麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第188回)

2009-09-12 14:45:26 | Weblog
9月12日


立ち寄ってくださって、ありがとうございます。

今週は、おおげさにいうと、本代で破産するかもしれないというくらいいろいろな本が(全部文庫ですが)出ました。

まず、光文社の古典新訳文庫から、
コンラッドの「闇の奥」、フィッツジェラルドの「グレート・ギャッツビー」、ダーウィンの「種の起源」、バルザックの「グランド・ブルテーシュ奇譚」が出ました。「闇の奥」は待ちに待った新訳。現在、読了手前です。

それから、以前ここで報告した「ボヴァリー夫人」(河出文庫)の訳者の手による「感情教育」が同じ河出文庫から出ました。「出ればいいのに」と思っていたので本当にうれしいですね。

また、ちくま文庫からは「源氏物語」の第5巻が、さらに小学館のファンタジー文庫から、高橋健二(ヘッセの訳で有名ですよね)による「完訳アンデルセン童話集第一巻」も出ました。

簡単な感想としては、「ギャッツビー」は、ちょっと読みにくい。とくに会話がひっかかってしまって読みすすめられない。正確さはより徹底されているのでしょうが、いまのところ、この訳はおすすめできません。やはり、村上訳のほうがよいと思います。

「種の起源」は、とても読みやすい。岩波文庫は退屈ですぐに挫折しましたが、もともと当時のベストセラーだったのだから、原文はもっとおもしろく読みやすいのでは、と思っていたのが、そのイメージどおりに訳されている感じです。

バルザックは楽しみにとっておくつもりです。「感情教育」は、30歳ころ岩波の生島遼一訳で1回読んだだけ。ただ、これももっと完全にすずしくなってから読みたい感じです。なんとなく。フローベールの初期作品に「十一月」がありますが、そのくらい秋が深まってから。

「闇の奥」については読み終わったらなにかひと言書くつもりです。



では、また来週。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする