都知事に就任以来2ケ月経って、華々しい活躍を見せている小池百合子氏は余勢を駆って、オリンピック組織委員会と自らの足元である東京都に大太刀を振るったが、いずれも厚い壁に阻まれて、いまのところ撥ね返された感じとなっている。300万票にも達しようかという圧倒的な得票を得て、世論をバックにバッタバッタと既得権力層を押しのけようとして、いまや時の人となっているが、ここへきて、どうやらその鉾先にかげりが出てきたようだ。人の噂も75日といわれ、就任してからそろそろ賞味期限が変わる時期にさしかかり、ややメッキも剥げつつあるようだ。
小池知事は11月7日に予定されていた築地市場の豊洲移転に待ったをかけたところ、土壌汚染問題から始まって土盛りが行われていなかったことや地下空洞構造が発覚するなど仕掛けた本人も思ってもみなかった問題が次から次へと発生し、国をあげての大きな問題となり、テレビは連日この問題を取り上げるなどまさに小池劇場化しつつある。小池知事はこの間、東京都が自らの手でなぜこんな事態となったのか、だれが決めたのかを解明するための調査に乗り出させ、都の自浄能力を測りたい、と語っていた。ところが、30日に発表された調査報告書では「責任者を特定することは難しい」との結論が出て、自浄能力どころか、うやむやのうちにそうした流れになってしまった、ということしかわからなかった。
たまりかねた小池知事は「ガバナンス(内部統制)の欠如と責任感の欠如」と厳しく批判し、今後重要な課題を部門をまたいで共有する「都庁マネジメント本部」を設置するとともに都政改革本部のなかに内部告発を受け付ける公益通報制度を充実することを決めた。ただ、今回の調査が身内が身内を調査することの難しさを露呈したことから、見て公益通報制度が有効に機能することは考えにくい。また、ガバナンスを強化するということはトップの在り方にもかかわってくることで、いずれ小池知事自身のガバナンスが問われることとなるのは避けられないことだろう。いまは前任者のガバナンスを問題にすればいいが、今後のガバナンスは自らに振りかかってくることを覚悟しなければならないことはいうまでもない。
もうひとつ小池知事は先月29日に2020年の東京オリンピックの総事業費が当初7000億円くらいだったのが、いまや3兆円にも膨らんでいることを重視し、このうち都が整備を進めているボート・カヌーの海の森水上競技場、水泳のアクアティクスセンター、バレーボールの有明アリーナの3施設の建設費が当初の2倍から7倍へと大幅に増えていることから、オリンピック組織委員会に見直しを申し入れた。指摘していることはもっとなことだが、翌30日に開かれた衆院予算委員会でもこの問題は取り上げられ、オリンピック担当の丸川珠代大臣は「オリンピックの予算を決めるのは東京都とオリンピック組織委員会」と語り、東京都が当時者であることを言明した。小池知事はいかにも被害者のようなスタンスで切り込んだわけだが、それを決める当事者であることがはっきりとしたわけで、今後は自ら事業費の見直し、抑制に乗り出さなければならなくなるだろう。
小池知事はかつて小泉元首相のもと環境大臣などを務めていたことがあるせいか、その政治手法はかなり小泉氏の真似をしているようなところがみられる。さらには大阪市の元市長だった橋下徹氏の橋下劇場の手法も真似たところもみられる。いずれも世論をバックにマスコミ受けするような言動を重ねていくパーフォーマンス型政治手法である。ただ、橋下氏の場合は多少の暴言や勇み足をしても大阪という立地の事情っもあって、見逃されることがあった。しかし、東京都の場合はいささかの失言もあってはならないし、極めて慎重な言動が要求される。それには何をやるにしてもそれなりの優秀なスタッフが控えていて、万全の体制を取らないとどこかで足を掬われることともなりかねないだろう。そろそろ小池劇場の賞味期限も切れる時期が近づいている。改めてこれまでの言動を振り返って、今後は慎重に足元を固めていくことが求められるだろう。
小池知事は11月7日に予定されていた築地市場の豊洲移転に待ったをかけたところ、土壌汚染問題から始まって土盛りが行われていなかったことや地下空洞構造が発覚するなど仕掛けた本人も思ってもみなかった問題が次から次へと発生し、国をあげての大きな問題となり、テレビは連日この問題を取り上げるなどまさに小池劇場化しつつある。小池知事はこの間、東京都が自らの手でなぜこんな事態となったのか、だれが決めたのかを解明するための調査に乗り出させ、都の自浄能力を測りたい、と語っていた。ところが、30日に発表された調査報告書では「責任者を特定することは難しい」との結論が出て、自浄能力どころか、うやむやのうちにそうした流れになってしまった、ということしかわからなかった。
たまりかねた小池知事は「ガバナンス(内部統制)の欠如と責任感の欠如」と厳しく批判し、今後重要な課題を部門をまたいで共有する「都庁マネジメント本部」を設置するとともに都政改革本部のなかに内部告発を受け付ける公益通報制度を充実することを決めた。ただ、今回の調査が身内が身内を調査することの難しさを露呈したことから、見て公益通報制度が有効に機能することは考えにくい。また、ガバナンスを強化するということはトップの在り方にもかかわってくることで、いずれ小池知事自身のガバナンスが問われることとなるのは避けられないことだろう。いまは前任者のガバナンスを問題にすればいいが、今後のガバナンスは自らに振りかかってくることを覚悟しなければならないことはいうまでもない。
もうひとつ小池知事は先月29日に2020年の東京オリンピックの総事業費が当初7000億円くらいだったのが、いまや3兆円にも膨らんでいることを重視し、このうち都が整備を進めているボート・カヌーの海の森水上競技場、水泳のアクアティクスセンター、バレーボールの有明アリーナの3施設の建設費が当初の2倍から7倍へと大幅に増えていることから、オリンピック組織委員会に見直しを申し入れた。指摘していることはもっとなことだが、翌30日に開かれた衆院予算委員会でもこの問題は取り上げられ、オリンピック担当の丸川珠代大臣は「オリンピックの予算を決めるのは東京都とオリンピック組織委員会」と語り、東京都が当時者であることを言明した。小池知事はいかにも被害者のようなスタンスで切り込んだわけだが、それを決める当事者であることがはっきりとしたわけで、今後は自ら事業費の見直し、抑制に乗り出さなければならなくなるだろう。
小池知事はかつて小泉元首相のもと環境大臣などを務めていたことがあるせいか、その政治手法はかなり小泉氏の真似をしているようなところがみられる。さらには大阪市の元市長だった橋下徹氏の橋下劇場の手法も真似たところもみられる。いずれも世論をバックにマスコミ受けするような言動を重ねていくパーフォーマンス型政治手法である。ただ、橋下氏の場合は多少の暴言や勇み足をしても大阪という立地の事情っもあって、見逃されることがあった。しかし、東京都の場合はいささかの失言もあってはならないし、極めて慎重な言動が要求される。それには何をやるにしてもそれなりの優秀なスタッフが控えていて、万全の体制を取らないとどこかで足を掬われることともなりかねないだろう。そろそろ小池劇場の賞味期限も切れる時期が近づいている。改めてこれまでの言動を振り返って、今後は慎重に足元を固めていくことが求められるだろう。
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