麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第316回)

2012-02-26 12:02:12 | Weblog
2月26日


「悪霊」(新訳文庫)を頭から読みなおしはじめました。現在二巻の途中。
通読すれば4回目。今回、一巻で、これまでより印象に残ったのは、キリーロフの登場シーンと、レビャートキンとワルワーラ夫人のやりとりです。とくに、“妹(じつはニコライの妻)がワルワーラ夫人の前に姿を現した理由は言えない”というレビャートキンに対し、夫人が「どうして?」と聞き、答えをはぐらかした彼を責めたときの、レビャートキンのせりふ。

「『どうして?』に答えなかったですと?」(中略)「この『どうして?』ってやつ、ちっぽけな言葉のくせして、天地創造以来、全宇宙に充満しておる言葉で、奥さま、自然全体がひっきりなしに創造主にむかって叫んでおるわけです、『どうして?』とね。で、答えを得ることができないまま、七千年が経つわけです」



すばらしいフレーズ。

では、また来週。
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