年末年始はアルコールを飲む機会が多いと思います。
特に今回は、外ではなく自宅で飲む人が多いでしょうか。
いつものお気に入りを楽しむもよし、せっかくだから少し贅沢なものや、ちょっと気になっているものを選ぶ場合もありますよね。
私は、秋の会津フェアで買った中から「末廣 伝承山廃純米酒」を今年初の晩酌に選びました。
末廣 伝承山廃純米酒 (福島県会津若松市) 720ml
過日に飲んだカップ酒「末廣 DR.野口カップ」の末廣酒造の山廃純米酒です。
野口カップが気に入ったので、こちらも期待できそうです。
「世界燗酒コンテスト KAN SAKE AWARD 2020 金賞」というボトルネックが付いていました。
ということは、お燗でおいしく飲める酒なんですね。
精米歩合は60%、アルコール度数は15度。
イチオシの温度帯は、ぬる燗(25~40℃)とあつ燗(40~55℃)で、冷やしすぎない(0~5℃)以外なら、冷や/常温(5~10℃/10~25℃)でも楽しめるみたいです。
例によって、温度を変えながら飲んでみました。
まずは冷たい状態で飲み、そのまま室温に上げていきます。
温度が低くてもおいしく飲め、イクラや数の子には温度低めの方が合うように感じました。
そのまま放置した常温もいいですが、もう少しメリハリをつけて飲みたいかも、と思ったので、お燗をしてみました。
熱めの温度まで上げ、だんだんと冷ましながら飲んでいきます。
熱いなぁと思う温度だと、少しピリッと刺激がありました。アルコールも強めに感じます。
飲んでいて落ち着くなぁと思ったのは、体温からぬるめのお風呂の温度くらいで、口当たりが丸くやわらかく、甘みも一番出るように思いました。
温度に関しては好みによって分かれると思いますが、お燗する方がおいしく飲めるタイプで、温度はあまり高すぎない方が、ほっこりと楽しめるのではないでしょうか。
この酒は「山廃純米酒」。「山廃」(やまはい)というのはよく見ますよね?
私は日本酒の製造にはまったく不案内で、説明を読んでもなかなか理解できないのですが、私同様に日本酒に不案内の方向けに説明すると、
「山廃造り」とは、日本酒造りに必要な乳酸菌を最初から育てる「生酛造り」(きもとづくり)がベースになっている製法ですが、本来なら行なう「山卸」(やまおろし)という作業を廃止した造り方なので、「山卸を廃した=山廃」と名付けられています。
「山卸」は、蒸した米を櫂棒で細かくすり潰す作業で、米を溶かす時間を早めるために行なわれます。
山卸をしないから手抜きということではなく、しないことで時間がかかり、別の変化の過程を経ることになるので、また違った風味を持つ酒になるようです。
乳酸菌を位置から育てる「生酛造りの酒」は、香味豊かで複雑な味わいになるので、「山廃」にも生酛造りの特徴が見られるようで、この「末廣 伝承山廃純米酒」も、シンプルというより複雑味&コクのある酒に仕上がっていると思います。
「末廣 伝承山廃純米酒」は、ずっとお正月の料理と合わせてきましたが、今日は牛すね肉のシチューを作り、最初は肉に合わせて赤ワインを飲んでいたのですが、日本酒でもいいんじゃない?と思い、合わせてみました。
すると、赤ワインが可愛そうになるくらい、すね肉シチューと末廣が合いました!
赤ワインよりも末廣の方が濃厚でうま味があり、すね肉と相性バッチリ
まろやかな甘みと軽快でやさしい酸味が良い感じでした。
「末廣 伝承山廃純米酒」720mlサイズのお値段は、1,155円(税込み)ですよ?
元日から4日かけて飲んだので、1日あたり288円。
断然、こっちでしょう!
カップ酒の野口先生も好きでしたが、山廃純米酒のコスパは素晴らしいと思います。
ワインしか飲まない、という方も、今こそ日本の酒の素晴らしさを知る時期じゃないでしょうか