昨日チラリと紹介したワインボトル画像(外見から推理するワインの産地)は、3月に東京ビッグサイトで開催された「FOODEX JAPAN 2023」のフランスブースで行なわれたセミナーで取り上げられたものでした。
ということで、フランスワイン でした。
セミナーテーマは、
「オリジナル、トレジャーワイン(革新的パッケージ、デザイン)の提案」
ラベルデザインがユニークなワインは今や世の中にたくさんあり、楽し気なもの、カラフルなもの、ギョッとする奇抜なもの等々、選ぶのに目移りするほど多彩ですよね。
わたしがワインを飲み始めた1990年代は、クラシックで伝統的なデザインばかりで、ラベルを見れば、どこのどんなワインなのか、だいたいわかりました。
Bdx Revolution Merlot 2022 Producta Vignobles
今は外見からは産地がわかりにくくなっていて、このワインはフランスのボルドーワイン(AOCボルドー)ですが、ボトルの形がボルドー型ではありませんし、ラベルにはよくあるシャトーの絵は描かれていません。
Producta Vignoblesはボルドーと南西地方の4つのテロワールのワインをつくる生産者協同組合です。
「Bdx Revolution Merlot」はボルドーのアントル・ド・メールのメルロ100%の赤ワインで、現代的なボルドーワインがつくりたい、というのがコンセプト。
監修者はデヴィッド・ホーネンで、ラベル右下にサインが入っています。
デヴィッド・ホーネンといえば、ニュージーランドのマールボロの「Cloudy Bay」(1985年)の創始者。
ソーヴィニヨン・ブランのワインを初めて飲んだ時の印象は鮮烈でした。
そのデイヴィッド・ホーネンがつくるAOCボルドーの赤ワインだなんて!
外観は濃いですが若々しく、新鮮で華やかな香り。
飲んでみると、やわらかいフルーツのジューシーな果実味のアタックがあり、ぷるんとしたプラムのようにハツラツとしています。
タンニンのキメは細やかで、スーッと入ってきます。軽やかさがあり、キレイなスタイルです。
清澄に卵白を使わず、Vegan対応しています。
ボトルをパッと見ただけでは、取り立てて特別という印象はありませんが、ラベルをよくよく見てみると驚かされるワインだと思います。
Baie des Singes 2021 MARS WINE STATION
オサルの絵がかわいいこちらのワインは、白(2021年)と赤(2019年)があります。
マルセイユを拠点とする生産者で、プロヴァンスのワイン生産文化をリスペクトしたワインをつくっています。
このワインは単にVdF(Vins de France)ですが、産地はプロヴァンス。
白はヴィオニエ主体で、ルーサンヌ、マルサンヌをブレンド。
赤はグルナッシュ、メルロ、シラーのブレンド。
農薬を使用しないビオロジック栽培で、醸造はステンレスタンク。
飲んでみると、白はフルーツ豊かで、トロピカルなニュアンスがあり、フローラルで、明るく、余韻に甘みを感じる心地よいスタイル。
赤は酸が若々しいですが、まろやかで、なめらか。飲みやすいスタイルです。
ラベルのおサルさんがキュートなので、そのかわいさを愛で、リラックスして楽しみたいワインだと思いました。
あと、干支がサル年の人には喜ばれそうです
Le FaÎte 2018 PLAIMONT
木の札がユニークなこちらのワインは、南西地方AOCサン・モンのPLAIMONT(プレモン)。
このAOCにひとつだけしかない生産者です。
使用ブドウはピナンク(フェル・セルヴァドゥー)。カベルネ・フランに似た特徴を持つブドウで、タンニンは中程度で酸は強め、鉄のニュアンスを感じることが多くあります。
色濃く、黒っぽく、アルコール14.5%もあって、味も濃厚そうな印象ですが、飲んでみると、酸のうまみがしっかりあり、熟成感もあり、飲みごたえのあるスタイル。長期熟成タイプです。
木の札がかかっているのは、地下カーヴのない時代、ボトルは地中に埋めて保存していましたが、紙のラベルだと土中で紙が汚れたり劣化したりして読めなくなってしまうので、ボトルの首に木の札を付けていたそうです。そのエピソードをリスペクトしています。
木の札はユニークで高級感もありますし、テーブル上で目を惹くこと間違いなし
中身はもちろんですが、ボトルの外がわの情報やエピソードも、ワイン選びの楽しいポイントです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます