柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

食違

2023-01-19 08:27:34 | Weblog

福島原発事故の当時の社長や経営陣を被告にした刑事責任裁判、一度は不起訴になったものを強制起訴されての裁判、東京高裁は無罪の判決出しました。民事裁判(損害賠償裁判)は終わっていて13兆円というとても現実的とは思えぬ額の判決が出てます。だから余計に注目も向けられたことでしたが、争点はあの大津波が予見可能だったか否かということ、で判決は予見不可能というわけです。原告側は何年も前から大地震の予報が出されていてその際には大津波が来ると公表されていたのに準備を怠ったという訴えです。現実にあれだけの大被害を出したのです、結果論としてどうして用意してなかった?電源の備えをどうしてしてなかった?となりますわね。強制立ち退きさせられて身体的精神的二次的被害も甚大だったと、これもわかります。が、ここが民事事件と刑事事件との違いだとよく解説されます。民事事件は灰色でもアウトになるけれど、刑事事件は真っ黒が証明されねば罰せられぬと。刑事事件での勘所は故意か否かと予見可能性の有無だとはよく聞きます。交通事故での危険運転の定義であれだけもめるのも刑事罰に対する慎重さの証しでしょう。一方で民事は結構甘い(比べればです)。だから13兆円なんてどんな計算でどれだけ積み上げたんだ?と呆れる額で、とても支払えないですからね。でもこれで良しとしてる。法律の世界ではありますこれが。

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