柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

無常

2018-05-05 08:53:47 | Weblog
イチロー、事実上の引退ですね。こんな選手にもこの時が来る。スポーツ選手の常と誰もが知ってる事ですがその時が来ると周りは賞讃の嵐。TVも長尺、全国紙も紙幅を割きます。これでもかのヨイショがあり、野球の研究生なんて言葉で逃げずに日本に帰って来てオリックスで現役続ければいいのにという辛口も聞き、です。44歳。記録手繰れば50歳で現役ってのもいたのですが(中日の山本昌とか)、引き時ですね、こればかりは本人しか決められないし。大選手の引退時を思い出すに、あの長島も最後はゲッツーばかりで打順一番打ったりして痛々しかったですよ。金田は400勝を王者巨人で上げて、王は本塁打30本台でやめたのでしたね。村山、山本浩二、衣笠ら一つチームで終えた人達、一方で貢献したチームを追い出されて(クビになって)ボロボロになるまでやった人も多い、野村、江夏、張本。間違いなくイチローはこれらの人々に伍して語られるべき大選手です。でも会長付き特別補佐(漢字にすると明らかに閑職ですわね)って?アメリカ大リーグのこれでもかの実力社会契約社会で終身契約なんてはありえないこととの賞讃も聞くのですが、窓際じゃないの?窓際を終身で雇うような社会じゃないと専門家は尚擁護するように言うのですが、開幕当初のチーム事情で外野手の穴埋めを迫られた、客寄せのためにもこれ以上ない材が残っていた、で、派手にデコレートして契約した。案の定日本からの客も呼べた、そのうちに主力が帰ってきた、さてどうする。球団史上に残るリジェンドとあれだけ囃したてた手前、また殿堂入りが確実な選手をその辺のペーペーと同じようには扱えまい(アメリカにはこんな浪花節こそないのだと反論されそうですが)、自分から辞めて日本に帰ると言うてくれれば都合がいいけれどそうでもなさそうだ、ならば、の一策だったんでしょう。日本人気質も考慮して、でしょうねきっと。チームは来シーズンの開幕戦を日本でやると決めてます、客を呼ばねば(儲けねば)なりませんからね、ここを花道に、という下話なんでしょう。ドライな新自由主義の国ならばこんなことでしょう。誰もがイチローにはなれぬ。才能の話をする時にいつも喩えに出した人でした。元々の基礎値の高い人だから抜きん出た努力もできる、そこまで含めて才能だと、私の持論の根拠になる人でした。そしてこんな才能にも衰えは容赦なく訪れ、次代の才能に抜かれて行く。諸行無常なのであります。
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