“ダメ”なら、国際市場での“カネもうけ”しようとする、
そのために、賃金を低くして“カネもうけ”して“資本金”を増やそうとする。
8)、今は、どの工場も、従業員を手“イッパイ”雇用してしまっているから、
どの工場も、従業員を新規(しんき)に雇用することはなくなってきた。
機械が人間の“仕事”を奪って、失職者の多い世の中になってきた。
9)、商品で“カネもうけ”できなくなったら、賃金を買いたたくしかないのか。
賃金を買いたたいたら、収入の減った民衆は商品を買わなくなる。
商品を売るためには、商品の値段を下げるしか道がない。
昨今(さっこん)は、靴下1足=100円で売っている世の中になった。
靴下100足を売っても、売り上げ1万円で、これでは商売にならない。
機械が靴下をつくってくるから、靴下の職人は失職してゆく。
10)、先例はアメリカだ。機械が人間の“仕事”を奪ってしまって、
失職者が増えてきた。アメリカの人口3億2000万人、その中で、
失職者2000万人、医療保険の未加入者4600万人、これがアメリカだ。
アメリカの野宿者56万人、日本の野宿者3500人。
アメリカの野宿者は日本の野宿者の160倍もいる。これがアメリカだ。
アメリカって大変な国だ。ところで、日本も大変な国になってきた。
第3話、田舎も失職者が増えて過疎になった。
11)、機械が人間の“仕事”を奪って、田舎の“過疎化”が進んできた。
80年前の、わたしの故郷=美杉村は、今は合併して津市美杉町になった。
美杉町は206平方キロ=大阪市とほぼ同じ広さ。その1%=200町歩が耕地。
200町歩の耕地の、その4割が休耕地。高齢化で耕作者が居なくなったのだ。
美杉町は3軒に1軒が“空き家”。3世帯に1世帯が“独り暮らし老人”世帯。
美杉町の人口は、49年前1975年=1万2075人、37年前1987年=9862人、
今は、2024年=3821人。50年間に美杉町の人口は、3分の1に減った。
80年前、美杉町には、小学校8校、小学校分校2校、中学校7校、あった。
今は、美杉町に、小学校1校、中学校1校。
2022年4月6日に小学生1年3人が入学した。美杉町全体で、たった3人。
昔は翁草(おきなぐさ)が咲いて梟(ふくろう)やホトトギスが鳴いていた。
今は、翁草も咲かない。梟やホトトギスも鳴かない。空気環境が変わった。
12)、わたしの田舎=美杉町には80年前は、いろんな職種が並んでいた。
桶屋、籠屋、鍛冶屋、飴屋、提灯屋、畳屋、下駄屋、、、、が並んでいた。
ところで、今は、これらの職種が消えてしまった。
今まで職人がつくってきた商品を、機械がつくってくるから、
これらの職人は失職して、消えてしまった。
わたしの田舎には、国鉄=列車=名松線の終着駅=奥津駅があったから、
宿屋が10軒もあった。名前を記録しておくと、
「魚伊」、「ふるさと屋」、「江戸屋」、「松阪屋」、「旭(あさひ)屋」、「中北屋」、
「井筒屋」、「倉田屋」、「十一屋」、「巽(たつみ)屋」、この10軒の宿屋があった。
今は自動車で行き来するから、これらの宿屋も、みな消えてしまった。
自動車で行き来するから列車の乗客も減って、終着駅は無人駅になった。
13)、昔から田舎にあったモノでも“カネもうけ”にならないモノは消えた。
“カネもうけ”の実現には、邪魔(じゃま)になる宗教も排除してゆく。
わたしの田舎=美杉町には、寺が10軒もあって、神社が10軒もあって、
寺に“坊さん”が10人も居た。神社に“祢宜(ねぎ)さん”が10人も居た。
寺には“寺納所(てらなっしょ)”と言って“坊さん”の生活費を、
寺の“檀家”が“お供え”してきた。わたしの寺の“檀家”は50軒ほどであった。
50軒の“檀家”が1軒の“坊さん”の生活費を出してきた。
神社についても寺と似た仕組みで“祢宜(ねぎ)さん”の生活を支えてきた。
今は、美杉町に“坊さん”1人、“祢宜さん”1人、居るだけになった。
第4話、機械でつくれない職種だけ、田舎に残った。
