柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

維持

2010-04-29 09:17:33 | Weblog
鳩山さん、この人の交渉術はおかしいですね。術なんて大仰なことでもなく、単に考え方がおかしい、順番がおかしい。徳田さんは一時有名な人でした、私と同業です、徳洲会という全国チェーン病院の頭として名を馳せた人です、議員にもなりました、徳之島の大買収選挙で有名でした、医療機器の購入は半値の六掛けなんて豪語してた人でした。鳩山さんが直々に会いに行ったという記事で久しぶりに見た名前でした、記事によると車椅子生活で言葉が不自由だということです、脳卒中患ったのでしょう、もうすっかり「過去の人」のはずです、そんな人に、昔からの知己であったにせよ、記事によればいまだ徳之島に影響力のある徳田さんに直々に会いに行くという行動や如何。八方塞がって、昔の権力者にすがってるという図です。口先八丁ですからあれこれ言い訳するのでしょうが、交渉手続きの順番が違うのは明らかです。腹案なるものを隠しに隠して、結局沖縄県外に移転できない、辺野古沖に滑走路を造るとやら徳之島に部分移転させるとやら、奥の手でも秘策でも何でもない、誰もが考えそうな、とうの昔に反対否定された案を今さらのように蒸し返す。記者会見しているのが徳田さんの次男で現役の衆院議員というのが、徳之島の(ここだけに限りません、日本中どこにでもある地盤・看板・鞄の継承です)今を物語ります。だから親父に直談判したのでしょう。長年積み上げ築いてきた権力構造の証明であり、政治はそれに依存するしかないという証明です。国会議員・首長・地方議員・選挙民というヒエラルキー、がんじがらめの地縁人脈利害関係、そして何より強いは社会的圧力を掌握していること、言うこと聞かぬと干すぞ!さらには簀巻きにしてフカの餌にしたろうか?コンクリート詰めにして沈めるぞ!という脅し。鶴田浩二や高倉健かが出てくる炭鉱町のやくざ映画のごときシーン。なんとも自民党的で笑ってしまいます。あなた方はそういう体質を糾弾し続けてきたのではなかったのか。そういうのを古い政治、密室政治と叫んできたのではなかったのか。一国の首相ともあろう者が過去の権力者にノコノコと会いに行くというのも情けないこと、またその場で即座にダメ出しされたというのも恥ずかしい話。男を下げるというのはこのことだと思うのですが、この人にはそういう感覚がないのでしょうか、それとも下げるだけの「男」がないのでしょうか。と、個人を謗っても事は解決しません。この男に解決できないことがはっきりしました。じゃぁ誰?小沢さんは起訴相当と判を押されて今は動けませんさすがに。じゃぁ誰?菅さん、やっと出番?でもこの男じゃもっとダメみたいに思いますね。社民党が連立離脱すると脅かしますが、こちらは大した「抑止力」にならないんじゃないですかね。国民も何の役にも立ってないことが分かってますから。国民新党は、亀井さんの小型のような議員が沖縄選出でしょう、亀井さんはこっちには何の興味もないからこの若い衆の言いたい放題です、でも亀井さんは郵便局がちゃんとなるまで(何がどうなったらちゃんとした処理なのかよくわかりませんが、少なくとも小泉への個人的復讐が終わるまでは)政権側にいなければなりません、こちらは簡単には連立離脱は言い出さないでしょう。夫婦別姓法案やら永住外国人への地方選挙権付与法案などへの反対急先鋒といしての存在は貴重ですから、外野としても亀井さんには国民新党には政権与党内にいて欲しいのです。でも何と言っても情けないのは自民党でしょう。これだけ民主党がボロボロガタガタになっているというのに、一向に反転攻勢に出られない。何のアピールもできない。俺たちに任せろ!と言えないんですかね。アメリカと交渉して信頼関係を先に築いてしまえばいいのに。鳩山さんが失着を重ねるごとに自民党の無策も強調されるという、皮肉や嘲笑ではない、正味の政治的危機ではないのでしょうか。つまり亡国の危機。自民党を嫌い民主党を選んだ皆様。中庸の如何に難しいかの実験はこれで終わりにしましょう。謙虚さや寛容を否定する「進歩的」リベラルには所詮破壊することしかできないのです。維持創造はできぬ業なのです。よくわかったじゃありませんか。
コメント
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