柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

大国

2014-03-09 09:33:38 | Weblog
ウクライナ紛争、どうなりましょうか。アメリカ、EU側がロシアを抑えられるか否かの場面ですね。ウクライナの北西半分がEU側、クリミア半島含んだ東南部分にロシア系住民が多くいてロシア併合を望んでいるという関係です。ロシアに詳しい佐藤優氏が新聞に寄稿してましたが、話はそんな単純ではなくおなじみの民族、宗教がらみのズルズルだそうで、要はロシアのあの軍事介入、クリミアの保護国化が国際秩序を不安定化させるからいけないんだそうです。プーチンさんはあれは自警団だと言い、必要とあらば対応するなんて正式な介入を否定しませんからね。小国内の諍いに大国が力任せに介入する、それが今までの戦争の多くの原因だったわけです。その都度に大国達は内政不干渉とやらの綺麗事を並べてきたのですが、その実はこんなことです。あれこれ理屈を捏ねては干渉します、このロシアだけではありません、中国がチベットに、あの湾岸戦争の際のアメリカもそうですね。そういう力関係で世の中は回っているのです、パワーゲームです。だから持つべきパワーを備えておかねば大国の無体を受け容れるしかなくなるわけです。で、その大国です、中国が勝手に米中二大国論を唱えて、あろうことか太平洋二分論まで言い始めている現実です(そのための尖閣問題なのです、あそこを獲って次に沖縄をとれば太平洋にすぐ出られます)。今回のウクライナ紛争は対岸の火事ではないですね。大国(中国をそう呼ぶのは癪ですけれど)の無体は通ってしまうのですから。生活文化の違う国、政治文化、統治形態の違う国、具体的には日本のようないわゆる西側諸国の価値観、民主主義、資本主義、人権主義の通らぬ国に対してこっちも構えねばならぬのですね。お人好しにも程があると言うわけです、丸腰外交には。それでも戦争に巻き込まれずに、他国との紛争事に於いて一人も殺さず一人の死者も出さずに平和主義を(形ばかりは)貫いてこられたのは、中国などが後進国でいる間に世界の警察であるアメリカの後ろの付いて言いなりになって安全を得ていただけのことという評価でしょう。そのアメリカが今後アジアをどうしようかと思案しているのですね。中国の軍事力は看過できない、さりとて中国に呑みこまれるわけにはいかない。日本を橋頭堡にしようかと考えている時に、その思案中に日本が中韓にぶつかってくれるのは困るという意味での失望表明だったというのが西尾幹二さんの読みです。反米を表だって叫んできた勢力が、アメリカのこういう態度に途端に弱腰不安になって安倍さんを掣肘しているの図です。毎日新聞の論説委員はアメリカを怒らすな、靖国には行くな、中韓に謝れと、絵に描いたようなダブルスタンダード示して平気です。戦争できる国にするのか?なんてナイーブな理由を振り回すような国は中国に呑まれますよ。だから安倍さんは遅ればせながら体制を整えているわけです。民族紛争や宗教紛争はおそらく今の日本では起こりません、ですから喧嘩はやめてなんていうナイーブな文化が醸成された。それはそれで国内での暮らしには適当なのでしょうが、こと外人に対してはそうはイカの何とかだとの認識が要ります。まさかいきなり中国が東京にミサイル打ち込むなんてことはないでしょうが、そういう脅しこそが外交なのだということですね。北朝鮮を習え、ですか。小国の悲劇。日本はどっちです?大国じゃないでしょう?
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