鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

ああ勘違い、見た目に騙されるな

2007-09-20 | Weblog
 先日、東京・日本橋の丸善本店へ行き、本を見て帰りがけに1階の皮製品が置いてあるコーナーをのぞいたところ、金属製品が並べてあり、その中にステンレスの折り畳みコップがあった。しかも折り畳んだ状態で格好いい皮のケースもついている。メーカーはスコットランドの会社で、ブランドは「DALVER」となっている。ドイツのゾリンゲンみたいに聞いたことのある名前ではないが、良さそうな品に見えた。その場は買わずに引き上げたが、後日やはり欲しくなって、わざわざ買いに行き、8400円也で購入した。
 鈍想愚感子は数年前から複数の歯にまたがる入れ歯をしており、その入れ歯を毎日寝る前にはずして、コップの中の水に浸している。家にいる時は洗面所に入れ歯を入れたままコップを置いて何も問題ないのだが、旅行などに行った場合にコップ持参というわけにはいかないので、処理に困ることがある。家にいる時でも来客があり、その来客が泊まるような時には、かみさんはどこか人目につかないところに隠してしまう。本人やかみさんはいつものことで慣れているが、知らない人は目にしてあまり気持ちのいいものではないからだ。
 だから、旅行で相い部屋にでもなるような局面に至ると、その処理に神経を使う。そっと水に浸した入れ歯を人目につかないようにしない、といけないからだ。ホテルならコップが備え付けなので、それを利用すればいいのだが、知人の家に泊まった時など困る。それで、昔見たことのあるプラスティック製の折り畳みコップを随分探し回ったが、ついぞ見かけなくて、ずっとあきらめていたのだ。それがふと見つかったので、買うに至ったわけ。
 で、数日前に知人の家に泊まった際、早速そのステンレス製折り畳みコップを使用に及んだ。寝る前にいっぱいの水に入れ歯を浸して棚の上に置いた。そして、翌朝起きてみたら、なんとコップの中の水はほとんど漏れて外へ流れてしまっていた。
 どうしてこうなるのか、不思議だったので、家に帰って、7段の折り畳みコップを厳重に引き延ばして、水を入れ、試したが、結果は同じで、何回試みてもいずれも水が漏れ出した。ステンレス製で、一見、ピッタリと合わさっているように見えても、微細なところで、水が漏れ出すことがわかった。顕微鏡ででも見れば、ステンレス製とはいえ、表面は凸凹で、水が漏れ出すのだろう。ステンレスは見かけ上、表面はツルツルしているので、ついつい誤魔化されてしまうのだろう。
 これでもピクニックにでも行って、ジュースでも注いで、すぐに飲む分には十分に役に立つのだろう。少なくとも、入れ歯を浸して一晩持たせるような用途は考えられていないことがよくわかった。
 考えてみれば、丸善で買う時に店員に「一晩水を入れておいても漏れないか」と聞かなかった。ショッピングの際には用途を伝えて、きちんと使用に耐えるものなのか、を確かめるべきだ、ということがよくわかった。
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拉致問題解決を言明したのは?

