原発停止で多額の貿易赤字が出るとしても、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である。福井地裁で出た大飯原発再稼働差し止めの判決文です。毎日の月曜日朝刊の連載コラムで、この文章を採り上げて褒めてます。土曜日夜にBSフジ(だったと思います、政治討論番組です)でも記者だかルポライターだかがこの文章のフリップ出して絶賛してました。ああ、こっち系の人はこういう文章に共鳴するのねと感心しました。国富、ですお察しの通り、この言葉に反応しているのです。アダムスミスの国富論が背景に浮かぶわけですね。市場の見えざる手とは関係のないことですが、「国富」との単語が響くんでしょう。その点この裁判官は上手く作文したわけでしたが。国富、ですか。こういう感情論ではだめでしょうにね。左ではない側の説にはゼロリスク至上では物事は進まないとの批判があります。国富と言う抽象に逃げてもダメでしょうけれどねぇ。じゃぁ、あなた達のよく言う国益ってのは抽象じゃないってのかい?と返されそうですが。賢姉賢兄諸氏、いかがですか。
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