鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

お粗末な日本高野連

2007-05-08 | Weblog
 以前から日本高校野球連盟はおかしい、と思っていたが、ここ最近の野球高の特待生問題への認識についてまるで実態を知らない状態に呆れ返る。いまどき、甲子園に出場するチームで特待生がいない高校を探すのが難しいくらい、常識ではなかろうか。いまは春の各都道府県の大会が開かれており、違反校は出場辞退と対外試合の自粛を申し出ているが、夏の甲子園大会についてはどうするのか、決めていない。高野連は8月中旬までに対応策を決めたい、としているが、これでは夏の甲子園大会はこのまま行う、ということになるし、肝心の日本学生野球憲章をどうするのか、はまだ何も決めていない。こんな高野連なんてなくてもいいのではなかろうか。
 日本学生野球憲章は昭和25年1月22日から施行されているもので、第13条に「選手または部員はいかなる名義によるものであっても、他から選手または部員であることを理由として支給され、または貸与されるものと認められる学費、生活費、その他の金品を受けることができない」と規定してあり、その2で「選手または部員は、いかなる名義によるものであっても職業野球団その他のものから、これらとの入団、雇用その他の契約により、またはその締結を条件として契約金、もしくはこれに準ずるものの前渡し、その他の金品の支給、もしくは貸与を受け、またはその他の利益を受けることはできない」ともしている。
 これに違反しているのは全国4678校の高校のうち376校、部員数にして7971人にものぼることが判明した。1校の公立高のほかはすべて私立高で、1校の公立高は同窓会から月1万円の奨学金をもらっている部員が3人いた、というもので、違反というより微笑ましい。
 こうした実態を知らずに当初は「怪しからん」と発言していた高野連首脳は最後はあまりの多さに言葉を失い、泣き出す始末。しかし、憲法ともいえる野球憲章に違反していた実態にどうケリをつけるのか、いまに至るまで何も考えを表明していない。甲子園出場をめざして練習してきた野球少年の不安にどう答えるのか、なんら方針を出せないのはお粗末の極みである。
 他のスポーツでは特待生は当たり前となっているのに、野球の場合、プロ野球があるためにきつい縛りをかけている。日本学生野球憲章は高校だけでなく、大学も規定の対象となっているはずである。大学野球連盟とも歩調を合わせなければ、意味のないことになるだろうし、社会人野球のケースはどうするか、という問題も出てくるだろう。
 問題は憲章13条2で規定しているプロ野球からの支度金等の前渡しであり、これは一切浄化しない、といけないだろう。そして、1の特待生については保護者の所得に応じて認めることにするしかないのではなかろうか。現実に野球だけをしていく生活レベルにいない生徒もいることは否定できないのだから、そうした生徒に対しては授業料、生活費を援助する制度はあってもいい、と思う。勉強のできる生徒には昔から奨学金が支給される制度があったし、いまもある。勉強でなく、それがスポーツになるだけのことだろう。この程度の裁きができない高野連なんて本当に要らない。
 
コメント
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