鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

みせかけの”清新”の福田つなぎ内閣 

2007-09-28 | Weblog
 新聞各紙の福田内閣に対する支持率調査が27日、一斉に出揃ったが、朝日の53%を最低に日経の59%まで見事に50%台とまるで申し合わせでもしたように同じような結果となった。安倍前内閣より大幅に上向きはしたが、とりあえずトップが替わって少しはやってくれそうだ、という期待がこうした数字となったのだろう。ただ、発足早々に新たな大臣として入閣した石破茂、渡海紀三郎両大臣が政治とカネでつまづきをみせ、新内閣の船出は必ずしも順調ではない。福田総理は新内閣を背水の陣内閣と命名したが、これは中曽根康弘元首相の名付けであることが判明し、清新さが売り物のはずの新内閣の化けの皮が早くも剥がれ、前途多難を思わせる。
 福田新内閣は安倍内閣時代の閣僚18人のうち13人を留任させ、2人を横すべりさせたので、結局新顔は自身を含めわずか3人だけとなった。これでは饅頭の皮をむいて、裏返しにしただけのことで、だれかが安倍改造内閣の時から想定していたような布陣である。いかに臨時国会開会中とはいえ、まる20日間も政治空白を作った割にはお手軽な人事である、といわれても仕方がない。
 考えてみれば、福田康夫なる人物は官房長官を経験しただけで安倍前首相とほぼ同じ政治キャリアしかない。派閥の長を務めたこともなければ、政治的に重要な職責をほとんど果たしたことがない。なにかをまとめることはうまいかもしれないが、新たにことを為すのはどうも苦手なようである。事実、今回の総裁選、新内閣の発足にあたって「信頼を取り戻す」とか、「仕事を着実にこなしていく」などといった発言は度々聞いたが、実際に日本をどうするのか、ビジョンの類の話は聞いた記憶がない。配下の閣僚や官僚がすることをうまくまとめて発言することだけに長けている政治家ではあるまいか、とも思えてくる。
 今回の内閣のキャッチフレーズである「背水の陣内閣」は実は福田氏が25日に中曽根元総理に挨拶に行った際に言われた言葉である。このことは27日付け毎日新聞夕刊2面の特集ワイドの「中曽根元首相に聞く」にはっきりと出ている。
 日経BP社がビジネスオンラインの読者1700人にアンケート調査したところによると、今回の内閣の命名では「派閥均衡内閣」とするのが一番で、次いで「自民党先祖返り内閣」、「つなぎ内閣」となっている。注目すべきは福田内閣の支持率がここでは29%しかないことで、「支持しない」は43%にものぼっている。さらに次ぎの衆院選で福田内閣が「勝てる」と見ているのがわずか15%しかなく、逆に「負ける」と見ているのが58%もいた。
 一皮むいただけのみせかけの”清新”福田内閣の寿命はもって半年という予言がどうやら真実味を帯びてきたようだ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 天高く物みな上がる秋 | トップ | もう相撲は見たくない »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事