鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

防衛省がらみの「本当の悪」を知りたい

2007-11-16 | Weblog
15日の参院外交防衛委員会で証人喚問が行われ、守屋武昌前次官が証言台に立ち、先月29日の衆院特別委員会での証人喚問と同じく無表情で「記憶にございません」との答弁に終始したが、途中で1回だけ人間性を見せた瞬間があった。自民党の山本一太議員の「こういう体質は防衛省全体にはびこっているものか」との質問に対し、きっとなり「今回の件はすべて私の不注意から発したことで、いかなることがあっても受ける覚悟でいる。退職金も返上するつもりだ。ただし、他の防衛省職員も同じようなことをしているとは思っていない。あくまでも特異な例だった、と思ってほしい」と涙ぐみながらきっぱりと否定した。組織の長たるものが不祥事を犯して、組織全体に及んでいない、とは説得力のない言い分ではあるが、守屋前次官としては防衛省全体が世間からそうした目で見られることに耐えられなかったのだろう。
 そこで、山本議員は文芸春秋誌12月号に「独裁者守屋武昌の告白」なるタイトルで記事が掲載されていて、そこで、守屋前次官の言葉として「僕は本当に利権で金にからんだことなんて一度もない。逆に沖縄にも東京にも普天間移転やさまざまな振興策にからんだ沖縄マフィアが跋扈している。基地の被害を受けている人とと金儲けをしている人は別。また、これまで防衛利権にからんできた本当の悪は他にいる。僕は何をどこまでできるのか」と引用されていることを指摘し、「この本当の悪とはだれなのか。ここで一切を語ってほしい」とたたみかけた。
 これに対し、守屋前次官は「筆者の田村建雄なる人と会ったことはあるが、今回の問題が起きてからは会ってないし、雑誌に書くからということでインタビューを受けたことはない。掲載前に原稿だって見せてもらっていないし、このところだれとも一切会っていない」と否定した。雑誌に載せるからと言って取材するのは正道であるが、一問一答式のインタビュー記事ならともかく、この手の解説記事はイチイチ相手の了解を取って掲載はしない。過去の取材から組み立ててしまうことが多い。増して、渦中の事件ものならなおさらだ。しかも掲載する記事を事前に関係者に見せるなんてことはしない。長く、マスコミと付き合ってきているはずの守屋前次官みたいな人でもこんな思い込みでいるのだからあきれる。
 山本議員もそれを聞いて、さらに田村建雄なる筆者とのやりとりでも追及するのか、と思ったら、あっさりと引き下がってしまった。「本当の悪」とは一体何なのか、国民のだれしも知りたい、と思っているのに突っ込まないのは、所詮安部前首相のお先棒担ぎだった山本議員では無理な注文だったのかもしれない。
 
追記 15日の喚問で、守屋前次官は浅尾慶一郎民主党議員の質問で久間章生元防衛相と元防衛庁長官の額賀福志郎財務相が宮崎元伸・山田洋行元専務との宴席に同席したことを証言し、今後の政局の大きな焦点となりつつあるが、あとはほとんど白を切るか、記憶にない、と繰り返した。特に具体的な防衛省調達品について、AWACSかについてメーカーと商社を聞かれた際に「ボーイング社で、扱い商社は知らない」と答え、質問者から「これはGEで、山田洋行です」と切り返されていたのには驚いた。人間、ここまで白々しく振る舞えるものなのか、と改めてテレビ画面の守屋前次官の顔を見つめ直した。
  
コメント (1)
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