鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

部分入れ歯に先に歯を付け足してくれた技術に驚いた

2009-05-03 | Weblog
 先日、昨年7月から通っていた歯の治療がようやく一段落した。3年近く放っておいたつけで、毎週のように通って、一応の処置が終わったのだ。半年に1度くらいの点検と言われていたのについつい足が遠のいて、かくなる次第となってしまった。歯医者というと虫歯が痛くならないと行かないくせがついているので、定期的な点検と言われてもついつい間遠になってしまうのだ。
 久し振りに行った歯医者では右上の奥歯がボロボロになっていたのと、左上の奥歯の1本が割れて歯ぐきから飛び出していたのと、一部の歯が欠けていたのに加え、右下の奥の冠をかぶせていた歯が歯周病の罹っている、と診断され、順番に治療を施してきた。まず右上の奥歯はすっかり歯がなくなってしまい、部分入れ歯で対応することになった。すでに数年前から左下の奥歯に入れ歯を入れていたので、これで上と下に部分入れ歯をすることになった。
 で、最後に治療した右下の奥歯は冠をとってみたら、3本あった歯の真ん中の歯が欠けて半分死んでいることが判明して、抜いてしまった。その欠けた部分をどうするのか、と思っていたら、先生が「下の入れ歯を作り直しますか、それともいまの部分入れ歯に付け足しますか」と聞いてきた。これまで入れ歯を作る度に型を取って調整するのに手間どってきた記憶があったし、入れ歯に付け足しすることができるものなのか、との興味もあったので、「付け足しにして下さい」と返答した。
 下の部分入れ歯は左の3本の奥歯を金具で右の方に引っ掛けて支えている構造となっている。その右に伸びた金具に部分入れ歯を付け足すというものだ。で、どうするのか、と口を開けていると、先生は歯の具合いを目で見ながら、金具の先に部分入れ歯を付けてその周りにプラスティックの歯肉を付けて、何事もなかったかのように付け足してしまった。研磨機のようなもので、形を整えながら、見事に欠けた歯の上にかぶさるような入れ歯が出来上がってしまった。最後に赤い紙を挟んで、ぎしぎし噛みながら、調整して仕上げてしまった。この間、かかった時間はわずかに30分くらいで、まるで手品師のような鮮やかな手捌きであった。
 部分入れ歯と歯肉のようなプラスティックがどんなもので出来ているか、知らないが、歯を噛む時には歯には1平方センチ当たり何100キログラムもの力が加わると聞いているので、生半価なものでは用を足さないことは容易に想像できる。
 普通なら、上と下の歯型をとって、そのうえで入れ歯を作っていく工程を目で見ただけで、仕上げてしまったわけで、技工士と歯医者の1人2役をこなしてしまったことになる。「付け足しでやって下さい」と言ったものの、かくも鮮やかに行われるとは思いもしなかった。件の先生は若い頃、米国へ留学したこともあり、腕のいい先生とは聞いていたが、実際にその実力を体感してなるほどと思った。
 治療が終わって、そのことを先生に仄めかすと、先生は「大したことじゃないです」と謙遜していたが、賞賛に値する技術といっていいだろう。
 以来、歯の調子はすこぶる良好である。今後はいい技術で作っていただいた歯を大事にして、定期的な点検は欠かさないようにしよう、と思った。
 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新型インフルエンザは神の下... | トップ | 自民党の世襲議員制限は単な... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事