拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

Shall we ダンス?

2022-11-25 12:06:26 | 音楽

古い録画の移行作業の際、常に傍らにはりついているわけではない。機械にやってもらってる間にほかのことをしている(家電は私にとってR2-D2である)。だが、時折、見入ってしまうものもある。

例えば、「Shall we ダンス?」。この映画を見て社交ダンスを始めようなどとは露ほども思わないが、自分のやってる歌や楽器に置き換えてみると身につまされる話であり、前に見た映画なのだがあらためて全部見てしまった。ところで、劇中に「木本先生と舞さんはできてる」という台詞がある。この「できてる」はなかなか多義な言葉である。整理してみよう。
意義1。「完成した」。上記の台詞をこの意味で解すると「木本先生と舞をサイボーグにするための改造手術は完了した」みたいな感じになる。
意義2。「人格が優れている」。これだと上記の台詞は「木本先生と舞さんはいい人」になる。
意義3。「男女の関係にある」。私のようなお子ちゃまには理解の及ばない語意であり、口にするのも恥ずかしいが、敢えて「できてる」をこの意味で使って、この映画の監督とヒロインの関係を言うならば、制作当初は二人はできてなかったが、いつの間にかいい仲になり、公開してすぐ結婚した、ということになる。

それから20年くらい前の某フィルのニューイヤー・コンサート。これをリアルタイムで見てないってことはあの年だ。私が元旦からの一週間、ドイツを旅行した年で、元旦からユーロが導入された年。すぐにはユーロは浸透しないだろう、ってことでマルクを持っていったのだが、フタを開けると一斉にユーロに切り替わってる(さすが、ドイツ)。やむなく、ドイツの銀行で、手にいれたばかりのマルクをユーロに替えたのを覚えている。で、件のコンサートは留守録にしていたのだが、見る機会を逸し、そのうちビデオが行方不明になっていたのだ。それが出てきた。これもご縁である。見てみる。指揮は世界の某(「世界の王」ではない)。いつもの通り拍子を細かく指示している(橋田壽賀子の脚本を思い出す)。曲は弾いてる奏者の方が百も承知なのだから細かく振ったら逆にうざったいんじゃないかな。それよりも、中継したNHKがゲストに呼んだ映画監督の話が面白かった。世界の某がどれだけ家族思いか、ってことを言いたくてした話なのだが、当該指揮者の娘さんに大学でボーイフレンドができたとき、当該指揮者は心配のあまり大学の学食に一日張り込んでどんな男がやってくるか見張っていた、という話である。NHKで言う話かって気がしないでもないが(あくまでも映画監督は美談として話している)、私としては、この話を聞いて、妙に納得した別件がある(飲み屋で話そう)。だから、今回このビデオを発掘した甲斐が多いにあったと思っている。