14)、木材の需要が減ってきて、製材工場を閉じ始めた。
80年前は、山林の村=美杉村の“稼ぎ”(職場)と言うと製材工場であった。
山から伐採してきた樹木を板にする作業であった。
川を堰(せ)き止めて、製材工場まで川水を引き入れて、川の水の流れる、
その“水力”で円形の鋸を回して、樹木を板にしていた。
そして、製材工場が村民の“稼ぎ”の場所であった。
ところが、今は、機械が働いて“水力”の製材工場は消えてしまった。
“稼ぎ”の職場が消えて、田舎の“過疎化”が進んできた。
戦時=1945年昭和20年、敗戦までに、大阪市、名古屋市、四日市市、
などの、民家や工場が、空襲で燃えてしまった。
敗戦後、その復興のために民家や工場の建築に、杉の木材の需要が増えた。
政府が補助金を出して、杉の植林を奨励した。
80年前、わたしが子どもだった頃、雑木林だった山。
栗を拾ったり茸(きのこ)を採ったりした、その雑木林には、
鹿や猿や雉の餌も多かったが、その雑木林が杉林に変わった。杉林に追われて、
餌を求めて、鹿や猿や雉が民家の近くまで降りて来るようになった。
杉林が広がって、杉林は、水分を吸い上げてしまうから、
杉林に、水分を吸われて、川の水量も減って、川の流れも細くなってきた。
15)、機械に“仕事”を奪われて、失職し“無職”の人が増えてきた。
“無職”の人の“暇つぶし”の“遊び”も増えてきた。
“遊び”の、パチンコ、カラオケ、ゴルフ、そんな施設が増えてきた。
16)、大工(だいく)、左官(さかん)、石工(いしく)、これらは結束して
“土木建設業”になった。機械だけでは道路や橋はつくれない。
“土木建設業者”が道路や橋をつくる。
機械ではつくれないモノだけ、田舎に残った。“4つ”だけ、田舎に残った。
“飲食店”、“お医者”、“床屋(とこや)”、“土木建設業”、この“4つ”だけ残った。
この“4つ”は機械ではつくれないから、田舎に残った。
17)、資本主義日本では、誰も彼も“カネもうけ”したくて動いてゆく。
“カネもうけ”したくても“仕事”を機械に奪われてしまった。
パンも飴も服も靴も、今では工場で機械がつくってくる。
猫の“餌”も機械がつくってくるから、猫は鼠を捕ることを忘れてしまった。
釣銭の勘定も機械がしてしまう。珠算学校も消えてしまった。
“無職”の人が増えて、世論が不安になったら、戦争が近付いてくる。
18)、1945年の敗戦までは、徴兵検査があって、男は満20歳になると、
徴兵検査を受けて、2年間、久居市の第33聯隊=軍隊に入隊した。
軍隊は、食べる、着る、寝る、みな保障されていて貧乏人には楽しかったようだ。
実弾の飛んでくる戦場に行かなくてよいなら、今も、失業者は
軍隊生活を待っているかも知れない。ただ、号令に従っていたらよいのだ。
明治30年生まれの父は「軍隊では読書する時間があった」と懐かしがっていた。
第5話、“カネもうけ”1つめ、日常生活商品。
19)、朝日新聞2017年10月5日号に「日本のバイクの生産は、
1980年250万台だった。2016年には34万台になった」とあった。
36年間で7分の1に減った。
20)、日経新聞2015年6月22日号に「パナソニック(松下電器)は、
テレビや洗濯機や冷蔵庫などの家電商品の売り上げは、売り上げ全体の3割に
なった」とあった。家庭電気器具は2000万台、売れるだけ。それで“お仕舞い”。
パナソニックは、今は、発電機や充電機を後進国に輸出している。
21)、日経新聞2017年6月19日号に「デジタルカメラの世界出荷台数は
2010年1億2000万台だった。2016年には2400万台になった」とあった。
6年間で5分の1に減った。
22)、日経新聞2017年6月23日号に「辞書が売れなくなった。
1998年280万冊、売れた。2016年には114万冊になった」とあった。
18年間で5分の2に減った。
23)、今はスマートフォンやパソコンで、写真を撮ったり漢字を調べたりする。
テレビを見ていたら、向こうから情報が届いてくるようになった。
本を買って読書する人が減ってきた。書店も減ってきた。
やがて、カメラも辞書も姿を消すかも知れない。
手紙を書かない。切手や葉書が売れない。“宣伝”の郵便物だけ増えた。
バイクも電気製品もカメラも、すでに民衆に行き渡ってしまった。
24)、鉛筆は1年に“2億”本、売れる。国民1人当たり1年に“2本”使うだけ。
ボールペンが売れている。万年筆を使う人が減ってきた。
25)、今は、機械が発達して生産力が高まり、商品が増えている。
商品は、市場にあふれていて、売れなくなってゆく。
26)、まず、食べ物で“カネもうけ”やってゆく。
1食100グラムの小麦粉、7勺(しゃく)のコメ、それで満腹。
27)、穀物は、1食100グラム、1日3食で300グラム、食べる。
1人1年間に、300グラム×365日=約100キログラム、食べる。
国民1億人は1年間に、100キログラム×1億人=1000万トン、食べる。
食料用の穀物は、これ以上は売れない。これで“お仕舞い”。
28)、ビールは、2014年に540万トン、消費した。
540万トン÷1億人=54リットル。国民1人54リットル、飲んだ。
大瓶(633ミリリットル)なら85本、飲んだ。
大瓶1本350円なら、350円×85本=2万9750円、飲んだ。
国民1億人で2万9750円×1億人=2兆9750億円、ざっと3兆円、飲んだ。
酒や焼酎の消費量は、それぞれ、ビールの消費量の10分の1、飲んだ。
29)、バナナは、2019年に104万トンを輸入。約100万トンを輸入した。
100万トン÷1億人=10キログラム。国民1人当たり10キログラム。
1本200グラムなら、国民1人1年間に50本、食べた。
30)、日経新聞2012年8月14日号に
「化粧品の売り上げ2兆円」とあり、国民の半分が女性であって、
女性の3人に1人が化粧すると、
化粧する女性は、1年に平均12万円の化粧品となる。
日経新聞の何日号か忘れたが「婦人服の売り上げ4兆円」とあった。
女性の3人に1人が婦人服を着ると、婦人服は1年に平均24万円にもなる。
第6話、“カネもうけ”2つめ、公共事業。
31)、資本家の“カネもうけ”2つめ、公共事業。
製鉄や自動車の産業なら設備費も大きい。資本も巨額。
公共事業は“土木建設業”である。“土木建設業”の道具は、
昔なら、ツルハシ、スコップ、モッコ、だった。
道路は、並みの商品のような調子ではないのだ。
靴や帽子や自動車や、そんな並みの商品は、工場の機械でつくられて、
そのまま、店先に運ばれてきて、店先に並べられる。
ところが、道路は、並みの商品のような調子ではない。
道路は、その道路を必要とする“現場”で“土木建設業者”が建設する。
ところで、地域住民の要求でもって道路建設が進められるのではない。
“土木建設業”の“カネもうけ”の要求が先にあって、道路は建設されてくる。
昨今は、地域住民の知らないうちに、道路建設が進められてゆく。
32)、公共事業は、鉄とセメントを消費する。
33)、昔々、ずっと昔、民衆は鉄を使っても鉄屑を捨てなかった。
磨滅した鉄の欠片(かけら)を溶解して新しい鉄の道具をつくった。
宮殿らしい遺跡から錆(さ)びた剣は出てくる。だが、民衆の住居跡から、
鉄屑は出てこない。溶解して新しい道具をつくったからだ。
古代から、鉄は非常に大切な資源だった。鉄やセメントの消費が増えた、
ということは“土木建設業”が増えた、ということだ。
34)、日本のセメント消費量。2001年度、6676万トン販売し、
ざっと、7000万トンのセメントを消費した。
7000万トン÷1億人=700キログラム=25キログラム袋の28俵のセメント。
国民1人当たり1年間に、25キログラム袋の28俵のセメントを消費した。
生コンクリートの出荷量“2億トン”という記事もある。
国民1人1年間に2トン。比重2・3、嵩(かさ)なら、約1立方メートル。
35)、鉄もセメントも、1年間の消費量は、約7000万トン。
穀物の消費量の7倍の重さ。ビールの消費量の10倍の重さ。
36)、世界のセメント需要は、「1948年=1億トン、1997年=5億トン、
2006年=25億トン、2009年=30億トン」という記事には“ビックリ”。
37)、日経新聞2011年6月30日号に「日本の公共事業費、2011年度の見通し、
として、政府部門17兆9600億円、民間部門25兆2600億円、合計43兆2200億円」
とあった。この中に、災害復旧関連事業2兆4100億円も含まれている。
38)、『議会と自治体』2003年11月号に「2002年日本の労働者6330万人。
その1割が建設業労働者、建設業労働者は618万人」とあった。
日本の労働者の10人に1人が建設業労働者で、約“600万人”。
39)、日本の、自動車産業の労働者550万人。建設業労働者600万人。
自動車産業の労働者より建設業労働者の方が多いのには“ビックリ”。
国家公務員58万人、地方公務員270万人。公務員は椅子に座っている労働者。
約“300万人”の公務員は直接には肉体的な労働をしていない。
40)、日本の公共事業費は1年間に、2020年度約6兆6000億円、と言う記事もある。
公共事業費は、道路建設費などだ。6兆6000億円÷1億人=ざっと6万円。
国民1人当たり1年間に“6万円”。公共事業が多いのには“ビックリ”。
41)、“土木建設業”の社長は中小企業も含めて、約50万人。
昨今の、小学校教師40万人、中学校教師25万人。それらと比べてみて、
“土木建設業”の社長の人数が増えてきて、あまりにも多いので“ビックリ”。
42)、公共事業費6兆円~50兆円、土木建設社長50万人、建設業労働者600万人。
社長1人当たり、1億円の事業費、12人の建設業労働者、となる。
1億円の事業で、その2割は、社長の“カネもうけ”だろうか。
43)、鹿島建設や大林組は、従業員は1万人を超えている。その売り上げは、
鹿島建設は1兆9485億円(2009年)です。大林組は1兆3414億円(2010年)。
44)、昨今では、生活必需品では、商売やっても“カネもうけ”にならない。
今では、“土木建設業”しか“カネもうけ”の“道”がなくなった。
45)、テレビのコマーシャルにも
「山を見るとトンネルを掘りたい。川を見ると橋を架けたい」とあった。
機械でつくれないモノ、それは“土木建設業”だけ。
鉄を約7000万トンも消費する。セメントを約7000万トンも消費する。
地方では、“土木建設業”しか“カネもうけ”の“道”がないのだ。
46)、しかし、公共事業も、自然破壊まで進んで行って、
やがて、公共事業も行き詰まってくる。
47)、生活商品にも公共事業にも行き詰まったら、
資本家集団は、こっそり、戦争を待っている。
戦争で“カネもうけ”するしか“道”がないのだ。
第7話、“カネもうけ”3つめ、戦争。
48)、資本家の“カネもうけ”3つめ、戦争。
どこかの国が攻めてくる、と“仮想敵国”を宣伝する。
ヒトラーは、外敵を宣伝して全体主義に統一して行った。
越後(=新潟県)の上杉謙信と甲斐(=山梨県)の武田信玄は
12年間も戦って、領地を守る必要を宣伝して、百姓一揆を抑えてきた。
今、北朝鮮もアメリカも日本も、危機状態を宣伝して兵器を売ってゆく。
戦争が起こらなくても、兵器を売って“カネもうけ”する。
49)、戦車1輌、10億円~15億円。今の戦争では戦車は役立たない。使わない。
戦車は富士山の麓や石狩平野に並べて置いてあるだけ。
自衛隊は戦車450輌も持っていて、その半分は三菱重工が生産したモノ。
50)、戦闘機1機、100億円~120億円。性能のよい飛行機を次々、つくってくる。
どの国も、今、開発研究しているのは、イージス艦。
51)、しんぶん赤旗2003年11月6日号に「日本は、
イージス艦(1365億円)6隻に増やす。ヘリ空母(1164億円)4隻に増やす。
空中給油機(257億円)4機に増やす」とあった。
