麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第702回)

2020-07-12 21:37:55 | Weblog
7月12日

ドストエフスキーの「分身(二重人格)」と「完訳 聊斎志異第2巻」(ともにキンドル版)を、それぞれ100円(発売記念価格)で買いました。「分身」は30歳の頃、小沼訳で一度読んだきりですが、強烈に印象に残っています。しかし、いまはその2冊は置いておいて亀山訳の「白痴」を読み始めました。ご存知のように、「罪と罰」執筆と「白痴」執筆の間には、速記者である二番目の奥さんとの結婚があり、後者以降、長編は口述筆記になるわけです。つまり、痔疾を抱えながら作家が座って書いたのは「罪と罰」が最後なんですよね。以前に増して文体が饒舌になっていくのも、大きな理由はそこにあると思います。いまはまだロゴージンとレーベジェフとの出会いから、エパンチン将軍家を訪ねる、最初の20~30ページぐらいのところですが、すでにちょっと涙が出ました。ということはいい訳なんだと思います。最後まで読んだらたぶん4回目ということになると思います。読めるかどうかはわかりませんが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする