2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻し、1年となりました。
日々ニュースで取り上げられていますが、侵攻から1年が経過し、改めて両国のことを考えると同時に、先日トルコとシリア国境で発生した大地震の被害の大きさと、シリア側の地域の不安定な情勢もあり、よりいっそう世界に目を向けることを意識するようになった人も多いでしょうか。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、日本ソムリエ協会によるウクライナワインセミナーが昨年5月に開催され、そのリポートはすでにアップしましたが、補足したい内容があります。
それは、「ウクライナの食」です。
セミナー講師を務めたウクライナ出身のバシュナ・アンナさんは、ウクライナの食についてもお話くださいました。
ウクライナの食といわれても、何があるのかまったく想像つきませんが、日本でもよく知られている「ボルシチ」は、実はウクライナの料理なのだそうです。
ボルシチはロシア料理と思っていた人が多いのでは?
ボルシチは、肉汁でつくる赤いビーツのスープ、ということですが、トマトも使うそうです。
牛の骨付き肉を煮込み、具材をたっぷりいれて、こってり味に仕上げるそうですが、仕上げにサワークリームをトッピングして、こってり感を抑えます。
ビーツの甘みとトマトの酸味に脂が加わってクリーミーな味わいと、サワークリームがバランスを取るスープです。
ボルシチはウオツカとも合うそうです。
現代では、辛口の赤ワインとのペアリングもオススメとのことです。
ちなみに、「サワークリーム」はウクライナの方にとっては大事なものらしく、
「何にでもサワークリームをかけます(笑)」と、アンナさんは言っていました。
そのアンナさんが、ウクライナで最も有名な国民食のひとつ、として紹介してくれたのが、「ヴァレーニキ」。
水餃子とラビオリの間のようなものだそうで、写真をみると、皮であんを包んでいる料理だということがわかります。
キャベツのトマトソース炒めを煮込んで小麦粉の皮に包み、サワークリームを添えると、酸と甘みのバランスがいいのだとか。
揚げてあるように見えますが、お湯でゆでています。
ウクライナでは、揚げ物はあまりないそうです。
「茹でる」、「煮込む」「焼く」のがウクライナの料理の基本とのことでした。
素材としてよく食べるのは「野菜」。
キャベツ、ビーツ、じゃがいも、人参、ズッキーニ、カボチャ、豆。
栽培しているひまわりから搾った「ひまわり油」もよく使います。
「肉料理」も多く、主に牛と豚。
牛肉のステーキをシンプルに塩とこしょうで。
赤身肉が多く、ベリーのソースをかけて食べるような感覚で赤ワインを飲む、という形もあるそうです。
鹿肉のバーキューに赤ワインを合わせることも。
ピノ・ノワール100%の赤ワインとのペアリングでアンナさんが紹介してくれたのは、
「サーロ」
イタリアのラルドのようなもので、豚の皮に近い部分で、脂がトロトロに甘く、塩味強めの豚肉加工品とのこと。
お酒のおつまみとして、ウオツカを飲む時につまんだり、と聞き、それはおいしいに違いない!と思いました(笑)
いくつか聞いただけですが、素材のうまみや甘みを活かした滋味深い料理が多いように思いました。
また、冬に食べたら身体が温まりそうな料理でもありますね。
食べてみたくなった方に朗報です。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、ウクライナから日本に避難されてきた方の受け入れ先のひとつとして、昨年9月、ウクライナ料理のレストランが東京・新橋に開店しました。
スタッフのおひとりが、今日の夕方のTVのニュース番組の中でインタビューを受けていました。
レストランの名前は「スマチノーゴ」
ウクライナ料理に和食の要素を加えた料理が食べられます。
また、ウクライナワイン、ウクライナの隣国モルドヴァ、黒海沿岸のジョージアのワインも提供しています。
店のHPには、月替わりで提供しているワインリストが載っていました。
興味ある方はお出かけしてみてください。
私も近いうちに行ってみたいと思っています
昨年のロシアの侵攻直後は、この状況がこんなに長引くとは思っていませんでした。
まだ先が見えませんが、できるだけ早い平和的解決を心から願っています。
スマチノーゴ
東京都港区西新橋1丁目19−8 虎ノ門ビル 2F ACN
https://www.smachnogotokyo.com/
[参考]
ウクライナのワイン
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/22ce62c63a9175d250dcc674cdb6345c
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