お気楽ボランティア日記

楽しみながら、ボランティア   広がる、人の輪

映画「私を生きる」

2012年01月25日 | 映画・演劇・本
 つらい映画だった。

 ある意味、正視できない映画だった。

 小・中・高の三人の教師の闘いの映画。現状に問題を感じて、仲間と共に権力に対して敢然と立ち向かう・・・という、勇ましいものではない。

 ただ、教育の場で国旗・国歌を強制され、それに従うことに違和感を感じて闘わざるを得なかっただけ。

 かつての私自身の姿でもあった。ただ、私の場合は三人のように徹底していなかったし、共に闘う仲間もいたしで、あそこまでの迫害はなかった・・・

 私はとうとう一度も「君が代」は歌わなかった。しかし、起立はした。卒業生を担任したとき、最前列にいるのに立たないわけにはいかなかった。

 私が教師になった頃、職員会議はまだ最高議決機関だったから、職員会議では活発な議論が展開された。(時には校長がごり押しすることが無いではなかったが)

 国旗・国歌の扱いについても話しあった。
 卒業式は、式場を子どもの作品や花などで飾り立て、歌や呼びかけでいっぱいの子ども中心の式をフロアー形式で全学年参加で行ったっけ。みんなの気持ちが同じ方向を向いていたから闘えた。

 けれども、教員をやめる頃の職場はもうひどかった。組合も有名無実みたいな存在で、職員会議でも誰も発言しなくなっていた。ただ上意下達の場に過ぎなくなっていた。

 職員室はお互いの実践の交換や、児童指導の情報交換の場だったのに、世間話の場になっていった。若い教師達はなぜ国旗・国歌に反対するのか想像すら出来ないようだったし、組合にも入らない人が増えていった。

 そんな中で、闘って、処分を受けた先生達。中途半端だった私は恥じるばかりだ。

 三人の先生達は、教育実践者としても素晴らしかった。私の周囲でも、不当権力と闘う先生達ほどその実践力も高かった人が殆どだった。独創的な授業に目を見張ることが多かった。・・・今、学校はどうなっているのだろうか?

 

 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする