鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

いまごろ「総理に聞く」放映の意図は?

2009-03-16 | Weblog
 15日午後、フジテレビの競馬中継を見ようと思ってチャンネルを回していたら、NHKテレビで麻生首相の顔が映っている。新聞の番組欄を見ると、「総理に聞く」となっていて、評論家のテリー伊藤、岡村正日本商工会議所会頭とNHKの解説委員らしき人が麻生首相を囲んで当面する経済・政治情勢について質問している。なぜ、いまこんな番組がと首をかしげたが、西松建設の政治献金問題や総選挙、不況対策などについて話し合っていた。
 なかで面白かったのはNHKの世論調査で「総選挙後にだれが首相にふさわしいか」との問いに対し、小沢民主党代表が政治献金問題の発覚で前回24%だったのが14%になっているのに、麻生首相も前回の13%から10%に落ちていることで、それでも小沢代表より低いとの結果を見せられても、麻生首相は「小さい時から人気がなかった」と動じなかったことだ。さらに総選挙の時期について聞かれた時も「テレビの前では本音は言わないものだ」とテレビに出演しているのに視聴者の気持ちを逆なでするようなことを平気で語った。
 麻生首相の内閣支持率は一時一ケタ台にまで低下したが、このところ、小沢民主党代表の敵失ともいえる政治献金問題で18%台まで盛り返している、という。15日の「総理に聞く」のなかでも紹介されたが、麻生内閣を「支持しない」とするのが70%程度あり、国民の政治離れを呼んでいる、というのが正直なところだろう。西松建設からは小沢代表だけでなく、自民党の森元首相や二階俊博経産相らも政治献金をもらっていたとあっては政治家全体にかかわることで、口だけの浄化がいかに嘘であったかが明らかとなっただけで、一部にある自民党の復権と喜ぶわけにはいかないだろう。
 しかし、政界を覆っていた解散・総選挙風が一気に飛んでしまったのは事実である。自民。民社とも痛み分けで、トップがそれぞれに事情を抱え、それどころでなくなってしまった、というのが大方の見るところだ。このままいけば、9月の衆院議員の任期満了まで総選挙はない、というのが大方の収束するところとなりそうな雰囲気である。
 すでに一部市町村で始まった定額給付金の支給も大前研一氏によると市場で消費されるのは30%程度で、GDP浮揚効果は0.1%しかない、という。休日の高速道路1000円で乗り放題も省エネに逆行する、と評判がよくない。麻生首相では総選挙を戦えないというのが自民党議員の腹だが、さりとていま首相交代して勝てるか、というと覚束ない、というのが本音だろう。
 となると、低空飛行の麻生首相は安倍、福田評判の悪い首相程度の在任期間は首相を務めることになるわけで、平成の最短内閣という不名誉な記録だけは残さなくて済みそうではある。
 15日朝、例によってマラソンに出かけたら。街のあちこちに神奈川18区選出の自民党の山際大志郎議員が「子育てを考える集い」と書いて小渕優子少子化担当大臣とツーショットで並んだポスターが掲出してあった。麻生首相とのツーショットでは票がもらえない、とのことでかくなるポスターとなったようで、足元から麻生内閣の楼閣は崩れているようだ。
 それでも「総理に聞く」を放映したNHKの意図は一体どこにあったのだろうか。
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