柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

空論

2010-04-02 08:08:44 | Weblog
北朝鮮の元書記、金日成金正日将軍様の懐刀だったという、韓国に亡命して一時有名になった黄さん、ワシントンで講演したという記事です。今さらに何を?という感じですが、日本人拉致事件についてこう言ってます、そのことは知っていたがささいなことだと。よく連中の言う、戦争中に朝鮮人が日本に連れて行かれた数に比べれば問題にならぬという理屈です。ささいなこと。なるほど。加害者と被害者とではもちろん考え方も感じ方も違うわけです、国柄の違い文化民度の違いは歴たるものです、一緒なら事件は起きません。このびっくりするような落差はですから仕方のないことなのですが、それにしても、ですね。どう反論してやろうかしら・・です。何とかは相手にできんぞ、というところで納めておくのが一番の策と最初に置いておきます。次善はいかに。理屈で押せるか。戦争中のことと平時の時のこととを一緒にはできまいという理屈は?こっちは平和の時代と思っていても、向こうさんがこっちはずっとアメリカ帝国主義と戦闘体制にあるなんて言われればそれで終わりですか。事実そう言い続けてますからね。あの時代は朝鮮は日本だったんだ、強制もくそもないんじゃないのか、徴兵は内地人も受けていたのだ、徴用や接収も同じようにあったのだ、なんて言うと、植民地化がそもそも気に入らぬし歴然たる民族差別のうちで行われた蛮行だという反論は聞き飽きた感すらあります。そもそも数で比較することじゃない、そういう行為自体の問題だろうと言えばどうですか。自分たちの過去の行為は全て正しかったとでもいうのかと返りましょうか。仕返ししてるだけだ、と言いたいわけです。お前たちがやってきたとことじゃないかと居直るばかりです。所詮は人の行動というものははそういう動機であるわけです。特に戦争なんてのはそうでしょう。ヒトラーを怒らせたのも第一次大戦の戦勝国の仕返しが契機でしょうし(ユダヤ人に対する異様な敵視という特別な要素もあるのですが)、スターリンが満州朝鮮に攻め込んで民間人を虐殺し何万人もの捕虜をシベリア抑留したのも日露戦争の仕返しだったというのは有名な話です。もう政治の世界から降りて久しい、力も何もない爺さんがこういう発言をする。そこには世辞も偽善も何もないのです、そう思っているわけです連中は。いけないことだとは知っていたが仕方なかった、なんて与太は言わないのです。ささいなこと、なのです。縁なき衆生は度し難し。暴力の連鎖とか仕返しの連鎖とか高見でものを言い続ける偉いさんたちの空論がどれだけのものなのか。私はもっとリアルに考えるべきだと思いますね。
コメント
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