2007-09-19 | Weblog
 自民党総裁選は派閥のなだれ現象で、福田康夫に決まり、との状況になり、焦点は福田内閣の顔ぶれに移っている。麻生太郎、福田両人とも国会開会中でもあり、大幅な入れ替えはしない、としているが、そのまま引き継ぐわけにはいかないだろうし、少なくとも麻生幹事長の後任は決めないといけない。もうひとつの要の官房長官をだれにするかがポイントだろう。福田内閣としては麻生氏と組んで安倍首相を引きずりおろした与謝野馨官房長官を留任させることはしないだろう。若くて、仕事も出来、かつ実力のある政治家を選ぶことになるが、福田がどちらかと言えば暗いイメージがあるので、明るい性質の人がいいだろう。そこにだれを持ってくるかで、福田内閣の評価が定まるだろう。
 それにしても福田康夫が麻生氏との討論でか、北朝鮮の拉致問題について、解決してみせる、と言明したのが気にかかる。麻生氏が慎重に対話と圧力で、と従来の主張に留まったにに対して、福田は一歩踏み込んだ発言をした。
 北朝鮮の拉致問題は「すでに解決済み」とする北朝鮮の前になんら為す術もなく5年間空費してきている。しかもここへきて、北朝鮮は米国と核の放棄を約束する代わりにテロ支援国家の指定をはずすことで合意しており、日本の拉致問題は解決済みとの国際世論を作りだそう、としている。
 にもかかわらず、福田が解決する、と大見栄を切ったのはなんらかの秘策でもあるのだろうか。日頃、慎重な発言をしている福田にしては考えられない発言である。自民党の派閥のほとんどの支持を得て、楽勝の積もりでいて、一歩永田町から外へ出て、秋葉原、大阪などを回ってみると、意外と麻生氏の人気が高くてびっくりして、「これは6年半前の小泉旋風の再来か」と思って、大衆へのアピールを考えて、思わず発してしまった発言ではなかろうか。
 福田については早くも消息筋では過去のスキャンダルをほじくり出そう、との動きがあるようにや聞いている。官房長官の時にはさえを見せていたが、トップに立って全責任を負う立場になって、シニカルなあのビヘイビアは通用しない。何事も公明正大でいかない、と国民が納得しないだろう。首相という職責はいまや前人未踏の重大なものとなっている。
 福田がその職責に耐えられるのか、国民は注視している。永田町の論理では圧倒的に福田支持であるが、国民にその論理は通用しない。そのギャップがもたらしたとっさの発言であるとしたら、笑うのはキム・ジョンイルだけだろう。いつの日か、福田が辞任する時にこの発言が命取りだった、と言われるような気がしてならない。

追記 国会の首相指名投票で民主党が社民党など野党各党に小沢一郎氏の推挙を要請した。仮に応じなくとも、参院では小沢氏が指名されるのは確実だが、自民党に無言の圧力をかけよう、との意図と見られる。衆院では福田氏が指名され、憲法上では衆参分かれた場合は衆院の指名が優先される規定となっているため、実効はないが、福田氏が万全の支持を得たわけではない、との証左となる。先行き国会の運営が容易ではないことを暗示してもいる。
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50年ぶりの再会

2007-09-18 | Weblog
 小学校を出てから来年春で50年を迎える。先日、同窓のN君から電話がかってきて、「クラス会をやるけど参加しないか」とのこと。N君は青組、鈍想愚感子は白組で、クラスは違うのだが、集まりがよくないので、知っている人に声をかけて参加を募っている、という。青組の担任のF先生には実はなにかとお世話になっていて、いまでも年賀状のやり取りをし、昨年のゴールデンウイークに挨拶に行こうとして果たせなかった先生である。もうひとり、評判の美人の生徒も参加する、という。実は白組はいままで一度もクラス会を開いたことがなく、いい機会であるので、一緒に集まろうか、と主だった人に参加を打診したが、ほとんど断られてしまった。で、大々的な拡大クラス会は来年ということにして、青組のクラス会に飛び入り参加することにした。
 17日の正午から名古屋・金山のホテルグランコート名古屋29階の中華料理店、花梨で日開かれるクラス会に行くと、掲示も何もなく、幹事の名を告げると、部屋に案内されたところ、30人くらいの団体が3つのテーブルに別れてもう宴たけなわ、といった感じで、どこかで見たような顔がないわけでもなし、それにしても時間を間違えたのかしら、と思っていたら、係りの女性が来て、「部屋を間違えました」と青組のクラス会の部屋に案内された。
 入って、会費を払い、振り返ると。F先生らしき人がいる。早速、日頃の失礼をお詫びし、昨年の訪問不発のことを話した。聞けば、F先生は86歳で、我々より2回り年上だ、という。86歳にしてはお元気で、昔のことをよく憶えている。挨拶を聞いていて、感謝と健康が大事、ときちんとした内容であった。
 肝心の美人生徒は残念ながら欠席で、幹事のN君に謀られた感がなくもないが、参加した青組の11人のほとんどは卒業以来初めて会う人ばかりで、なかにはこんな人がいたっけ、と思う人もいる。小学校は2年ごとのクラス替えで、一度も同じクラスになったこともない人もいるだろう。同じクラスでも一度も言葉を交わしたことのない人もいるくらいだから、他のクラスの人ではなおさらだ。多分、街ですれ違っても何も感じずに通り過ぎてしまうことだろう。
 そんな人でも話しているうちにこんな人がいた、と思い出してくるから不思議だ。記憶の底に沈んでいたのが呼び覚まされる、とでもいうのだろうか。2時間半くいらいのあと、近くのカラオケ店へ行き、約1時間カラオケで盛り上がった。こういう時に元気なのが女性陣である。1人、うまい女性がいて、独演会になりかけたところで、引き上げ、新幹線に乗って帰った。
 それにしてもタイムマシンに乗ったような楽しい1日であった。
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空から異物が落ちてきた

