3月2日(日)に高台寺の夜咄茶会へ行きました。
松原通の松寿軒のおかみさんに薦められ、
ちょうど横浜から上洛した茶友Hさんと初めて参加しました。
1月17日~3月2日の金土日に開催していたそうで、
最後日の、最終の茶席でした・・・間に合って良かった!
「明歴々露堂々」 江南和尚
夕方、Hさんと待ち合わせ、先ず高台寺本堂を見学しました。
通常は霊屋(おたまや)に祀られている豊臣秀吉と高台院(ねね)像が
修理され、本堂に在るので特別拝観中でした。
きれいに修復されていましたが、私は前の彩色が剥げかけた像の方が
落ち着きと威厳があって好きです・・・。
先に点心席と喫茶席へ廻ることになり、掌(しょう)美術館へ寄りました。
高台寺付属の小さな美術館ですが、身近に高台寺のお宝を見ることができます。
霊屋の厨子のなか、拝観できない小さな持仏像が展示されていて、ラッキーでした。
点心を食しながら、同席のHさん、馬場さんとつい、お話が弾んで、
石塀小路の喫茶席へ滑り込み、最終の茶席へ間に合いました(ふぅ~)。
茶会は約30名の大寄せですが、蝋燭に照らされた茶席は落ち着きがあり、
和やかな雰囲気でした。
薄茶を2服頂戴し、最初は耀変天目茶碗、2椀目は五七の桐絵の数茶碗でした。
五七の桐の中に数碗、五五の桐絵があるそうで、Hさんが大当たり。
こんな茶碗の楽しみ方もお席が盛り上がって好いですね。
さすが高台寺、素晴らしい蒔絵の茶道具が満載でした。
炉縁は菊桐蒔絵
水指は高台寺蒔絵・菊桐手桶(六代宗哲)
茶器は菊桐棗(蓋裏は花筏、立上りは楽器づくし)(宗植作)
茶杓は金銀ひさご(義的作)です。
一番のお気に入りは手あぶり、乾山写梅ノ絵。
まるく温かく、撫でてあげたいくらい可愛らしく、
遠目には乾山さんがいらっしゃるようでした。
菓子は大好きな「下萌え」(松寿軒)、薄茶は建久の白(祇園辻利)でした。
夜咄茶会のハイライトは茶会後の夜の庭園散策でした!
ライトアップされた境内を開山堂、霊屋、そして笠亭と時雨亭まで上り、
京都の夜景を楽しみました。
遺芳庵 時雨亭
灯りの点った遺芳庵の吉野窓の美しさ、石灯籠の蝋燭の揺らぎ、
・・・でも息を呑んだのは、開山堂前の臥龍池でした。
葉を落とし、白い木肌を池の面に映し出した樹木が
なんと神々しく美しかったことか!
池の面を見ていると、すーっと吸い込まれていきそうな感覚を覚え、
怖いくらいです。
桜紅葉も青葉もない、素の木々、
凍てついた冬の夜だからこそ味わえる、
高台寺の庭の魔力にみんなで魅せられてしまいました。
何度もいつまでも見ていたい・・・。