麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第115回}

2008-04-13 21:13:06 | Weblog
4月13日


立ち寄ってくださって、ありがとうございます。

東京は、寒い日曜日でした。
私は、疲れていて少し熱が出たので、熱ピタをはってほとんど横になっていました。

プルーストが、長編「ジャン・サントゥイユ」に挫折してから、一度完全に創作をあきらめ、その後、評論「サントブーヴに反論する」を書き始めて再び創作へ向かうまでの話を少しノートに下書きしてみたのですが、あまりに疲れていて最後まで書けませんでした。

光文社文庫で、「消え去ったアルベルチーヌ」だけでなく、ジョセフ・コンラッドの「闇の奥」の新訳が出るという告知を見ました。現行の中野好夫訳ももちろん見事ですが、東大系・超知識人系の中野訳はどんな作品でも格調高くしてしまうのが逆に欠点でもあると思います。船員上がりの原作者の、ほぼすべて話し言葉で書かれたこの異常な物語が、新しくどう訳されるか楽しみなところです(同じ作者の傑作「青春」も新訳で読んでみたいですが)。

また講談社文庫から「吉村昭の平家物語」が出ました。少年少女のための現代語訳の文庫化ということですが、たんなるダイジェストではなく、一気に読める平家ということでおすすめです(私は通勤電車とトイレ時間だけで読みきりました)。これを読んで、つぎに河出文庫の現代語訳(全三巻)にとりかかれば、よりわかりやすく楽しめると思います。



では、また来週。
コメント
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