2007-09-17 | Weblog
先日のことである。まだ夏の暑さが残る朝、会社へ出かけて、いつものように公園の横を通りかかると、上から何やら水みたいなものが落ちてきたような気がした。蝉のオシッコでもかけられたのか、と思って肩提げカバンをチェックしたところ、バンドに黄色い染みが付いている。ハンカチで拭くとさっととれる。オシッコではなく、間違いなく鳥の糞である。汗もかいているので、頭の上をぬぐうと、ハンカチに糞らしきものが付いていた。ということは頭の上に鳥の糞が落っこったことになる。
なんたることだ。早速、駅のホームにある水道で、ハンカチを濡らし、頭の上をきれいにした。もちろん、鞄のバンドも拭き取り、何事もなかったかのように満員電車に乗り込んだ。が、急いで処理したため、他にも糞らしきものが付いているのではないか、と気が気でなかった。
考えてみれば、空を飛ぶ鳥が地上を歩いている人を目がけて、糞を落とすことなんて、まず考えられない。たまたま、落ちてきたのにぶつかった、としか考えられない。ということはすごい確率でもある。よくニュースでビルの上からおちてきた飛び降り自殺の人の巻き添えをくって、死ぬ人がいるが、なんと不運なことだ、と思っていたが、それに近い事件である。長い人生でこんなことは記憶にない。あったとしても忘れてしまっているのだろうが、不運としか言いようがない出来事であった。
この公園は最近出来たばかりの公園で、鳥が寄ってくるようになったこともある。残暑厳しき折りで、なるべく日陰を選んで歩いていたことも与かったようだ。
鈍想愚感子の頭はやや円形脱毛症気味で、頂上はツルツルで、今回の事件をきっかけにまた髪の毛が生えてくるような漫画みたいな奇跡でも起きないか、と期待したが、その後数日経っても依然として元のままであるのがしゃくである。姿を見なかった鳥をやっつけてやりたい気持ちにもなってきた
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最後までひ弱だった安倍首相

2007-09-16 | Weblog
 安倍首相が辞任を決断したのは週刊現代が「安倍首相が父、安倍晋太郎から相続した資産の相続税3億円を脱税している」と報じようとしたからである、との説が流され、辞任会見の時にもそのことを言うテレビ局があり、13日付けで毎日新聞が「12日午後2時までに回答するように発行元の講談社は求めていた」と報じた。午後2時は奇しくも安倍首相が辞任会見を開始した時間であった。15日付けの各紙朝刊に広告が掲載されていたので、渋谷駅まで行って、当の週刊現代を買ってきた。
 その週刊現代9月29日号は巻頭で「安倍晋三相続税3億円脱税疑惑」を特集している。その前に本誌が追い詰めたと書いてあり、このスクープで総理は職を投げ出した、発売前から永田町は騒然などと活字が踊っている。記事は要するに父安倍晋太郎氏の66の政治団が集めた6億6896万円がそっくりそのまま安倍晋三に引き継がれ、その時の相続税が一切払われていない、というのだ。
 編集部はこの事実は20年以上前の話で相続税の時効2年を過ぎてしまっているが、国税庁の幹部が脱税であると断言している、と犯罪である事実は隠せない、としている。
 安倍改造内閣の発足にあたって、安倍首相は閣僚に対し、政治とカネの問題については説明責任を果たしてもらい、不足がある場合には辞めてもらう、と伝えたと聞いている。だから、この脱税疑惑については自らの口で説明する義務がある。辞任したとはいえ、いま現在も総理であり、国民の不信の念を振り払う責を負っている。説明できない事情があるのなら、その旨を言うべきだろう。
 15日午後、一部に安倍首相自殺説さえ、飛んだようであるが、そんな噂が飛ぶこと自体、疑惑を裏付けることになる。このまま放置しておくならば、安倍晋三の政治家としての生命は終わり、ということになろう。
 16日朝のTBSテレビの時事放談で加藤紘一自民党元幹事長が「安倍首相は参院選後に続投を決めて以来、ずっとプレッシャーだったのではないか」と語ったが、そんなやわな人を首相に選んでしまった自民党、そして国民はもっと政治家の人となりを真剣に見つめて判断することが必要ではなかろうか。
 
