鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

どうしてどうして立派な30貨店

2007-05-02 | Weblog
 会社の女の子が辞める、と挨拶に来たので、理由を聞くと寿退社だ、という。「おめでとう」と言って、先のことを聞くと、商店街の洋品店の経営を継ぐのだ、という。今時、商店街の洋品店なんて継ぐほどの価値があるのかしら、と思っていると、場所はなんと会社の近くの麻布十番だ、という。南北線が開通したての頃、名前をよく聞いた麻布十番とは一体、どんなところか、と見物に出かけたところ、駅に近くにパチンコ屋があって、場違いな感じがしたことを憶えている。その後、しばらくして、パチンコ屋は廃業して、跡はスターバックスのお店に代わった。女の子の洋品店はそのパチンコ屋の側で、小さい頃、開店の軍艦マーチが目覚ましになっていた、という。
 それでも、どうせ大したお店ではないのだろう、と思って、ある日、改めて見に行ってみて、驚いた。6階建ての豪華なビルで、1階は想定していたせいぜい2間間口くらいの小さな洋品店どころか、立派な洋品店で、2階から上はアパ-トになっていた。何回もその前を通っていたはずなのにずっと見過ごしていたのだ。ざっと見る限り、百貨店まではいかないが、30貨店くらいの品揃えはありそうだ。上のアパートを貸しているのだろうから、後を継ぐだけの身代は十分にありそうだ。
 会社に帰って、その旨を当の女の子に言うと、姉妹は3人で、一番下だ、という。上2人はもう結婚して家を出てしまい、最後に残った身として、お婿さんをもらって、後を継ぐのだ、という。すでにお婿さんは日本橋堀留の繊維問屋で修業しているともいう。ちなみに聞いてみると、最上屋に両親が住んでいて、その下の5階に家を構えるのだ、という。
 もともと愛想のいい娘さんで、会話の最後に「ぜひお店に来て、買って下さい」と早くも後を継いだような科白を言うのを忘れないあたり、商売人である。
 そう言われた手前、いつかお店に行かなくては、と思っていて、先日、六本木へ行ったついでにN洋品店にかみさんと入ってみた。紳士・婦人物衣料がほとんどそろっている。値段は実用衣料品が中心なので、全般に手頃で安い。ちょっとした小物も置いてあり、こうしたお店は地域、地元にとっては必要で、生き残るだろう、と思った。休日の午後であったが、結構、お客さんも入っていた。丁度、紳士用のチョッキが欲しい、と思っていたので、物色していたら、Poloのブルーのウールのチョッキがあり、あててみるとサイズもピッタリなので、買うことにした。価格はなんと3000円と1ケタ上くらいでも買おう、と思っていたので、ちょっと得をしたような気分となった。
 生憎、当の女の子は居なかったので、挨拶はできなかったが、いいお店であった。
 頑張れ、Nさん、30貨店から50貨店にとエールを送りたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする