ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ハーフボトルワインのススメ

2016-12-26 16:30:07 | ワイン&酒
クリスマスが終わり、年末年始のイベントのひとつの山を乗り越えた、といったところでしょうか。
でも、まだまだ忘年会があったり、家での年越し、新年と、胃腸を酷使する時節でもあります(笑)

そんな中、先日、ハーフボトルワイン会 をこじんまりと開催しました。
家で飲むにはもったないハーフボトルワインが何本かあり、そろそろ飲んでみたいと思ったのです。



左から)
1992 Chateau Lumière 赤(Japan, Yamanashi)
2004 Malterdinger Spätburgunder "R" Bernhard Huber (Germany, Baden)
2001 Ch. Gaudet- St. Julien (France, Saint-Emilion)
2005 Darioush Cabernet Sauvignon (USA, Napa Valley)
2009 Luce (Italy, Toscana)

ハーフボトル375mlは5本用意。
メンバーは私を含めて4名。レギュラーボトルなら8人で飲む換算になります。

六本木の「ル・クール」さんにワインを持ち込ませていただきました。
メンバーの一人から、ブラインドで飲んでみたいというリクエストがあったので、店のオーナーにお願いして、ドイツのシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)を除いた4本をブラインドで出してもらうことにしました。

その前に、アルゼンチンのスパークリングワインでのどを潤します。


Saint Felicien Nature Catena Zapata (Argentina)750ml

シャルドネ80%、ピノ・ノワール20%、瓶内二次発行18カ月のスパークリングワインで、3年前にアルゼンチンのワイナリーを訪問した際に入手したものです。
標高が高いUco Valleyの畑のブドウを使っています。バックラベルには1470mとありました。
味わいは軽く、繊細。最初は閉じていますが、だんだんと開き、甘さ、ふっくら感が出てきます。酸はおだやかで、やさしく、キメが細かく、キレイなスタイル。エスプリ系。



その次は、12年熟成のピノ・ノワール。


2004 Malterdinger Spätburgunder "R" Bernhard Huber (Germany, Baden)

12年経っているのに、若いなぁと感じました。
軽やかだけれど、スパイシーさもあり、ほっこりとしたあたたかみがあります。
ブルゴーニュのミュジニー的?という声も。



このワインは、パテ、黒コショウとよく合いました。

2004年ヴィンテージは、ちょうど私がこのワイナリーを訪問した年。
当主のベルンハルトさんにご対応いただきましたが、大変残念なことに、ベルンハルトさんは2014年6月に55歳の若さで亡くなられました。
1987年にワイナリーを継ぎ、ドイツ・バリック・フォーラムのメンバーとして、ドイツワインをバリック樽で熟成させることを推進し、とりわけシュペートブルグンダーの品質向上に貢献されました。惜しい方を亡くしました。



シュペートブルグンダーの後は、いよいよ4種をブラインド。



1杯目は色濃く、若いし、カベルネっぽいから、ナパのダリオッシュ2005(Cabernet Sauvignon 83%、 Merlot 12%、Cabernet Franc 3%、 Malbec 2%)?
でも、キレイでエレガントだから、サンテミリオンのゴーデ・サンジュリアン2001(Merlot 80%、Cabernet Franc 20%)も捨てきれない…



(参考) Ch. Gaudet-St-Julien@「キャッチ The 生産者」コチラ

モヤモヤを残しつつ、2杯目を飲むと、カカオやトーストなどの甘い香りがムンムンで、コーヒー系の濃密な風味があります。タンニンがなめらかに溶けこみ、チョコ、アーモンドのニュアンスがあるから、これはニューワールドでしょう。これは間違いなくダリオッシュ



3杯目は非常に黒い。口当たりがなめらかで、とってもジューシー。みずみずしい旨みが、じわーんと口の中に広がり、これは素晴らしくおいしい。これはサンジョヴェーゼ主体のルーチェ(Sangiovese、Merlot)に違いありません。



4杯目はとてもクラシックなボルドースタイル。これまで飲んだ中では、おそらく一番古いはず。でも、ルミエール1992(Merlot、Cabernet Sauvignon)は24年経過していることを考えると、24年とは思えない若さを感じます。でも、ゴーデ・サンジュリアン2001か?というと、1杯目の方がやはり若いですから、こっちこそがルミエールでしょう。





オープンすると、結果はドンピシャ。
間違えようがないブラインドだったかもしれませんが(笑)

今回は、7年、11年、12年、15年、24年という熟成を経たワインであり、ハーフボトルだから熟成感をもっと感じるのでは?と予想していました。
が、飲んでみると、もちろん、いい感じに熟成を重ねていますが、どれも若さが残っていたのが驚きでした。
ハーフボトル会、ハマりそうです(笑)

ハーフボトルはかさばらないのでストックしやすい点と、あれこれ飲みたい時にも便利なのがポイントです。
2人でレギュラーボトルのワインを2本開けるのは大変ですが、ハーフサイズなら、レギューラー1本分で2種類飲めます。
当然、価格も安くなります。

ワイン選びの際には、“ハーフボトル”という選択肢があることを覚えておくといいでしょう。




白子



今回もごちそうさまでした&お世話になりました



カジュアルシャンパンダイニング「Le Cœur」 ル・クール
東京都港区六本木7-9-5 森長ビル2F
http://www.lecoeur-roppongi.jp/

コメント
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