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最後の笑うのは中日ドラゴンズか

2007-09-15 | Weblog
 プロ野球がここへきてやっと面白くなってきた。14日は珍しく、セリーグの3試合がいずれもテレビ中継され、特に首位攻防の中日ー阪神戦は午後10時過ぎまでNHK衛星放送第1で放送され、久し振りに野球中継を楽しめた。中日が阪神を7対5で破り、3位の巨人が6対0から追いついて延長で9対8で広島に勝ち、わずか0.5ゲーム差のなかに上位3チームが並ぶということになった。今年はセリーグにもクライマックスシリーズが採用されたため、1-3位に入ったチーム間でのプレーオフが行われ、最終的な順位が決まる。いまのところ、予断を許さないが、最終的には身びいきではあるが、中日ドラゴンズが勝ちそうな雰囲気となってきた。
 14日の中日ー阪神戦は中日、朝倉投手の乱調で一時は4対1と阪神にリードされた中日が主砲ウッズの2ラン、しかも久保田投手からのホームランで逆転した。それも金本のタイムリーで同点にされ、9回表にまたもウッズが今度は阪神抑えの切り札、藤川投手から決勝点となる2点タイムリーを叩き出した。この場面、藤川投手は150キロを超えるストレートを11球も投げ込んだ末、最後は力尽きた。ウッズもファウルで逃れているうちにスピードに慣れてきて、快打となった。どうして、直球ばかり投げたのか、疑問に思ったが、この回、先頭バッターの代打、立浪に変化球を見事、レフト前にヒットされ、変化球を自ら封印してしまったのだろう。
 テレビに映るウッズと藤川の表情は1球ごとに手に汗握る場面で、面白かった。阪神の誇る抑えのJFKの2人が崩れた場面として、今年のシリーズを象徴する場面となるかもしれない、と思った。今月9日に阪神が10連勝して首位に躍り出た時には藤川投手は10連投して、その立役者となったのだから、その疲労もあったのかもしれない。
 で、今年のセリーグのペナントの行方を考えると、一番のポイントである投手の起用をみると、一番オーソドックスに進めてきているのは中日ドラゴンズである。阪神は藤川投手の起用に象徴されるように抑えを使い過ぎだし、巨人に至っては先発、中継ぎ、抑えの起用が原監督らしく目茶苦茶である。だから、阪神、巨人ともこれからの正念場に疲労が出てきて、投手陣が崩れるだろう。その点、中日は無理使いしてきていないだけに安定した戦い方ができ、一歩リードしている。ということで、最後に笑うのは中日ドラゴンズである、と思う。
 それにしても、今年はプロ野球のテレビ中継がなくなってしまって、淋しい。8月中旬の中日ー巨人3連戦、今月上旬の中日ー巨人3連戦も首位攻防戦なのにほとんど中継されなかった。視聴率がとれず、スポンサーがとれないためであるが、長年のファンとしては淋しい限りである。巨人が戦力補強の仕方を強引に進め、プロ野球の魅力を半減させたことに最大の要因がある。巨人関係者はまだ反省が足りないようである。もっと、ファンのためにもプロ野球の新興を真剣に考えてほしいものだ。
 
