どういう意図でミシェル・ルグラン作曲による1971年の映画「恋」(原題Go Between=仲介者)のピアノによるテーマ曲をほぼ全編に流したのだろう。
「恋」の内容はというと、20世紀の初めのイギリスの田舎に預けられた13歳の少年ドミニク・ガードが年上の令嬢ジュリー・クリスティに憧れ恋するのだが、クリスティの方はガードを使い走りとしてしか遇さず、別にたくましい小作人の男アラン・ベイツとできていたというもの。タイトルこそ「恋」だが、実態はジョセフ・ロージー監督、ハロルド・ピンター脚本らしい残酷劇といっていい。
この映画に出演した時のクリスティの実年齢は31歳。
「メイ・ディセンバー ゆれる真実」のモデルになった実際の事件の女の方は36歳だから、まあ近いといっていい。相手の少年の設定は13歳だから合致する。
年上の女性と少年の組み合わせというのは実話創作問わずよくある話ではある。
この場合少年がすでに成長して(演じるチャールズ・メルトンは1991年生)いるのであまり見分けはつかない。
見分けがつかない中で内面の葛藤を想像しながら(表には出さない)、突発的に思わぬ行動に出るのに驚いたりすることになる。
ラストでポートマンが蛇をいじっているのは創世記のイブにひっかけているのか。