麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第600回)

2018-02-19 00:03:16 | Weblog
2月18日

ディケンズのクリスマス・ストーリーズ「柊(ひいらぎ)屋」を読みました。主人公は、婚約者が実は自分の友だちを愛しており、彼もまたそうだと知って身を引いて消え失せようと旅に出るが、その旅の途中豪雪で柊屋という宿で立ち往生してしまう。――すねたような、ロマンチックな設定が見事ですね。しかし、途中からいろいろな宿屋での回想がメインになり、ディケンズの怪奇趣味が前面に出てきてちょっと面喰らいました。一番すごいと思ったのは、雪の中を馬車で旅する、その描写。まるで主人公と同じ馬車に乗り合わせているような気分になれました。やっぱりすばらしいですね。ひさしぶりに「大いなる遺産」でも読んでみようかな、と思いました。
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