鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

日経と講談社が提携して発行されたスタイルマガジン 「Ai」は1回切りで廃刊も

2015-03-23 | Weblog

 22日の日本経済新聞朝刊の織り込みチラシとしてタブロイド判グラビアの冊子「Ai」の創刊号なるものが配達された。パラパラとめくってみると、いつもの同梱冊子のたぐいかな、と思ったら、日経のカラーとは一味違う感じがした。表紙から3枚目のところに創刊の挨拶が載っており、それを見ると編集一切が出版大手の講談社の手になるものであることが明記されていた。これまでこの種のものは日経グループの日経BP社、もしくはかつて存在した日経ホーム出版社によって作成されていたのが全く外部の講談社に委ねるというのは一体どうしたものか、と首をひねらざるを得なかった。

 ザ・ニッケイ マガジン・スタイル「Ai」と銘打った冊子は表紙裏にディオール、表紙をめくった2ページ目には見開きで資生堂の化粧品広告が載っており、中にはティファニー、スワロフスキーなどの広告が掲載されていて、キャリアウーマンを意識した広告中心の媒体で、まるで女性向け雑誌が無代誌としてそっくりそのまま移動してきたような感である。編集長を務める藤谷某なる仁の挨拶によると、講談社の女性誌「GLAMOROUS」の編集長だった人で、編集次長以下すべて講談社の手でなされたもののようである。

 日経は単に発行元として看板を貸し、マーケットを提供しただけのようで、クロスメディア営業局が企画したもののようである。恐らく電通あたりが考え、日経に持ち込んで成立させたのだろうが、グループに出版社を抱えていて、「日経ウーマン」など女性向け雑誌を発行している日経BP社を飛び越えて、講談社に持ち込んだのだろう。経済、ビジネス関係ではリードしている日経BP社も講談社の前では後塵を拝さざるを得なかった、ということなのか。

 それにしても直接ではないにしても、日経が講談社と手を結ぶということはビジネスの世界ではありえても、肝心の編集面で後塵を拝するような形で一般にさらすことは日経のイメージとして必ずしもいいものとは言えない。広告主導で進んだプロジェクトでは得てして起こりがちなことではあるが、果たして日経経営陣のトップまで了解して進めたことであったのか、ガバナンスの上で禍根を残すことになりはしないか、と懸念される。諸般のこうしたことを考えると、スタイルマガジン「Ai」の次回の発行は1カ月後だというが、1回切りで廃刊ということは十分に考えられることである。

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