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馬脚現した小泉チルドレン

2007-09-14 | Weblog
 安倍首相が辞任した12日の夜に小泉チルドレンは集会を開き、いまの局面を打開するのは小泉前首相の再登板しかない、と気勢を上げ、31人もの署名を集め、小泉前首相に総裁選への出馬を要請することを決めた。小泉チルドレンとしては構造改革の火を消さないためにもここは小泉前首相に頼むしかなく、小泉党の旗揚げにもつながりかねない、と注目を集めた。テレビには31人の署名した紙を見せながら意気揚々とその趣旨を述べる片山さつきの姿が映っていた。この集会には中川秀直前幹事長も挨拶し、あの小池百合子も馳せ参じたと伝えられているが、彼らには小泉前首相の人となりが全くわかっていないようである。これで、よく政治家が務まっているものだ、と呆れ返る。
 小泉前首相は確かに5年半、首相を務めたが、その間に行ったことは郵政民営化と構造改革、それに北朝鮮拉致家族の生還くらいのもので、解体寸前だった自民党の体質をすっかり壊してしまった。改革なくして成長なしとはいうものの改革の実態は米国からの市場開放と官僚に丸投げする地方切り捨てであり、いまの日本経済の直面する中央と地方、大企業と中小企業、富裕層と低所得層などの格差問題はすべて小泉前首相の播いた種である。
 おまけに後継者として何も知らないお坊ちゃまの安倍晋三を選び、無為に1年間の政治空白を作った。今回の安倍首相の引責辞任の責任の一半は適切な後継者を選ばなかった小泉前首相にある。
 そんな小泉前首相に再登板を求めるのは愚の骨頂である。小泉前首相は何の定見もなくその場しのぎで首相職を務めてきた御仁である。心中、もう金輪際、首相なんてご免だ、と思っているに違いないし、現在帳面する課題を作ってきたのに再登板なんてするわけがない。そんなこともわからずに相変わらず、小泉チルドレンは生みの親を信奉するとは、そんな議員を選んだ国民の1人として恥ずかしい限りである。
 案の定、小泉前首相は外遊から急遽帰国した森喜朗元首相に出馬しない旨を伝え、中川前幹事長にも「100%出馬はない」と言伝てした、という。13日昼の民放の街頭アンケートでは小泉前首相を臨む声が1000人中180人と一番多く、次いで小沢一郎の160人、福田康夫の140人となっていて、意外と小沢人気が上昇していたのが面白かった。
 ともあれ、総裁選は13日夕になって福田康夫氏が満を持して、総裁選立候補を表明したことから、俄然福田首相誕生ムードとなって一件落着の様相をみせている。これを察知した小泉チルドレンは即、福田支持に回ったが、もういい加減、定見のなさは明らかで、いずれ大海の藻屑と消えるのは時間の問題だろう。
 一時は後継一番手に挙げられていた麻生太郎幹事長は参院選開票日からの不穏な動きが嫌われたようである。それと参院選中のアルツハイマー発言も足を引っ張っているのだろう。政界は一刻ごとに局面の変わる怖ろしい世界であるようだ。

追記 朝テレビ朝日に出演していた片山さつき議員が今回の辞任劇を「クーデター」とコメントしたと伝え、本人も認めていた。そして、夕刊フジには「小泉チルドレンが小池百合子を総裁選に担ごうとして断られた」と見出しで報じていた。小泉前首相といい、小池百合子といい、どうも、もう少しましな人を選ぶ眼を持ち合わせていないようだ。
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とうとう「政治ごっこ」を投げ出した安倍首相

2007-09-13 | Weblog
 12日午後2時ちょっと前、会社へ戻ってテレビを点けると、国会中継をしているはずなのに画面の右上に「安倍首相辞任」とのテロップが入って、ざわざわしている。間もなく安倍首相の辞任記者会見が始まった。辞任を決意するに至った理由は「テロ特措法の延長に政治生命をかけたが、実現しそうもなく、後任の首相に託した方がいい、と判断した」とおよそ国民の方を見ていない理由を述べ立てた。そして、「民主党の小沢一郎代表に党首会談を申し入れたが、断られた」ことも理由のひとつと述べた。参院選に負けても続投し、内閣改造を行い、臨時国会の所信表明をしたばかりで、さあ決戦という時に「辞めた!」とばかりに首相の職を投げ出すとはまるで、ガキ大将がケンカを前に「止めた」と言っているようなもので、相方の小沢代表も「40年間議員をしているが、こんなことは初めて」と唖然としていた。
 自民党内はもちろん、友党の公明党、野党、そして国内外にも「若殿様、ご乱心」とばかりに衝撃が走った。どうしていまなのか、一様に唖然として、言うべき言葉を失った。最大の理解者であるはずの麻生太郎幹事長ですら会見の責上、「唐突が」と何回も感想を漏らしたほどだった。安倍首相は麻生幹事長に10日の夜から連日、「辞める」と漏らしていた、という。それは本心だったのか、それとも麻生幹事長の反応を試したいたのか、はわからない。後になって、あの時に「後継は任せておけ」と言えばよかった、と思うことにもなりかねない。
 与謝野馨官房長官は会見で「時が経てばわかってくることだが」と前置きし、安倍首相の健康問題も大きな理由のひとつである、と釈明した。政治家にとって健康を害するということは致命的なことで、入院でもしようものなら、即引退ということになりかねない。評論家の立花隆が機会あるごとに安倍首相の健康問題が命取りになる、と以前から指摘していた。
 ただ、本当に健康問題があるとすれば、倒れる寸前まで職責を全うし、小渕恵三元首相のように亡くなれば、同情を買って、自民党に対する支持は回復できたかもしれない。御身大事に事を運ぼうとする安倍首相には捨て身の覚悟を求めるのは無理だろう。
 もうひとつ、某週刊誌が安倍首相に3億円の脱税疑惑がある、として、追いかけていた、との説がある。近く紙面化される、ということだが、首相の座を捨ててしまうほど信憑性のあるものなのか、よくわからない。
 辞めるに至った理由はいくつかの要素が重なりあってのものと思われるが、最後にダメを押したのは安倍首相が信服する人から「もう辞めなさい」と言われてのことだ、と思う。鈍想愚感子はそれが中曽根康弘元首相だと思うが、それ以外の誰かなのか。
 安倍首相はいいとしても、改造内閣で念願の大臣になった人は折角大臣になったのに‥‥と、内心怒り心頭のことだろう。本人は済まして、一兵卒として清々した気分でいるのに、わずか1カ月で大臣の座を追われることになる。さぞかし、いい迷惑だ、と思っていることだろう。友党の公明党も梯子を外された形で、今後、自民党との協調も再考したい、との声も出てきかねないだろう。
 今後の焦点は19日にも行われる両院議員総会での総裁選の行方である。いまのところ、麻生幹事長が有力であるが、今回の辞め方から見て、流れはそうではない方向へ進んでいるようだ。安倍政権から離れていた谷垣禎一元財務相、福田康夫元官房長官あたりに落ち着きそうである。
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またも死に馬に蹴られた安倍首相

2007-09-12 | Weblog
 10日臨時国会が始まったが、郵政民営化に反対し無所属となっている平沼赳夫元経済産業相の自民党復党について、いわゆる小泉チルドレンから反対の声が噴出した。考えてみれば、すぐにでも現実となる総選挙で小泉チルドレンのほとんどは落選の憂き目に遭うのは確実で、彼等を無視しての郵政造反組の無条件復党に反旗を翻したわけ。国会開会を前に気勢を上げようとした安倍首相は出鼻を挫かれた格好で、まさに死に馬に蹴られた心境だろう。
 小泉チルドレンは郵政民営化を問う05年9月の総選挙で初当選した83人の新人議員の会、83会のことを言う。なかには比例区の名簿に名前を載せ、碌に選挙運動もせずに郵政民営化ブームに乗って当選を果たした杉村太蔵議員のような人も含まれ、まるで小泉前首相の子供のようだ、との意から小泉チルドレンと呼ばれている。
 10日国会内で開かれた自民党代議士会で、当選1回の中川泰宏氏が「平沼議員の復党は小泉改革の否定だ」と強く反発し、続いて登壇した当選1回の小野次郎氏も「党の参院選総括では、大敗北の一因は昨年の郵政造反組の復党問題にあった、と指摘された。執行部はそれを踏まえてやるべきだ」と慎重対応を求めた。そのすぐ横に座っていた安倍首相は悄然として、まるで鳩が豆鉄砲をくったような表情をしていたのが印象的だった。7月の参院選後の両院議員総会で中谷元防衛庁長官らから厳しく総理退陣を迫られた時と全く同じ光景であった。
 その場は麻生太郎幹事長が「岡山県連の意見を参考に検討する」と答え、取り繕ったが、執行部では想定していなかった小泉チルドレンの反撃にまさに色を失った感じでもあった。
 昨年は郵政造反組の復党に際しては、反省を示す誓約書を提出するいわゆる踏み絵の手続きを経たのに対し、今回は無条件に平沼議員を復党させる動きとなっている。与謝野馨官房長官と平沼議員が麻布中学の同級生であるし、党執行部はだれも異論を述べる者もなく、すんなりと事は運ぶ雲行きではあった。安部首相としては見識の高い平沼議員をなんらかの役職に登用して、政権の建て直しに一役買いたい、とでも思っていたのだろう。郵政民営化選挙からもう2年も経つので、小泉改革の色も醒めてきたし、時期とも見たのだろう。
 ところが、小泉チルドレンとしては死活問題であることを安倍首相の周りにいる官邸団の誰も気付かなかったのだ。ボスの感度がKY(空気が読めない)なら、周りもその色に染まる、ということか、まさに末期症状である。

追記 この小泉チルドレンの有志12人が同じ10日、小泉構造改革の継続をめざす「国民本位の政治を実現する会」(会長平将明議員9を発足させた。他にも小泉チルドレンを中心に8人でつくる改革派勉強会(仮称)などもできるようで、小泉チルドレンの動きは活発化している。現在、総勢85人で、自民党衆院議員の4分の1強を占める。これらチルドレンが一斉に落選すれば、自民党は間違いなく、衆院の過半を割り、野党となる。実力は伴わないが、数の上では圧倒的に力を持つ小泉チルドレンは執行部にとってはなはだ厄介な存在だろう。 
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まずは成功、黒澤明映画のリメイク

2007-09-11 | Weblog
 テレビ朝日がこの8、9日の両日、黒澤明監督の映画、「天国と地獄」と「生きる」をリメイクしたものを放送した。いずれも現代風にアレンジしているが、もう少し味をつけても良かったのではという不満が残った、それでも、テレビドラマとしては両作とも見ごたえのある内容で、さすが黒澤明といった感じであった。
 「天国と地獄」はもともと米国の推理作家、エド・マクベインの原作を黒澤明が日本風に「置き換えたもので、当時走り始めた新幹線を舞台にした社会派作品に仕立てあげた。今回は舞台を小樽にもってきて、丘の上に立つ豪邸に住む重役の運転手の息子を重役の息子と間違えて誘拐し、共犯者の夫婦を麻薬で殺す犯人のインターンの学生というところまで、丁寧に黒澤明版をなぞっていく。映画では三船敏郎、香川京子、山崎努演じたのを佐藤浩市、鈴木京香、妻夫木聡が演じる。この「天国と地獄」は最後に犯人が捕まって、死刑を宣告され、韜晦師との面会を断り、重役との面会を希望する犯人が拘置所の面会所で重役と会い、「アパートから見上げる重役の家はまるで天国だった」と述壊し、死なんか怖くないと強がるところがミソなのだが、二枚目の妻夫木聡ではやや迫力がない。むしろ、重役役の佐藤浩市がそう言うのがピッタリの感じだった。
 途中のCMで佐藤浩市と妻夫木聡が出てくるコマーシャルが流され、一瞬本篇が始まったか、と思われるほど巧妙なコマーシャルがあった。広告もそこまで節度がなくなっているのか、と考えさせられた。テレビ局もスポンサーにそう言われると「ノー」とは言えなくなっているようである。
 もうひとつの作品、「生きる」は映画では志村喬演じた市役所の課長役を松本幸四郎が好演した。定年前にガンを発病した市民課の課長が何の希望も失って、歓楽街をさまよううちに誰にもつげることなく、市民のための公園つくりに邁進し、完成したその公園で命を亡くす。告別式の場で部下が話し合ううちにその真相が明らかになっていく。
 前半のたらい回しのお役所行政を皮肉るところや、生まれて初めて歓楽街を歩き回り、生き生きとしてくる主人公が深夜のナイトクラブで一人淋しく「ゴンドラの唄」を歌う場面はじんときた。
 主人公に生きるきっかけを与えた深田恭子演じる女性課員が最後には悪役の助役の市長選立候補の選挙カーのウグイス嬢になって、公園の横を流していくあたり、風刺が効いていて面白かった。
 テレビ朝日はさらに黒澤明の「椿三十郎」もリメイクして放送するようであるが、素材がいいだけに見ごたえがある。その分、通常のテレビドラマがみすぼらしく見える。テレビドラマの作家はせめて、意気込みだけでも黒澤明に対抗していいものを作るよう心懸けてほしいものだ。
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