日本の軍事費、今は5兆円、日本の財界は10兆円にしたくてたまらないのだ。
52)、産経新聞2010年7月25日号に「潜水艦1隻500億円。
潜水艦の寿命は16年」とあった。16年も経ったら退役となる。お払い箱。ゴミ。
53)、日本の兵器の商売(=自衛隊23万人の、その兵器の保有数)。
戦車1輌=約10億円(=8億円~15億円=自衛隊、450輌、保有)なら、
200万円の自動車を500人に売るに等しい商売だ。
戦闘機1機=約100億円(=100億円~120億円=自衛隊、324機、保有)なら、
200万円の自動車を5000人に売るに等しい商売だ。
潜水艦1隻=約500億円(=500億円~800億円=自衛隊、24隻、保有)なら、
200万円の自動車を2万5000人に売るに等しい商売だ。
航空母艦1隻=1200億円(=1200億円~=自衛隊、4隻、保有)なら、
200万円の自動車を6万人に売るに等しい商売だ。
イージス艦1隻=1365億円(=1365億円~2400億円=自衛隊、12隻、保有)なら、
200万円の自動車を6万8000人に売るに等しい商売だ。
兵器の値段は売り手の言いなり。値切られることのない商売だ。
54)、アメリカはイラク戦争で、クラスター爆弾を使った。
読売新聞2003年8月15日号に「日本で、クラスター爆弾を生産」とあった。
クラスター爆弾は、長さ2・3メートル、直径40センチ、重さ430キログラム。
200の子爆弾が、四方八方に飛び散って破裂する。
「クラスター爆弾を米国は自衛隊に売りつけてきた」とあった。
1990年から日本でもクラスター爆弾を生産している。
55)、日経新聞2019年1月19日号に「ロシアは2018年12月末、
音速の20倍の速さを誇る極超音速のミサイルシステム“アバンガルド”の
発射実験に成功」とあった。
56)、資本家集団は、しっかり、計算している。
戦争で“損(そん)する”なら、戦争反対を叫ぶ筈。
戦争で“得(とく)する”から、戦争反対を叫ばない。
みんなが戦争に反対したら、資本家集団は、どこで“カネもうけ”するか。
医療、介護、教育、この3つの道に向いてゆく。これは民衆の喜び。
57)、“カネもうけ”は混然(こんぜん)と複雑に、からまり合って進んでゆく。
“金融”の話になると、株式や債券など、複雑で目がまわる。
58)、戦争を「喧嘩の大きいモノ」のように思っている人がいるが、
それは間違っている。喧嘩は、自然界に、必ず“つきもの”だ。
大きな犬と小さな犬は、初めから“勝負”が決まっているから喧嘩しない。
大きな犬が、獲物を自分のモノにしてしまう。喧嘩にならない。
ところが、2匹の犬が“互角(ごかく)の力”なら、奪い合って喧嘩になる。
自然界に、喧嘩は“必ず”起こってくるモノ。
戦争は喧嘩とは違う。戦争は資本家集団が“カネもうけ”のために企てる。
59)、昔々、ずっと昔、人間は“嘘”を言わなかった。
狩猟する際に獲物の居場所を“正直”に知らせ合って、捕った獲物は、
みんなで等分に分け合った。“正直”に言わないと、みんなが“損”する。
だから、人間は、必ず“助け合って”生きるようになっていた。
60)、戦争での消耗品は、兵器と兵士。戦争になると兵器企業が喜ぶ。
兵器企業は“にっこり”。兵士は、戦死したり、餓死したり。
61)、しんぶん赤旗2005年1月26日号に「世界の戦費」が出ていた。
第1次世界大戦は6130億ドル(63兆円)。
ベトナム戦争(1955年~1975年)の戦費は10年間に6230億ドル(64兆円)。
イラク戦争(2003年~2011年)の戦費は9年間に2800億ドル(29兆円)。
ベトナム戦争で米国が使った爆弾も戦費も第1次世界大戦より多かった。
62)、アメリカは、2017年、419億ドル(=4兆4000億円)も兵器輸出して、
世界の兵器輸出の3割に相当し、世界の98か国に向けて輸出している。
アメリカの資本家集団は、兵器を売るために戦争を待ち望んでいるのだ。
第8話に続く